{引用=(美しく生まれたかったと 思ったこともありました)


ある日
アゲハチョウが庭に迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なの ....
              090610




小次郎が
きびすを返す
刀を片手に
さっさと歩く
抜刀して歩くのは
人の体力には余るのだと
今の人は言うかも知れない
今の ....
線路の脇に咲いている菜の花の細い列
誰のものだろう止められている自転車
真新しい制服の群れからこぼれる音楽
まだ来ない電車を待っている春の駅の

たゆたう人々の視線の高さを蝶が飛ぶ
過去か ....
昨日と同じ色の朝の
昨日と同じ匂いの時間に
気紛れに買ってしまった
オリーブグリーンの傘を開く
慣れきった慌しさのほとりに
淡い緑色の翳が落ちて
治りきらないささくれの端を ....
ペチッと足下がなって気付く
つぶれたキャラメルポップコーンの一粒
金曜の夜に輝きだした女の子たち
指先がおよぎはじめ
どこかへいきたくなる
移動の風景
常磐自動車道
映画館が崩れ落ちてい ....
苦手ってわけじゃないんだけど
それでもやっぱし
う〜ん
苦手ってことなのかな


毎年この時期に行われるんだよね
以前は建物の裏口に横付けされた検診車のなかで行われていたんだけど
この ....
知らないところに行きたくないかい?

学ばないひとは強い
学ぼうとしないことは無敵だ

けれど歩くよりも遠くに行きたいなら
ロケットを作らなくては

わかることとわからないこと
でき ....
お前の東京に連れていってくれ
俺の東京とは明らかに違うはずだ
お前が東北出身なのか九州出身なのか知らないが
地方で生まれ育った人間が一人で出てきた東京が
どんなものなのか味わいたい
俺は東京 ....
言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描いていた

ふくらんではじけそうな花のつぼみ
ゆるやかな風にふれる木の枝

言葉にならないものたちを
白いスケッチブックに描きたかった
 ....
なまぬるい風に乗って
運ばれて来た くちなし の香り

遠い昔の記憶も
最近のあの悲しい思い出も
呼び覚まされる

優しいのにあまったるい
どうしようもない嫌悪感
やりばのないこの  ....
はじめてみるものばかりでした
はじめてきくことばかりでした

やがてはじめてではない
ものやことばかりがふえていくと
いきることやものとは
そのようにあるのではないかと
おもうように ....
頬にぴたりとはりついた水滴は
前歯から離れないふりかけの海苔のようで
「ア、雨」
と代わりに口から言葉がこぼれる


ビニール傘越しの町の風景は
いつもより少しスローモーションで
焦点 ....
愛を奏でるちいさな小鳥
  ちいさなちいさなちいさな小鳥
あんまりちいさなお声だもので
  愛のおうたが届かない

夢の実の成るちいさな木の芽
  ふわふわふわふわふわふわ木の芽
あんま ....
 
 
競技場の水飲み場で
水を飲んでると
排水口の辺りで溺れてる
蟻がいる

この水飲み場は
いったいだれが作ったものなのか
母に聞いてみる

この街の
誰かが作ったのでしょ ....
いいえ、
私の家は小さなパン屋をやっていたの
海の近くの
海といっても砂浜はなくて
ただひたすらに工場が立ち並んで
そこから荷物を運ぶ踏切のある路地に
オレンジと黄色の屋根のついた ....
おさなごの手で目隠しされたみたいに
まだ薄白くぼんやりとした月は
うろこ雲のすき間から顔を少しだけ見せる

指で四角に切り取って覗き込んでみた
ぼくたちよりうんと長く生きたこの風景は
瑞々 ....
雨なのであじさいを見に行きます
真水が空から降る星の
不思議を傘で受けとめながら{引用=でも七色の八仙花
お酒の雨ならあじさいの
ほろ酔い加減もわかるのに}開いた傘には雨粒の
直径ごとに音程 ....
今宵は日本酒と
いきましょうか?
ウニセン買ってこよう
イカナンもついでに

