上手ね
ほらできた
よしよし
いい子だ

君ならできる
こっちは忙しいから
あっちで遊びましょう
これはねーこうやるんだよ

ありがとう
すばらしい
バツはクスグリ
愛情たっ ....
 
 
玉葱のにおいがしている
玉葱が匂いになって
何かしている

夏祭り
まだ日は高く
午前中のうちに宿題を終えた
小学生たちが集い
がまん大会に参加する
冷水が満たされた青い ....
胸の中 封じ込めてきたのはね
捨ててしまいたくない思い出だとか
忘れたくない温もりだとか
触れれば消えてしまいそうなものばかり

口の中 封じ込めてきたのはね
あの日言えなかった台詞だとか ....
何度も修理して
乗ってきた自転車の
寿命がきた

鍵付きで放置しても
無くならないほど
錆びた車輪

届いた新しい自転車は
ピカピカと輝きを放ち
眩しくて目が痛い

古い自転車 ....
チェーン店のカレー屋で 
「グランドマザーカレー」
を食べていた 

自動ドアが開き 
ヘルパーさんに手を引かれた 
お婆さんが店に入り 
隣の席にゆっくり  
腰を下ろした 

 ....
闇の東が
ほの白く潤んで
密やかな色と匂いが
滲み出す頃

花は
膨らみ過ぎる喜びに
身悶えしながら
目覚め

人は
濁った夢の浅瀬を
溺れながら
まどろむ

やがて ....
 
 
夜が青く明けてゆく頃
除雪車の音が聞こえている
ひとつの戦争のように
降り積もる雪を魂に置き換えて
作業は続く

まどろむ真冬の月の目は
わたしたちと同じ
出来事だけを音で ....
カルピスの底みたいな白濁色に
おぼれてしまう人を笑うことなど出来ない


明かりがいつも灯っているわけではなく
でも闇ばかりというわけでもない
はっきりしない色に囲まれて
遮られた視界を ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく

あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
祭壇の遺影の陰で
その人がまんじゅうを食べている
もぐもぐ
甘いものは好きじゃなかったんだけど
ずっと食べていなかったからねと
老いた未亡人の言葉が涙を誘う
導師の読経は熱を帯び
喪主の ....
 
キリンのように
長い首だったので
保育園の先生を
キリン先生と呼んでいた

心の中でも同じように
お友だちはみな
そう思っていたらしくて

ある日お友だちの誰かが
キリン先生 ....
朝 目覚めると
夫が洗濯物を干していた
私がやる
と言うと
風邪は大丈夫かと
言葉尻苛立ち気味に訊く
熱がないから私がやる
と言うと
干すのを止めて
自分の煎れたコーヒーを
うまい ....
通り過ぎるだけの存在の
あなたはいつも横顔
視線を見られる心配はないけれど
ノートの落書き
横顔ばかりが上手くなる
消しゴムで消すことができず
消しゴムを乗せてとっさに隠す
春に眠れ ....
 
 
なんちゃってグミかんで
なんちゃって空ながめてる
俺の手は乾いた床を拭いているから
床のかたまりを拭いているから
俺から離れようとしない
困ったもんだぜ
俺はすっかり歯槽膿漏で ....
 
象が海を渡っていく
かわいそうに
目が見えないのだ
かわいそうに
と人は言うけれど
思ってもいないことを
言葉にしてしまう
人もまた十分かわいそうだった
かわいそうに
何度も言 ....
甘い香りに全てを奪われ
何から伝えたらよいのかわからなくなった


不意に瞳に触れるのは
隅に佇むすべりだいと
少し汗ばむわたしの右手


人の手では作ることは出来ない
きっと生ま ....
まいにちが

わかりやすいしあわせに

みちた日々であれば

ぼくらはそれを

しあわせと呼ぶのだろうか


春のかおりが

夜にひびいている

ぼくらは

さびしく ....
悪いけれど硬質な言葉を紡ぐ機会は生憎持ち合わせていないので、絹にはなれず綿にもなれないレーヨンの立場から言わせて貰うと、矢張り立場が不利である。斜交いに物事を見る奴だとか、根性が曲がっているのだとか、 ....  
妻の笑い声で目が覚めた
夢の中でも笑いたかったのか
夢の中でしか笑えなかったのか
出会った頃のように
無邪気な声だった
揺すっても起きる気配もなく
いずれにせよ
生まれ育った故郷か ....
ペットボトルの風車がきゅうきゅうと鳴った
日だまりの静寂
文化住宅の隅にさっと過ぎる影
いつまでも続きそうな
退屈で穏やかな時間
揺らぐ平行感覚
ここが向こう
ここが空
地面から放たれ ....
 
