その後のこの期

夢のなかで
私はまだ
逃げも隠れも
している



この期に
およんで
い ....
わたしには、きっと
読まれることのない
手紙を書いている

わたしには、きっと
云われることのない
ことばを書いている

進む指の感覚がもどかしい

ひかりを知らない子どものように ....
ぶらりと定食屋に入った

カウンターのうえに並ぶおしながきを見ていて

カツ丼をもうながく食べていないことに思いあたる

学生のころ日に三杯は食べていたカツ丼

あれから二十年か・・・ ....
                  091106




稼ぐに追いつく貧乏無しと
村の鍛冶屋が槌を打つ
間違えたのはお殿様
天下取ると聞こえたので
良い気分
天下取るにはそれ ....
シルクスクリーンのような
霧がうっすらと地表を覆う
田圃の道路走行

奥久慈の紅葉に
男体山?
その後
袋田の温泉街を抜け
歩くこと数分

瀧不動の参詣は五分
人工の遊歩道は
 ....
 
あちらのお客様からです
とウエイトレスが運んできた
飲み物には
温度があった

冷たいものも
温かいものも
ひとたび口にすれば
喉を通っていく

あちらのお客様からです
と ....
明け方にこころ ざわつく
人の死があったのだと
匂いで分かる
電話が鳴るずっと前に

昼過ぎに喪服を取り出す
やりかけの仕事を放り出し
昔その方からいただいた
手紙を探してみる

 ....
 
 
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている

子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
(シタ ヘ マイリマス)
機械の声が言った
まちがえた
私は上に行きたいのに
すくんだ
無情なドアーは閉じられる

上下する箱の中
人が乗っては降りてゆく
重力に逆ら ....
小舟を浮かべて 新しい世界を求めて
僕は旅に出ようと思います ひとりで

生きていく才能のない僕は
誰かが傍らにいてくれないと
ウサギのように震えて死んでしまいそうです

それでもひとり ....
夜になると
寝ないといけないなんて知らなかった
眠らないことで叱られていたと理解できたのは
だいぶ後のことだった

そういうことだったのか と
あのときの母の怒りは
そういうことだったの ....
きれいごとをいってはだめ
その場しのぎに嘘をついてはだめ
あなたが迷うその振幅は
増幅されて私に伝わるから

靴を履いてあがってはだめ
靴を脱ぎっぱなしにしてはだめ
体はきれいにしておか ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか


田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく


華 ....
この世に生まれることのなかったあの子も

あの世で新型インフルエンザにかかってやしないか

息子の看病をしながらそんなことを心配していた

ウィルスも死んだらあの世にゆくのだろうか

 ....
香の濃いコーヒーの匂い

時間など忘れてしまいそうな一時

走るのを止めないのは

駆け抜ける風が心地いいから

旅にでるからもちものはきびだんごで

そういって後にした

数 ....
気付かない振りしてるだけで
わたし、とっくに気付いているんだ

夕食後の洗い物とかしている最中
わたしのバッグのなかを探っているのを

縁起良いからと買い求めたガマグチから小銭抜いたでしょ ....
歩道の舗装のひび割れたところの饒舌
くすんだ向かいのレコードショップのイエローのテント
縁石に座りこんで俯いて泣いてる10代と思しき女
交差点の電柱の下で乾いた血液みたい ....
シートに座る
わたしの
手のひらから
喜びとか悲しみとか
こぼしてしまわないように
ギュッと
手を握る
瞬間がある

がたん
ごとん
揺られる列車の質感は
懐かしさと
 ....
風のつよい満月の夜だった

荒れ狂うものは風しかないようだった

風は目には見えなかった

近くで音と圧力がほどけていた

夜いちめんの雲が月の光を吸っていた

それらがブラマンク ....
仕事を終えて 
草臥れた足を引きずっていった 
夜の職場の食堂に 
巨きな鮭のお頭達が 
どっさり、皿に盛られていた。 

たじろいだまま 
ぼうっと手を出せない僕に 
焼かれた白い目 ....
小学校にはいって間もないころだ
ぼくは母と兄とで電車に乗った
扉が開いて母が座った席の左隣を
すばやく兄が占領した
母の右隣の席は空いていない
ぼくは兄の隣に座るしかなかった

