のび太くんに会いたい
ぼくはのび太くんに会いたい
漫画の空のしたでやわらかな描線で
10才の小学生のころのじぶんに
ぼくはのび太くんに会いたい
土管の公園にゆけば会え ....
何でもない流れの中で飛び出していく
それは確かではないけれど 自分にとっては 確かだ
水の投げ出された噴水のように はっきりとしている
回転しているフラフープのように
自分にとって ....
ひと昔もふた昔も前みたいに霜柱立ったり
ちょっとした水溜りに氷張ったりするわけじゃないけど
それでも今どきの朝って起きるの辛かったりする
とりあえずは出かける場所があって
帰ってこれる場所 ....
冬の凍てつく青空に
大きな大きな梯子掛け
雲一つ無い寂しい青空に
大きな大きな梯子を掛けて
与太郎 騒ぐは 梯子の終わり
とおく空には届かない。
梯子のてっぺん 高いとこ
それでも真 ....
おじさんの葬式にいった
もう何年も無沙汰していたおじさんが死んだのだった
ぼくは棋士にはならなかった
おじさんはずっと独身だった
泣けてきた
幸せとはなんだろう
ぼくが決めることではな ....
掌に観覧車
小さなゴンドラを覗くと
四人の家族が納まっている
父も母もまだ若かった
兄も私もまだ幼かった
それがまるで
ずっと続くかのように
ポケットに観覧車をしまう
思い ....
信じるひとの上にも
信じないひとの上にも
雪はつもっているのです
きらきらと
反射しているのはこの雪が
またかえろうとするからです
せかいへ
わたしのまわりで
せかいは生きるめ ....
110108
乗っていったオート三輪車は実在していた
探しに行くなら今だ
悟りの足りない賢者が叫ぶ!
ひらひらと雪が舞い散る前に
腹ごしらえ ....
しぜんを
かんさつしたいけど
このしろいたてもののなかで
はたらいてばかりいるから
しぜんをかんさつすることは
できないとおもっていた
なのに
このしろいたてものの
な ....
{引用=
満月の夜には
外にでてはいけないと老婆はいう
ふらふらと外にでて
川を遡上
青い山に囲まれた
いちばん星空に近いその湖に行ってはいけないと
ゆらめ ....
・
夫があまり鋭く見つめるから
わたしはしだいに削れてゆく
夫と婚姻関係を結んでからのわたしは
もう余程うすっぺらくなったらしい
強く手を握られると
きしゃり と指ごと潰れるから
か ....
ぼくはきみにいそがしくて
きみをやきつけられなかった
マリーちゃん、かぜがよくなった、会いたい、
ぼくも会いたい
来週むりやりじかんつくって・・・
じかんなんかぼくにつくれるはずなかろうに
....
ひきだしのおくから
あなごりょうりのみせの
チラシをみつけた
いつかちちを
つれていきたくてとっていた
チラシだった
あなごが
すきかきらいかなんて
かまわなかった ....
一番星、と空を指差したきみ
その方向を見て
ほんとうだ、と言ったぼく
でもね、あれは嘘だったんだ
見つけられなかったんだよ
だって眼鏡の度が進んでいて
きみの指先を探すだけ ....
110103
プレート損失40ワットでは
寿命1850時間
うーむと唸りながら
真空管アンプに
電源を入れる
微かなノイズのあ ....
年が改め 日常の
また、人との関わりで
いやでも心を開いてゆく
で
改めて心を開き
また心に思うところを語り、
心に暖かな気持ちを抱き
また今年も生きて行く
で
何度でも心を ....
目覚めると雪だった
こんもりと雪だった
綺麗事の通じない相手に
ただ立ち尽くした
計算も練習もまだしていなかったのに
うかつな私をみずに降り続いた
山肌は黒白く
うろこのようだっ ....
先の見えないトンネルを抜けると
そこは渓谷に面した崖で
数十段の階段が川辺まで
雨で光り流れ危険な美しさを見せていた。
階段の先には
溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがんWelded tuff ....
友達とビールを飲む
突然そこにいるのがいやになる
話していて楽しかったけれど
話題がぼくからそれると
組になって話す人達のなかで
ぼくだけ話し相手がなくなり
夜空に
七分咲きの花の群の
....
石化する
柔らかな石
心電図の
波形の谷間が
わたしたちの眠るところ
わたしたちの見聞きするところ
わたしたちの対話するところ
/年の瀬も差し迫ったふとしたある日
一 ....
こおりつく
ゆきやまにある
とてもふかい
たにぞこにかけられた
いっぽんの
ほそいほそいつりばしを
わたしたちはわたっている
こたつでテレビをみながら
じょやのかねをき ....
SF作家や
だれかによって手渡された
未来のそばで
ぼくらは生きている
どこかがイビツでなにかが不適切なこの
だれかの未来は
あるいは
使用方法をあやまっ ....
101227
実りある時を
稼ぎ時と思いたい
足し算に飽きたサイコロ
賭博に手を出して
痛い目に遭うこともあり
さいの目に切り刻んだ膾を呑み込 ....
しんしん しんしん
冷たい空気はあたたかい
どんな人も
どんなものも
わけ隔てなんかしないんだ
雪は音なく
冬は音なく
余計な言葉なんてないけれど
コーヒーの湯気みたいに
こ ....
ふっとみえたのは
あしでした
あしいがいになにもない
わたしでした
うさぎにうまれ
うさぎとしていきていた
わたしでした
たしかなことはしりません
ことばより
....
だれかを幸福にしたいという気持ちより
だれも傷つけたくないという気持ちがかつ
弱腰外交とおんなじ生き方をしている
失うものなどほんとうにあるのだろうか
愛のためだけ生きてる訳で ....
遠くに見えるあの富士は
名所と言われているけれど
今・この詩を読んでいる
さりげない姿勢のあなた自身が
同じ地面につながった
世界にひとりの、名所です。
(日ノ本の全て ....
青い空でした
どこまでも澄んでいました
こちらの方が戸惑うくらいに
名前がありませんでした
形がありませんでした
ありがとう、も
言うことができませんでした
ごめんなさい、と ....
冬のあま雲に
のぼってゆくように
クルマで雲に
わけ入っていった
国道の
あま雲のなかは
濃いキリが視界をさえぎる世界で
アスファルトに刻まれたセンターラ ....
神楽坂を下る
「いっしょに帰ってもいいですか?」
「あぁ」
宴席でのお酌も拒むあなたと
いっしょに帰る
ーー 合評会の後だから?
ーー 「ゆきうさぎ」が好きなのかな?
....
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