水槽を抱えて
列車を待ってる
水槽の中には
やはり駅とホームがあって
幼いわたしがひとり
帽子を被って立っている
ある長い夏の休みの間
ずっと被っていた帽子だった
水の中もやは ....
期講習では立ちっぱなしなので、足の裏が痛くなる。
クーラーが直撃する場所に教壇があるので、時々おなかが危うくなる。
ので、理由をつけて教室内をあちこちと動き回る。
やっぱり足の裏は痛くなる ....
わたしが無職だったころ
茹で卵と塩むすびだけはんかちに包んで
毎日河原へ出かけていた
それしかやることがなかったのだ
アンケート用紙とかに
無職
と書くのが厭だったので
仕事を探してはい ....
心すむ夜
はねる気持ち
今静まり返る
冷静に落ちつける

黙って己のすべき事を
なす
誉れ高き性格と
的を得た話

純粋な気持ち
あらわれる心
無になる
私利私欲がなくなる。 ....
月が笑ってら

それがおかしくて

空手の帰り道

おいらも笑ってら

四十すぎて

空手をはじめて

どうなりたいねん、って言うけれど

やばいくらい

汗をながして ....
飼い猫と捨て猫の違いぐらい
こんな私だってわきまえているよ

あなたに甘えられなくて
ミカン箱の中で過ごした一夜

大輪の花火きれいだとあなたは言った
そんな花火になりたくて
この街へ ....
 
 
よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
最悪サイポーグにでもならないと

いけないらしいと医者にいわれたよ

偶然見付けた悪口でもうお腹が一杯だ

お金をいれてガチャポンを回してみたけど

出てきたカプセルには新しい

 ....
夏の

匂い

蚊取り線香の匂い

湿っぽい冷房の匂い

熱くなりすぎた樹脂の匂い

アスファルトに大粒の雨

三回以上したあとの女の匂い

虫たちの

みどりの影
 ....
真夏の真夜中
のどがとても渇いて
焼けるように熱くて
這うように起き上がった

冷たくてきれいな水が飲みたくて
水道のじゃ口をひねって
両手を丸めてすくってみたの

それでも私
う ....
 
 
雨で薄められた絵の具で
空を描く
夏はまだ来ない

君もクレヨンで
空を塗りつぶす
それでも夏は
まだ来ない

夏が来ないから
母さんを探す旅に出る

灰色しかない ....
何回目の向日葵だろう
わたしは到底知らないけれど
去年は台風で咲き損じ
今年は少しだけ多く芽吹いた
眼前の厚ぼったい黄いろ、黄いろ、黄いろ、

溢れる規則的な渦巻きに
いるのがおじいちゃ ....
 
氷、と書かれた布製のものが
海からの風にそよいでいる
大盛の焼きそばは皿いっぱいに広がり
けれどできる限りの表面張力によって
その外形を保っている
去勢されたばかりの犬が
日陰で餌の ....
  ふみきりよ、ふみきりよ 
  無言で開いて直立する 
  {ルビ縞々=しましま}の柱に付いた 
  夜道を照らす、照明灯よ 

  ショパンの幻影が弾くピアノを
  イヤフォンから聴い ....
あなたの目は人間に狙いを定めるために焦点を合わすのではない
あなたの指はピストルの引き金を引くために折り曲がるのではない
あなたの胸は誰かに狙われるために膨らんでいるのではない
あなたの肌は鉛の ....
仲間たちがいとしい

漫画で

謝りたいと感じている、

これを感謝と言うのだろう、

というのがあった

だから仲間たちに感謝している

この仕事をフィニッシュさせるために
 ....
              090729−30


輪郭が無い人は
お化けか
死人ですなと
噺家さんが鼻歌を唄ってる
長閑な気配の中にも
噺家さんの輪郭が明確であり
付け ....
おれ高校のときから女の子とうまく話せなくってさ
バンド始めてからもコンプレックスっていうのかな
負い目が消えなくてステージの上でベース弾いてても
いいところでふわっと冷めちゃうんだよね
あっお ....
ずっと前から見つめていた とても大きくて立派な扉
ノックして跳ね返った音に 鮮やかな景色を思い浮かべていた
だけどいつからか知ってしまった 空想の向こう現実の世界
伸ばした手を静かに下ろし ....
仕事から帰ってきたきみが珍しく
お土産があるよだなんて言ってかばんを探り
よれたスーパーの袋を差し出した



