ぼくは全部
全部君に
あげたいけれど
あげられない

幼稚園のころ
先生がくれた色紙や
小学生のときにもらった
表彰状や

中学のころ
描いた人権ポスターや
十七歳の思い出も
 ....
美しい球体の庭で
手に入れよう。

すばらしい細工の杯で
酒を飲み交わそう。

そして今、
胸を焦がして
熱狂と神聖に甘えよう。

理由は散乱していても
誰にも言わない。

 ....
晴天など 俺には 神がかりだ
明るさの 選別は 俺を 善にさせる
晴れの 恐ろしさよ
お前も 若い頃は 太陽を 曇らす
事に ほれ込んだだろうに

駆けていく 又か!
愛は知っている 否 ....
あなたに愛される
蝶のようには
なれなかった日

私は一匹の蛾となって
その燐粉は七色に
辺りに飛び散るのです

私の周りには虹ができ
私は私の毒に
やられてしまう

あなたは ....
穏やかな風が吹く
冬の晴れた日の午後
寒い日のはずなのに
その冷たさはどこにもない

鳥たちはのびやかに飛び回り
土は生きている

めったにないこの日を
人も皆
外に出て心で祝う
 ....
 雨風とともに薔薇が舞い落ちた。
 朝がきた。
 原稿のうえで眠る青年が目覚めた。
トミノ、
トミノ、
かわいいトミノ。
おまえの眼玉の裏側の
冷たい炎の燃えさかる
ちいさな地獄の真ん中で、
真っ朱な花がただ一輪
いまゆっくりと綻んだ。
トミノ、
トミノ、
かわい ....
「愛してる」
「愛してる」
「どれくらい愛してる?」
「お前の為に死ねないくらい」
「愛してる」
「愛してる」
「どれくらい愛してる?」
「誰かに渡すくらいなら殺したいくらい」
「愛し ....
あなたを探して落ちた罠
{ルビ迂闊=うかつ}だわ
あなたしか見えなくて
自分で仕掛けた罠に落ちるなんて

あなたの視線に縛られて動けない
逃げ出せばどこまでも
あなたの姿が私を追って来る ....
(吐く糸で自分をがんじがらめにした)

誰かのために紡いでいたつもりの
それがいつの間にか
こちらに巻きついてくる
糸を断ち切ろうとあがいても
やわらかい糸はすべての力を飲み込む
包容力 ....
 静まりかえった夜明け前
 部屋からは見えない表通りを
 鮮やかな色の洋服を着たピエロが
 にこやかに微笑みながら
 ボールを転がし
 歩いている

 深夜の主役
 涙は止まらないけど ....
太陽がしずむときの

空と海が融けてく境界線を

あたしはきっと知ることはない

美しさ

で胸をしめつけられるなら

それできっといいのじゃないか



世界の黒を思いし ....
触るのいやだったから
紙コップかぶせて
動かなくなるまでほっといた
そのあと掃除機ででも吸おうかなって
そういう寸法
ああ、中でぶつかりながら飛び回ってる
あの羽音 ....
       ブラインドの隙間を

       汗を滲ませて 
             
       這いのぼる月



       窓辺の寝台の上       

    ....
ガンジスの巨大な銀河の流れの清めの沐浴
ヨルダン川のせせらぎ清めのバブテスマ

水が洗い流し
古代の美しき伝統 禊 祓い
聖霊が静かに降臨する

風 うねり 波 満ちる

輝ける 鎮 ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ

道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり

どこか ....
朝は失望の青い匂い
小さなテーブルの上には
ビールの空き缶が並び
頭に鈍痛を抱えたまま
ネクタイを締めて鏡に向かう

寒々しい街路樹を駅へと辿る
前を歩くOLの後姿が
い ....
夕暮れ時に網戸が一人
黒く文様を描いている
私もこの時間になると一人
壁に掛けてある濃紺色のジャンパーの
奥へ
暗がりへ
入っていく