始発のバスに乗ると
一人でどうしたの
と尋ねるので
怪我をして病院に通ってることを
運転手さんに話した

発車時間が近づくと
大人がたくさん
バスに乗り込んできた

知らない ....
ワシの灰皿知らんか?え?なんやコレは、チキンの骨?ママ友と茶しばいた時に、ケンタもしばいて、ハゲまでしばいたやと?お前ばっかりええのう。ワシがオイルに塗れとる間に、お前はオイリーなチキン食うて、だんじ .... デージー (無邪気)


他愛ない君の言葉がそよいで

僕の唇の端に小さな花を咲かせた

飾り気のない君の笑顔がとろけて

僕の胸の奥の陽だまりになった





 ....
雨が降る
夜の闇に隠れている雲が
強い雨風を吐き出して上空を占拠する

最近の若者は重力に弱いと
ベンチに座り込む私に老人は言う
春は特に重いんですよと私は答えた

老人は軸の曲がった ....
 
わが家にも念願の街が出来た
これからは部屋の名前を
町名で呼ばなければならない

陽だまりヶ丘一丁目
そこに僕がいる
居間の窓際の辺りだ
二丁目から三丁目
キッチンが見える街まで ....
キミがわたしのこと
「旅してるみたい。」
そう言ってくれたから


キミと一緒に
キミの言葉たちと一緒に
一夜の旅に出かけたんだ。

わたしが風景をめくりながら
「遠くへ。この世界の一番 ....
 
まだ顔を知らない
姉からの手紙が届く
意識だけの

わたしはまだ
返事が書けない
体を持たないから

真夜中
母に触れたがる
父を感じる
わたしの命のはじまり

いくつ ....
昨夜、遺伝子と数回にわたって交合したけれど
最後まで、ぼくが触れたのは
ぼく自身の器官だけであったので、
結局のところ どんな言葉でも形容できない



感性や知性を、すべて破壊したい
 ....
すっかり生ぬるくなったビールの向こうに
睡蓮の花が物憂げな顔で座っている
白い陶器の肌が青ざめて
透き通った光沢を放っている

その清楚な肌に触れることを許した
借金まみれの男の手が離れそ ....
 瑞々しい嘘

                090311



元死刑囚が
テレビの中で
話をすると
南から北へ
北から南へと
冷たい風が吹き抜けて
墜落した飛行機 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
子育て- ペポパン ...自由詩7*09-3-23
繰り返される玉葱と匂い- 小川 葉自由詩509-3-23
吐息- 1486 106自由詩4*09-3-22
自転車- 未完自由詩3*09-3-22
稲穂のこころ_- 服部 剛自由詩1109-3-22
春暁- nonya自由詩14*09-3-21
除雪車- 小川 葉自由詩709-3-20
カルピス- あ。自由詩14*09-3-20
春乱- 佐野権太自由詩25*09-3-20
遺影- オイタル自由詩3*09-3-20
キリン先生- 小川 葉自由詩409-3-20
けもん- 蒼木りん自由詩209-3-19
春の似顔絵- RT自由詩509-3-19
なんちゃって- たもつ自由詩909-3-19
盲目の象- 小川 葉自由詩4*09-3-19
ばらいろ- あ。自由詩5*09-3-18
春の夜- 吉岡ペペ ...自由詩2009-3-18
てにをはにはめを- aidanico自由詩609-3-17
朝方- たもつ自由詩909-3-17
風はうたう_僕はここに居る- プル式自由詩7*09-3-17
知らない大人- 小川 葉自由詩609-3-16
灰皿- 木屋 亞 ...自由詩3*09-3-16
花言葉四行詩_<12>- nonya自由詩9*09-3-15
灰の雨降る公園で- 木屋 亞 ...自由詩2*09-3-15
街になった家- 小川 葉自由詩5+09-3-15
わかれのかたち- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...15+*09-3-14
意識の手紙- 小川 葉自由詩509-3-14
未完の、ソネット_「残響」- 望月 ゆ ...自由詩20*09-3-14
恋花(コイバナ)- 渡 ひろ ...自由詩19*09-3-13
ロコの畔- あおば自由詩4*09-3-13

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