春にまいた種が
いつのまにかもう
つぼみをつけていたことに

気づいていなかった

「先生と会えるのは今日が最後なんだよ」と
ひとりの生徒が言ってきた

本当は
知っていた

 ....
太陽だけが焼く砂丘に
裸足で踏みいる
私という存在に影は現れたが
大きな耳の黒い犬が居た海の家は
まだない

   深雪に分け入るようだ
   試みの生はなく
   試みの死もないので ....
何かにつけても
茫洋として寄る辺のない
暗い淵が見えるにもかかわらず
湿りを含まない
重さのない空気を吸い
吸うばかりでそのために
くらり
反転した写真のような明るさと笑顔の中
街を歩 ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
幸せは飽きる

不幸は慣れる

飽きもせず慣れもしない

今日が、楽しい
最初はそれなりに期待していた
散々魅力的な話を聞かされたから
小さな希望も胸の中で芽生えていた

だけど現実は思っていたより味気ない
大人だって思っていたより大人気ない
それは惰性で噛んで ....
月曜日
仕事から帰って
メイク落としシートで顔を拭いた
ゴミ箱に捨てる瞬間
シートがため息を吐いたような気がした


火曜日
上司に怒られた
理不尽なことが世の中には詰まっていて
 ....
先生
ボク帰って来ました
この教室に
円周角やら
関係代名詞やら
習った
この教室に


先生
あなた方が座っていた
デスクに

ボクが座っています
こんなにも
広かっ ....
一.


感度のよい
センサーライトが
いきばのないくらいに
点る

道は足に
ぶら下がったままで




二.


ひまし油
(メルセデス・ベンツのブレーキホース ....
ある日、わたしの腕と脚が家出をした。
それは突然で、とても信じられることではなかったが、確実な真実だった。

腕と脚が出ていってから、わたしは一日中泣いてすごすようになった。
だって、腕も脚も ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
公園の隅
ベンチの宇宙
俺はまた
全ての嘘を
イヤホンに押し付けていた

流れる時と
流れる音が
静かに混ざる
混ざって消える
不埒だな
一人呟く

直感的な
嗅覚が正しか ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
六畳一間のアパートに
むりやりつめこんだそのベッドは
ほかの家具の置き場をうばって
ずいぶん偉そうに横たわっている

そんな君が風邪をひいたというので
お見舞いにいったのだけど
座る場所 ....
{画像=080710024320.jpg}

私は自分が泣くとは思わなかった


同僚と酒を飲み
語り合い
別れた時
涙が出た


酒を飲んで居ても友に言えなかった
卑しい自分 ....
僕は駄目な男です
僕は今日も眠ります
夢は想像を消さないと
影すら見せないので
舵は枕任せです

枕は北風を浴びて
雪で遊ぶことに
決めたようです
一面に雪が積もります
冷気が沸き ....
女が信号待ちをしていた

幼い息子と立っていた

いっしゅんのことだった

粗雑なかなしみを

気恥ずかしく思い出す

この親子ふたりに

俺はなにをしたのだろう
日差しの強い 不快指数の針が振り切れそうな昼間
一日使い捨ての部屋を掃除し始めた

「オレってきれい好きなのかも?」
なんて自分を彩る言葉を口にしてみる

小学校のころのアルバム 初恋 ....
               080709



新装開店のお店の前

チラシを配る男の子
チラシを受け取る男たち
木登りが上手だねと
褒められたことがありますか
危ないから木に登 ....
船が出るのを
見ていた
風が吹いていた
揺れていたのは
波なのか風なのか
花なのか僕なのか

船が帰って来るのを
見ていた
もう帰って来ないものも
見ていた

揺れていたのは
 ....
人になりたかった
人に憧れて
その日を待っていた

等しく並べて
輪郭をつくると
それは人間だった

近づいては遠ざかる
消えそうな
わたしの輪郭

人は人がいなければ
人 ....
「先生のじゅぎょう、好きだよ」

その言葉が眩しい
たとえそれがしわくちゃの
紙切れに書かれた言葉でも

ノートの端をちぎって書いた
ひらがなばかりのその文字が
いまの僕に ....
 
やわらかく揺れる姿に
瞳を奪われ 手を差し出す
水面にうつる月の中で

蒼く煌めく波は 僕を誘い
届かないとしても
その幻想を受け入れたい

そんな小さな願いが
指の隙間から溢 ....
私は
どこへ向かって
石を置いているのだろう

ずっと遠くへ行くため?
それとも
今居るところから跡を濁さず飛び立つため?

川に石を並べて渡ろうとしているように思えるときがあ ....
突然放りこまれてしまった


病院の待合室にすわらされ
時計の針が無表情にすすむのを
昼メロのデジャ・ヴのようにながめる


「ママ ごめんね」
かすれた声の一言で
キミは幕開けを ....
ルール
受付にて、鍵を受け取る
駅までの交通費はお客様負担
駅のコインロッカーを開け、自由に閲覧してよい
それを取り出し、手に取ってもよい
取り出した場合は、一駅のみ移動してもよい
(その ....
その言葉を言われた時はショックだった
だからいつもより大きく笑ってみせた
会場は相変わらず賑やかだった
なぜここにいるのか分からなくなった

みんなと別れた後の車の中は
独り言が虚しく響き ....
                    080707



お天気のことを気にしていれば一年があっという間に過ぎて何ごともなく過ぎてゆく、そんな気分になれるあなたは幸せなお方よと、猫が鳴く。
 ....
{引用=
振り返ってはいけない
前がわからなくなってしまう
声を出してもいけない
進んでいる事に
気付かれてしまう
前だけを見つめて
トンネルを抜けるまでは


遠くに小さく見え ....
スナックで知り合えば

たわいもない話をして

エレベーターで送られて

手でも振ればさよならできる

夜の屋上できみと話せば

ケンカでもしなければ

おたがい立ち去れないよ ....
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