ジャンパーの先には夜の海がある

彼女はいつ ....
冬めきてラディゲ読む夜の重さかな

幻滅と悔い残してや恋の冬

この星に我ひとりなり冬の雨

黙々と落ち葉掻きやる白痴かな

吸ひ殻と誇り捨てたり枯れむぐら

老媼の叫び響くや空ッ ....
{引用=あたいはあの人がほしいんだ}

ぼこ ぼこ ぼこっ
ゆらめく光の波動
何千もの泡、泡

誰も訪れる者はない森の湖水
光すら通さない水底には
主が住んでいる



{引用 ....
雨を辿り歩く夜
立ち上る想いはもう何処か紛れてしまって
あの日も、あの日も数えてみれば
多くの願いは晴天に、叶っていたのだと知る

そして今は温もりだけ
笑顔も泣き顔も打ち消されて
ひと ....
 細い糸のような雨が上がった
 日が変ると同時に止んだ
 
 慌しく過ぎて行く日々に
 ひび割れていく心
 解こうとすればするほど
 拗れていく魂

 腐るほど希望の詩を書いたけど
 ....
       
赤い陽が窓を照らし                
光りに満ちた僕の部屋で、             
君の頬は                     
はじめてキスをしたあ ....
あたしはデイジー
みんなを愛す

無邪気という
悪魔のような
言葉を纏い

あなたが好きよ
でもあの人も
この人も好きなの

それは仕方ないわね
だからお許し ....
ワンピースをきた女の子が
お札を両手に持って
これはお駄賃ですよとその手を差しだす
この手は子どものようにちいさい
ゆるやかな曲線を描いて両肩から
ちいさなバレッタに目をやると
わたしの視 ....
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後

音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き

鞄を逆さにす ....
銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている

風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど
 ....
「ちょっとお聞きしますが・・・」
生まれて初めて職務質問を受けた。
近所にある、簡易郵便局に寄った帰りのことである。
先日、防災用のごく小さな貯水池で、子供が溺れて死んだのだと言ふ。まだ、事件か ....
ちょっと長めの旅行を終えて
ベランダに出てみると
大切な鉢植えのミカンの葉が
全部無くなって
大きなさなぎがぶら下がっていたのです

街ではもう、見かけることも少なくなった
アゲハチョウ ....
なにがあろうと
時間はすぎてゆきます。
けれど
私はいまでも青年、少女
夜空の星をみあげるとき
風にゆれる花をかぐとき
山の小川で口をすすぎ
鳥の声に耳をすますとき。
そのとき、
こ ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
全部君に- はらだま ...未詩・独白7*06-11-30
Garden_of_earthly_delights- はらだま ...未詩・独白3*06-11-30
晴天- 奥津 強自由詩2*06-11-29
虹のドクガ- 三条麗菜自由詩15*06-11-29
冬の晴れた日の午後- ぽえむ君自由詩18*06-11-29
三つの死- 白雨自由詩206-11-29
トミノ- 大覚アキ ...自由詩606-11-29
キャンドルサービス- 虹村 凌自由詩4*06-11-29
鏡の迷宮- 未有花自由詩12*06-11-29
テクストの蝶- 下門鮎子自由詩4*06-11-29
涙は止まらないけど- 山崎 風 ...自由詩14*06-11-29
別つ日- 明日殻笑 ...自由詩7*06-11-29
Je_te_veux.- ________自由詩3*06-11-29
発熱の夜- 月夜野自由詩10*06-11-28
幻視風景- アハウ自由詩5*06-11-28
雨上がりの砂利道- ぽえむ君自由詩15*06-11-28
誰かの呼ぶ声- 快晴自由詩4*06-11-28
待ち人- 肉食のす ...自由詩4*06-11-27
冬めきて- 三州生桑俳句7+06-11-27
- 未有花自由詩15*06-11-27
時雨に夜- かのこ自由詩506-11-27
雨上がりの路地裏で- 山崎 風 ...自由詩13*06-11-27
秋の夕暮れ_- ネコ助自由詩3*06-11-26
デイジー- なかがわ ...自由詩4*06-11-26
水鉛- 加藤泰清自由詩306-11-26
四次元のリコ- atsuchan69自由詩13*06-11-26
口笛は何処へも届かない- LEO自由詩34*06-11-25
ラムネ瓶の夢- 三州生桑未詩・独白506-11-25
あげはちょう- たりぽん ...自由詩18*06-11-25
おどるとき- こしごえ自由詩13*06-11-25

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