かくしごとなんて
はじめからなかったはずなのに
生きてると
知られたくないことの
ひとつやふたつあるものでした

できることなら
椅子に生まれて
何も思わずにただ生きて
人を支 ....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ

波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる

夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む

あなたと
指を重む
その温度の確 ....
先月開店したばかりの 
真新しいコンビニの店内に 
入るとばったり 
大きいふたつの瞳と 
目が合った 

「 おぉ 」 

小学校の同級生のともこちゃんは 
すっかりいいお母さんに ....
 
下校中
ぼくは君の背中ばかり
見ていた気がする

とても小さな水が
生まれる場所をめざして
いつもの帰り道は澄みわたりながら
永遠みたいに流れていた

君の背中はとても自由に見 ....
すべてが優しい歌のようで
すべてが明るいあこがれで
おまえらはまるで夢のようだ
洗おうともしない穢れに蓋をして白く塗り潰す


街中の繁華街の
何か ....
セックスをする夢を見ました
セックスする前にわたしは
コンドームを買おうよと言って
あなたとふたり手をつないでコンビニに行きました
あなたはわたしが前に付き合っていた人でした

あなたのセ ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
彼も昔は普通の水辺に住む生き物だった
腹が減ったら飯を食い、身体が求める通りに泳ぐ
底の方から水面を覗いて藻が緑色に透けるのを楽しむような
平凡な日々を過ごしていた

ある日、少年が彼の住む ....
あなたの両手が
震えている

掌からは
せわしない日常が

ゆっくりと零れていく

{引用=
歳グヮ トッタネ


母よりも白い手で
母と同じくらいの愛情で
母とは違う眼 ....
夜の校庭で

君と光に興じる

最後の光が消えたとき

君はふっといなくなる

少しあわてて

君を抱き寄せて

その存在を確かめる

そのまま一回キスをしたら


 ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
 あああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああ
 さ、朝だ。



 布団の中で考えていた
 のは、昨日の ....
思えば今迄数えきれぬほど 
脱いでは洗い 
洗っては干し 
畳んで仕舞う 
引き出しから取り出しては 
毎朝少々気分を変えて 
鏡の前で服を着る 

昇っては沈む 
太陽の数ほどに  ....
きのう、
おちばの海を
巨大な足でかいて
じゃさっ、じゃさっ
と、踏んだバス停まえ

みあげれば
あの葉も、あの木も
こがねいろ
あかねいろ


駅前のそら は
ももいろの画 ....
オリオンを探す

どかっと淡くきらめいている

それを認めて

ぼくという万有引力について考える

谷川俊太郎が湧き出てくる

孤独について考える

オリオンのきらめき

 ....
おうちに
赤ちゃんが
うまれた

赤ちゃんは
眠ります

すぅ すぅ
くぅ くぅ

赤ちゃんは
泣きます

ぎゃぁ ぎゃぁ
きぃ  きぃ

赤ちゃ ....
2008年11月27日8時21分投稿

2024.5.13 作品使用予定のため非公開にしました
 
なつかしいひとよ
あなたのことを
わたしは知らない

なつかしいひとよ
記憶とは
つくりものでしかなかった

なつかしいひとよ
はじめて会った日のことを
覚えているだろうか
 ....
この夜を渡る

さかなたちは眠りをしらない

そういうふうに作られたから

それを不自由だとも思わない







時計台の上で

ねじまき係の少年が

ただ夜 ....
息をするのはむずかしい
顔のまわりにある空気をすすっと鼻の中に集めて
ぐっとおなかに力を入れて 一気に肺まで落とすのだ
わたしはあの 空気がすーんと体の中を走る感覚が怖い

道を正しく歩くの ....
とうとう袋になりました
中で赤子が
手足を動かすのもわかります
なにしろ袋ですから
でもいま
手が動いたのか
足が動いたのかはわかりません
透明ではない袋なんです
どんな顔をしているの ....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった

冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
サイドブレーキを引いた後も
まだ帰りたくないって君が言うから
カーステレオの音を最小限にして
くだらない事を夜通し話したね

一昨日食べたドーナツが美味しかったとか
ゼミの友達が ....
固ゆでの
黄身が底にころがっていたので
指でつついたら「u、あい」とはっきりしない返事をした
たぶん俯いているかつっぷしているかして
声がくぐもっている
白身はどこへいったかと訊ねると
ま ....
さかなによく似た
君に寄り添って

みたこともない海の
話をする

あなた だってそうでしょう?
本物じゃない

ここにいる僕たちは
だからこそ 寄り添って

途方に暮れた
 ....
シーアネモネ
イソギンチャクとクマノミ
君たちはいつから一緒にいるの

遺伝子と生き物
私たちはずっと一緒

生まれる前から
これからいつまで

非在から存在へ
存在から存在への ....
 
夜空を歩いてたら
サンタクロースに会った

そのことを君におしえたくて
さがしたけれども
みつからない
君ははじめからこの世界に
いなかった気がしてくるのだから
不思議なものだ
 ....
夏空の下揺れる陽炎の中
紅いキンギョ草がほころんで
微かな風にゆらゆらと踊り
入道雲が天を昇る昼下がり

一陣の熱風が吹き付けて
街路樹がいっせいに葉音を奏でて
蝉の声は断末 ....
からまつの暗い林を
どこまでも歩いたような気がする
きゅうに空が明るくなって
その先に白い家があった
それは夏の終わりだったと思う
空へ伸ばしたきみの腕が
ブラウスの袖から露わになって
 ....
 
おなじ水が
おなじ水のほうへ
ながれてゆくように
僕らは
さかなになりました

僕らはいつしか
濡れたからだで
水辺に立ち尽くしていました

はじめて会った
気がしませんで ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
椅子- 小川 葉自由詩21*08-11-30
質量、海の- umineko自由詩26*08-11-30
サンタクロースの白い袋_- 服部 剛自由詩308-11-29
初恋- 小川 葉自由詩408-11-29
定置漂流- ホロウ・ ...自由詩6*08-11-29
セックスの夢- とんぼ自由詩1008-11-29
ここに魚を- オイタル自由詩6*08-11-29
さらわれた魚怪類- 木屋 亞 ...自由詩3*08-11-28
震える手へ- 自由詩3*08-11-28
夜海- 中谷 カ ...自由詩108-11-28
スパイ- たりぽん ...自由詩15*08-11-28
朝のスキャット- 草野春心自由詩1+*08-11-27
正午の太陽__〜ベランダの夢〜_- 服部 剛自由詩308-11-27
愁思秋逢- 唐草フウ自由詩5*08-11-27
オリオンを探す- 吉岡ペペ ...自由詩508-11-27
それでいい- 池中茉莉 ...自由詩4*08-11-27
星くじら- 姉山右京自由詩208-11-27
なつかしいひと- 小川 葉自由詩408-11-27
僥倖- 自由詩408-11-27
正しい道の歩き方- とんぼ自由詩308-11-26
とうとう袋になりました- よしおか ...自由詩9+*08-11-26
さびしさを吐く- かんな自由詩31*08-11-25
駐車場- 1486 106自由詩3*08-11-25
kimigasokoniirudakede- 水町綜助自由詩5*08-11-25
ルアーズ- umineko自由詩16*08-11-25
アネモネフィッシュとセルフィッシュジーン- 海里自由詩208-11-24
プレゼント- 小川 葉自由詩6*08-11-24
夏日の午後- あずみの自由詩3*08-11-24
UFO- yo-yo自由詩14*08-11-24
おなじ水のほうへ- 小川 葉自由詩1208-11-23

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