母は電車 ....
もっと息子と向き合えよ
と 夫は言う

筋ジストロフィーの息子は
23才になった
もう 完全に大人の男だ

あの頃
あの6年弱は
わたしにとって格闘の時代だった

小6の担任から ....
死んでしまった女の子から手紙を貰ったことがある
もうおよそ二十年近くも昔の話だ
勿論その手紙は亡くなる前に貰ったもので
彼女はその手紙を書いてから三年後に自殺をした

手紙の消印は十二月十八 ....
いきているのか
しんでいるのか
わからないまま
湖水の上を歩く

光はもう見えず
声ももう聴かぬ
私の肌を通して
水面に気泡立つ

温度は寂しさで
あなたは弱くて
困った人だけ ....
   踏切


仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
その日、僕は仕事を置き去りにして
青山墓地に向かった。
そして、
その日、僕の何かが壊れた。

さよなら神様
神様は本当に死んでしまったのだ。

五歳の僕は
毎月現れる本屋から
月 ....
さびしい仔猫が眠る部屋

国道が近いから
救急車が何度も通る
そんな音のない時間や
一日がない

もしや
そんな日があるとすれば
耳を済ましてしまうかも知れない
わたしが生きている ....
探しているものは案外そばにあって
あちこちひっくり返したりしてるその手の
袖口に引っかかっていたりする


最後にきみを見たのはいつだったか
霧がかかったみたいにぼんやりとしているけれど
 ....
歌になりたかった
いつでも人を元気づけるような
歌として生まれたかった
そして人に口ずさまれたかった
人の楽しみでありたかった
人の希望でありたかった
そしたら苦しみも絶望も知らなくて済む ....
暗闇に蹲っている。


寒い、寒い此の場所で、

独り寂しく膝を抱えている。



目の前には、一筋の光。


温かい風が、その光から流れてくる。




 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ルパンの車- 笠原 ち ...自由詩909-11-8
『手紙』- あおい満 ...自由詩509-11-8
カツ丼とゴッホ- 吉岡ペペ ...自由詩909-11-7
晩秋- あおば自由詩4*09-11-6
袋田の瀧- ……とあ ...自由詩11*09-11-6
あちらのお客様からです- 小川 葉自由詩6*09-11-6
のに- 瀬崎 虎 ...自由詩309-11-6
初雪- たもつ自由詩2409-11-5
辟易のエレベーター- 百瀬朝子自由詩3*09-11-5
冬の船出- within自由詩10*09-11-5
真夜中の遊び- 朧月自由詩309-11-5
アンプリファイア- 瀬崎 虎 ...自由詩509-11-4
きみはほうき星の足跡- あ。自由詩27*09-11-4
あの子の看病- 吉岡ペペ ...自由詩609-11-3
夢の中に飛込んだ- こめ自由詩1409-11-3
抜くひと- 恋月 ぴ ...自由詩39*09-11-3
Winter_Blue- ホロウ・ ...自由詩2*09-11-3
なぞる- かんな自由詩3*09-11-3
あかるいブラマンク- 吉岡ペペ ...自由詩509-11-2
鮭の頭_- 服部 剛自由詩409-11-2
わからないまま- 殿岡秀秋自由詩309-11-2
時代- 森の猫自由詩12*09-11-2
死んでしまった女の子から貰った手紙- あらら自由詩609-11-2
月夜- 瀬崎 虎 ...自由詩609-11-1
滲みゆく月- 中原 那 ...自由詩11*09-11-1
マイ・バック・ページズーさよなら神様ー- ……とあ ...自由詩18*09-10-30
いる- 蒼木りん自由詩609-10-29
秋桜は大人になってゆく- あ。自由詩15*09-10-29
- 新守山ダ ...自由詩1109-10-29
光のすじ。- aokage自由詩6*09-10-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116