縛ってある口をほどいて覗き込むと
ふわりと青い匂いが鼻腔に飛び込んでくる
 ....
風邪 いちにちめ

体のなかはあついのに
皮膚の表面はつめたい
俗に云う風邪なのだと気づいてからは
ずっと布団の中でグレープフルーツを齧っていた
昇ってくる陽にそっくりな果実は
わたくし ....
                   090729


からんとおちるおとのあとからあとから猫が踊るようについてくる
トーさんがカーさんと比較対象の動物をえり好みしている
皮を剥いでから ....
戦争のイメージは真夏の闇

前世からのごとく鳴いている蝉ども


宇宙の闇じゃぼくの根っこが泣いている


いま帰宅しました

どっさり疲れたいちにちでした

だれかに弱音を ....
なにやら窓の外がやかましくなった
「今こそ」とか
「ともに」とか誰もが叫んでいるような

ここにしゃがみ込んで久しいし
一見自由そうで実は窮屈な姿勢にも慣れっこ

目を瞑っていれば何が起 ....
煮物の味は
素朴であるけれど
素朴であるがゆえにこそ
むずかしくて
奥深い

ごらんなさい、
たけのこと
さといもと
しいたけと
なんの疑いもなく
一緒くた


わたし ....

夜の間
やわらかく曲がりくねって
遠いお伽の国へと繋がっていたレールは
朝の光を浴びた時にはもう
冷たく固まって
駅と駅とを繋ぐ
当り前の鉄の路へと戻っている
包装紙から出したての ....

夕飯のあと
残した刺身を生姜醤油に漬けて冷蔵庫へしまう
こうしておいて翌日に
焼いて食べると美味しいというのは
母に教わったことだ
そういえば結婚して引っ越す当日に
母がお餞別と言っ ....
暦を焦がすようにして
君を忘れていきます

久しぶりに私の想像するところ
君は今でも顔の前で手のひらを上に広げて
風を乗せたり散らしたり
不明瞭な気配を集めたりして
今日を楽しんでいるの ....
 
 
このお話の続きです
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=123535



今年も自動販売機の季節がやってきた
きんきんに冷えた飲み物を ....
プラスチックの板に
七センチの穴が空いていて
父にそれを手渡されて
手伝いがはじまった

実家での農作業は
ずいぶんと久しぶりで
この蒸し上がった季節に
汗の一つもたらそうかという
 ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏帽子- たもつ自由詩2009-8-4
帰京前夜- 北村 守 ...自由詩7*09-8-4
わたしが無職だったころ- 吉田ぐん ...自由詩49*09-8-4
清き夜- ペポパン ...自由詩7*09-8-4
四十すぎて- 吉岡ペペ ...自由詩709-8-3
見つめるひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-8-3
よちぼ- 小川 葉自由詩409-8-3
最悪サイポーグ- こめ自由詩1209-8-3
夏の- 吉岡ペペ ...自由詩1009-8-2
真夜中の給水- 自由詩2*09-8-2
誕生日- 小川 葉自由詩309-8-2
輪生〜the_ring_is_saying〜- 伊月りさ自由詩4*09-8-1
海の家- たもつ自由詩1009-8-1
夜の江ノ電- 服部 剛自由詩4*09-7-31
それらしい詩- 木屋 亞 ...自由詩4*09-7-31
仲間たちへ- 吉岡ペペ ...自由詩609-7-30
輪郭- あおば自由詩4*09-7-30
青いカクテル- 薬指自由詩6+*09-7-30
- 1486 106自由詩3*09-7-30
ツルレイシとさくらんぼの関係- あ。自由詩12*09-7-29
かぜごゑ- 吉田ぐん ...自由詩809-7-29
ムササビとマタタビ- あおば自由詩3*09-7-29
真夏の闇- 吉岡ペペ ...自由詩609-7-28
線上のひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-7-28
煮物- 千波 一 ...自由詩6*09-7-28
ドア、閉まります- 吉田ぐん ...自由詩1109-7-28
ファミリア- 吉田ぐん ...自由詩2409-7-28
手紙- 松本 涼自由詩509-7-27
再会〜それから- 小川 葉自由詩109-7-27
たまねぎ- かんな自由詩5*09-7-26

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