鮭とばは美味だ
チーズも美味い
ヤキトリもいける
〆はやっぱりラーメンだ

今日のお客は
印鑑すぐに ....
きみが
あまりにもきみでいたがるのは
そのうつくしいこえに
みいられたからなのだろう

わたしもまた
おんなじように
そのこえにみいられているものだから

きっとわたした ....
子供の頃かいま見た大人の世界は
寝ているじぶんに聞こえてくる両親の会話と
めったに入ることもなかった職員室が印象的だ
それを引きずっているからだろうか
お客様の事務所でお客様を待っていると
 ....
今みえる未来は

いろあざやかなネオンが

きらびやかにでも誘惑するように

光輝いていた

記憶は錆び付いて歯車が

うまく噛み合っていなかった

空けていく人の体

い ....
通り雨が過ぎて夕暮れ
虹が出ないかと窓を開ければ
そもさん せっぱと 
がなりたてる小学生が
傘を差したまま歩いた
歩道橋が見えた

やることがないので
テレビは壊れたままで
修理に ....
車がたくさん通る
高速道路のトンネルに
住んでみたい

非常電話の扉の中
さらにその奥
誰にも開けられない
硬い硬いコンクリートの内側
誰にも見つからないように
こっそりと部屋を作っ ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に

どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
つめを噛む
黙っていてものびてくる
そのつめを噛む

噛み切ったぎざぎざの切り口を頬にあて
自らを削ぐように滑らせるとき
痛みとともに描かれる白い線には
まるで罪などないのだ ....
                 改090603


宇宙を旅する
きみの悲しみを
微惑星が消し
抑えがたい憂いは
彗星の尾が運ぶ
激情は、爆発誘発溶融
火球を吹き飛ばす勢いの
遊 ....
 
象の尾に
憎悪がぶら下がってる

冷たい温度で憎しみは
僕の肉に染みついてる

ナメクジの
せわしない足音がする
雨上がりの動物辞典

神様、
席替えしてもいいですか
 ....
セックスのあと遠い耳鳴り

あの日の鼓動を耳が覚えている

ふたりで生きてゆくんだと思った

だけどそうはならなかった

月が外灯よりも白かった

青灰いろの道を自転車で歩いた
 ....
おまえの

細く白い身体が

夏の日差しに消えてしまうようで

俺は

泣いてしまいそうだ
顕微鏡の中で人工のひかりをうけて
雪片が光る
結晶が無言でのびてゆくのを
ぼくは視ていた

浅くつもった雪の中を
きみを迎えにゆく
ローカル線の駅は雪につつまれ
こどもの夢のように光っ ....
kauzakさんのおすすめリスト(3469)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「アゲハチョウ」- ベンジャ ...自由詩4*09-6-10
古道具屋- あおば自由詩4*09-6-10
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夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)- rabbitfighte ...自由詩609-6-9
モモなひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*09-6-8
踊るミクロラプトル/R_is_for_Rocket.- 海里自由詩209-6-8
東京トーク- 新守山ダ ...自由詩609-6-8
「六月のスケッチ」- ベンジャ ...自由詩7*09-6-8
くちなし- 自由詩4*09-6-8
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ア、雨- ことこ自由詩2*09-6-7
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水飲み場- 小川 葉自由詩209-6-6
バター・クリーム- フユナ自由詩609-6-6
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踊るミクロラプトル/ファントム・オブ・フォトン- 海里自由詩209-6-5
今宵の月は...- ペポパン ...自由詩6*09-6-5
変声期- 山中 烏 ...自由詩6*09-6-5
大人の世界- 吉岡ペペ ...自由詩909-6-5
偽りの交響曲- こめ自由詩809-6-5
飛んでいった昨日- pur/cran自由詩4*09-6-4
望んではいけないこと- チアーヌ自由詩609-6-4
わくらば- たりぽん ...自由詩609-6-4
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偽物賛歌- あおば自由詩10*09-6-3
雨上がり- たもつ自由詩17*09-6-3
遠い耳鳴り- 吉岡ペペ ...自由詩609-6-2
ゆらり- いのせん ...自由詩209-6-2
二月- 非在の虹自由詩409-6-1

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