恋文を書いたつもりでした
まったく何年ぶりなのでしょう
こんな気持ちは
なんども破り捨てようと思いましたが
結局そうすることもできずに
他の誰にもわからないように書きました
あなた以 ....
あんた

さけ

のみなはれ

のみなはれ

ってうたってんのか

千葉の空が高い

ツーストのゼッペケのハチの羽音みたいな排気音も高く


犬吠埼へ行った昔

犬は ....
 
ひとり遊びしてると
きゅうに孤独を感じることがある
ひとり遊び
という言葉を知らなくても
たしかに僕は孤独だった

夜遅くに
父さんが帰ってくる
忙しくて食べられなかった
と言 ....
{引用=



一 まざり、あう



かぜをすする、と
むねは
しずかさを
とりもどす

むかしむかし
おそらくぼくは
みずうみだったのだろう
かわではなく
うみで ....
必ず
二人同時に好きになる
胸がときめく
最大人数は二人で
最小人数も二人で
どちらがより好みか
考えているうちに醒めてしまう
おいおい
どっちでもいいじゃないか
脈がありそうな方に ....
名前はポチです。拾ってください。

自分で自分にそう張り紙して
座り込んでいたい日がある。

やさしい人
ただ、大丈夫?とだけ声をかけて。

親切な人
封を切っていないコーヒーやおに ....
平たい海
穏やか過ぎて
生きてることが
煩わしい

貨物船が
買ったばかりの
絵具を広げながら
弁当箱みたいに泳いでゆく

潮風のしょっぱさは
ゆで卵のようだ
茹ですぎたパスタ ....
空を見てる


いつもより幾分柔らかい眼で

オレンジ色の空を見ている


幸せで、悲しくて

涙を落としたくなるような心持ちで


夕焼けを眺めている



例えば ....
まだ残暑厳しい午後の事です
蒸し暑さに喉をやられて
ちゃぽん、という音が部屋を埋めて
洗面器にビィ玉が1つ沈みました
わたしが落とした物ではありません

洗面器は横たわるわたしの ....


風が吹いてくると
潮のにおいがしないかと期待して
きっとそんなことはないんだろうと
わかってはいるのさ

東京 東京
なんてさ

てぃん とぅん てん とぅん


聞こ ....
ベランダから見える青空は
薄暗い部屋からだと
とても明るく
雲が風の速度で動けば
この絵も少しずつ変化をする
ぼくは絵の具も筆も使わない
ただ風の歌を聴くだけ
最近、嫌な奴ばかり目にする気がする
世の中が冷えてきたのか 俺の心が冷えてきたのか
「袋ご一緒でよろしいですか?」「はい」
コンビニで温めてもらった弁当と、冷たいコーラを同じ袋に入れてもらう
 ....
                 081021




バブルが弾けて
どこかに消えて
倹約の世となった
倹約汁は薄すぎて
塩辛く
高血圧になりそうだ

鳴りやまない空襲警報が ....
幹線道路を渡ったら
もうペダルを踏まなくても
なだらかに坂を滑り
海に向かう

港町で生まれて
港町で暮らしている

潮風で錆びた自転車のホイール
刻んだ文字
いつかは消える 其れ ....
心が冷える季節になってきたので
手作りでお風呂をこしらえてみた
不恰好だけどなかなかの出来栄えだ
悦に入って毎日ゆったり温泉気分
どこからか一人二人とやってきて
このお風呂につかりたいという ....
{画像=081019224202.jpg}


今日は窓際の席は止めよう
曇り空にスリットが入り
わずかに日の光が差し始めたけれど
今日は明るい景色を見たくない
風に揺れる梢も
今しば ....
 
みわたすかぎりの草原でした
一頭二頭と牛が産まれると
そこは牧場とよばれました
牛は子供のように戯れて
やがて大人になると柵を越えていきました
柵をこえずに残る牛もいました
牧場とい ....
おっす生きてるか?
俺はよく分からねえ
飽きもせず、墓標みたいなのを背負ってとぼとぼ歩いてるからな

よく「生きる意味」「生きているという実感」と言うが
俺にはねえ
まったく
じゃあ何だ ....
            081017


横を向いて歩いていった
強者達が
立ち止まり
上を向いて
叫ぶ
ユーフォーだ!
ユーフォー!

駄洒落の神様
怒り出す
強者共をつ ....
「ああ私達もう終わりね」
そう移ろう木々が囁いていた
人生の挽歌を唄いながら
僕らの終焉を見送る様に

木枯らしのもたらす冷たさが
君の手を凍えさせているのに
もう僕は君の手を握る術を知 ....
 
本家の夜更け
障子のむこうの影を
目で追いながら
人の鼾と鼾を調和させ
命のありかを探すように
それらの影と音は
まだ幼い眠りの夢のように
瞬きを絶やさず生きのびていた

これ ....
 壁に咲く花を見落としても
 私は死なない
 

 夏は確かにあった
 冷蔵庫の置きすぎた麦茶からは
 想像もできない


 どこか
 ダムの底に消えた役場のよ ....
職場の休憩室で 
目覚めた朝 
ふいに手を見ると 

午前零時過ぎまで残業した 
昨日の仕事をメモした文字が 
手の甲に薄っすらと残っていた 

昨日がどんなに忙しかろうと
昨日がど ....
暗天の下に荒れる 
大海原に背を向けて 
丘の上の白いまりあ象は{ルビ俯=うつむ}いて 
一人の幼子を抱いていた 

長年の雨や泥に 
汚れた背中を隠しもせずに 
只、一人の幼子を守るこ ....
{画像=081015022910.jpg}

フィルムが入ってないカメラはいい。
いっぱい撮れるからいい。
ローライフレックスタイプという二眼レフカメラは
磨りガラスに画像を結んで逆さまに写 ....
地下にある本屋
立ち読みした雑誌
一枚の写真
そっと感性の膜を開いて
アフリカの荒野を
胸に差し入れてくれた

ピンクのフラミンゴ
湖を染めている
見たことのない風景
フラミンゴの ....
月曜日
猫のくつを借りたから
塀の上で昼寝ができました
おっこちないで夢が見れたんだ

火曜日
シマウマの上着を借りたから
横断歩道とともだちになれたよ
ぼくらふたごだって誓いをたてた ....
ふたしかな水を生きて
行方のどこにも底がない


くうかんを蹴りあげて
足音を確かめる
ひかりは、
柔らかくかげを踏んで
どこか遠い国になった。



どこまでも水。
ぼく ....
小さな指のさきで
木の実をひろいながら
ドングリ
という言葉を
娘は覚えた

昼間のつづき
眠りの窓をしめて
散乱する
ドングリと戯れていた
ことばと戯れていた

ひとつふたつ ....
  小さな背伸びをしたことがあるか。憧れへ向かって、届かない手をもう
一息伸ばしたことがあるか。


        よせてはかえし、かえしてはよせる、くりかえす吐
息が音列になる。前傾姿 ....
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