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父が撮ってきた家族の写真は
いつも後ろから
母がいつも文句を言っていた
どうして正面から
皆の笑顔を撮らないのかと
でもそんな文句を言う母の顔が
妙にうれしそうなのが
いつも不思議だった ....
警察が犯人を連れて現場に来ていた
私はそれも知らずに
突然走り出し綱を引きずりながら逃げる
飼い犬を追いかけていた
もうすぐ夏になろうかという
晴れた休日の正午

追いついた山の中の広場 ....
なんて幸せで可哀想な子なんだ!タカちゃん

大人用の洋ナシのタルトには
洋酒が効いている
一口もらって『辛い!』と評した
その味覚に驚いた
ひねた舌には
たいした刺激にもならない隠し味を ....
雲は湧く
風は空から降りてくる
耳を澄まして空気の走る音を拾う

旭を背に洗濯物を干したのは半時間前
それから地下鉄に乗り降りて地上に出れば
既に日の光は隠れ
世界は一変している

 ....
本は絶対に怒らない先生
解らないのを怒らずに
読み返しさえすれば
何度も根気よく教えてくれる

だけど絶対怒らない代わり
間違っていても正してはくれない
それは生きている先生じゃないと
 ....
兎よ 緑野を駆けよ
波頭を思わせる草の中を矢のように
丘の向うにある青空の方へ

我等の屍は地層の奥に
罪の証は幾星霜を経ても消えず
ああ せめて夢見る事を許されるなら
兎よ・・・

 ....
日常で化粧をしなくなったのは
心に化粧をするようになったから
泣きそうな心の形をキレイに誤魔化して
ムスっとした素顔で
あなたの言葉を待っている

もうくれなくなった言葉を待っている
あなたが止まり木で休んでいる間に
燕雀がちょっとさえずるけど許してね

快適な檻をお探しのようだけど
ここら辺では貴方が翼を広げられるような檻は
ちょっとないかも
私にとっては広すぎるこの ....
骨とそこに遺すもの
あなたの生きた証
長い長い踏破の記憶
白く焼けてなお美しい曲線と
関節の摩擦の痕
泥の河を渡り
砂埃の轍を踏み
飯盒番の友を出来上がりの声と共に失い

骨とそこに ....
獰猛な牙
私の腰まである肩骨
力強く張った後ろ足
しなやかで長い背骨 尻尾の先まで
虎の骨

きっと熱帯雨林の奥で
この巨体で獲物を待ち伏せしながら
たくましくしぶとく生きていた

 ....
私は閉じていたいのです

醜い物には瞼を閉じて
聞くに堪えない罵声には両耳を塞いで
美しいものだけ
蝶よ花よと歌っていたい

私は閉じていたいのです

寒い空気からは布団で隔絶し
 ....
彼女は前衛造形家
誰も見向きもしないような木っ端や
見るに耐えない汚泥や
忘れ去られた有刺鉄線で
誰もが目を離せない作品を作る

彼女の親友は彫刻家
美しい石を掘り出す処から始め
石の ....
海の味を覚えている
アサリよ アサリよ
お前が居た海の味をこの舌は知っている

私は明日 おまえを食べるだろう
そのために舌で味を見ながら
砂を吐かせるための塩水を作る

おまえはそん ....
乱太郎さんの相差 遠波さんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
父の撮る写真- 相差 遠 ...自由詩10*12-2-3
ある初夏の日の身震い- 相差 遠 ...自由詩5*11-11-21
幸せで可哀想なタカちゃんへ- 相差 遠 ...自由詩5*11-11-18
2011年11月10日- 相差 遠 ...自由詩7*11-11-7
図書館の本棚の前で- 相差 遠 ...自由詩12*11-10-1
兎よ- 相差 遠 ...自由詩6*11-8-4
素顔- 相差 遠 ...自由詩7*11-1-19
鴻鵠へ- 相差 遠 ...自由詩4*11-1-14
骨___斎場- 相差 遠 ...自由詩4*11-1-6
どこの虎の骨__−ハコモノの内容物に捧げる哀歌- 相差 遠 ...自由詩6*10-12-22
ひきこもりたがり- 相差 遠 ...自由詩8*10-12-21
創る者たち- 相差 遠 ...自由詩5*10-12-20
食物連鎖と転生と- 相差 遠 ...自由詩13*10-12-15

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