夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
 花の悲しみは
 自由に色を変えられないことだ
 今日たとえ世界が終わるとして
 そのことを知っていても
 紅いバラは紅いまま
 その生涯を終えるだろう
 紅いバラは紅いまま
 そのトゲ ....
帰省の列車の中で
こんな夢を見た


『蜻蛉の夢』


満月の夜
月下美人のつぼみの下で
細身の女性が横たわっている


彼女の肌は
食べ物が喉を通ったら
透けてしまうくら ....
雨の匂い
やわらかな思考
霞んだ記憶
眠い風景
もうじき雨が降る
遠くの山が白金に染まる
絡み合った雲との領線の
なんと美しいことか
妻の
右前頭葉が
どこかに
遊びに行き
脳幹が
ふて寝し
思いもしなかった
生活を
ぼくらは
送ることになって
毎日、毎日
何かを信じて
何かにすがるように
リハビリを続けて ....
ちろちろと赤い舌?
いいえ、あれは小さな炎
黒土の下にはずっしりと火種
気化しているのはいのち
それとも、みらい
ぽっ
ぽっ
炎色反応はやがて
リチウムの赤から橙へ
橙から黄、黄色か ....
必要だとか
必要でないとか
そんなことではなく
辺りいちめんを
もう思いっきり吸い込んでみる

日々にやさしいものは
いつでも君の近くにある
目を凝らして
耳を澄まして
鼻を利かせ ....
揺れ通す竹の林や女泣く 遥かに遠くに満ちてゆく、夢のような泡立ち。
その滑らかな円を割って、
弱くともる炎。
最後のひかりが、睡眠薬のなかに溶けてゆく。

みどりで敷きつめられた甘い草原。
潤沢なみずをたくわえて ....
おそい夏の日の海岸に
光が二筋 射し込んで
無人のボートが沖合いへと流されてゆく
それを呆然と眺めている
あの少年は一体誰か

ぼくの寝室の壁には
一枚の記念写真
姉が首 ....
ああ、冬の日に

ぼくはあなたと失いたかった

夜の海をゆく

フェリーの三等室

垢にまみれた

蛍光灯に照らされ


ああ、焦りのような

遠いこころを見つめている
 ....
妖精に満ちた部屋に
姫は住んでいる
王子を待っている
永遠に続く
冬の魔法が解かれるのを

ときどききらめくのは
姫の笑い声で満たされた
妖精たちの柔らかなお腹だ
 ....
森の中に
タイヤは捨てられた
誰にも見つからない
誰も見つけようともしないだろう
タイヤは毎日
真上の青空を
口を丸くして眺めるだけだった
たまに流れてくる白い雲を見ては
無理をして走 ....
この手に触れてはいけない
この手は世界をつかむ手だ
この手は大きなことを成し遂げる手だ
おまえを抱きしめるためにあるんじゃない
この手に触れてはいけない

この手に触れてはいけない
この ....
降りつもる首しめるよに降りつもる信じることのできぬしあわせ



ひとつまみふたつまみして倒れゆく小さな夜の集まりの塔



家の背にあふれはばたき打ち寄せる星に至る火 ....
  君が笑った
  橙色の気持ちに満たされた僕
  君が笑いやんだ
  戸の閉まる音に怯えた僕



  君が泣いた
  駆けつけて抱きしめた僕
  君が泣きやんだ
  わけも ....
 叫びとは
 少女のためにあり
 それを聞くのは
 いつもきまって鳥だった

 少年は歩いている、夕暮れの帰り道
 見慣れた町並みにサヨナラをして
 彼は彼だけの家に帰っていくのだ
  ....
ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい


水が均衡する
まずめどき


幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ


しのびよる色が
 ....
ほこり臭い夕方のひかり

肌にはつめたく

悲しみには音たてて

地球のいちぶでうなだれている

彩雲がはしる


きみを想うの感情を

どうどうどう、と

制御している ....
シナモンの手触りが残っている

真夜中の台所に
左心房のリズムに
プラッチックのまな板に
なだらかな丘に
オレンジの粒に
困惑の首筋に
濡れた芝生に

冷たくひかる、月のおちる ....
傷口のガーゼを剥がすことさえもまだ躊躇いて君は研修医  春子はミントの葉を散らし
 踏みしめている 半睡眠で

如月 彼女の足の裏は
いつも薄緑に染まり
徐々に褪せていく
まるで季節を旅しているようだと
裸足のかかとをくぅと縮め
まど ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた

如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
僕が働く村は 小さな漁村で

大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている

ゴ ....
  灯りを消した部屋で
  そのはじっこのベッドの上で
  ぼくは夜の底へ沈殿してゆく
  そしたらいつか夜の一部になれるかしら



  夜は全てを隠すから
  ぼくは夜の底 ....
ひとはせつなくなりたくて

ちいさな過ちを犯してしまう

せつなくなりたくて

きょうもひとは旅を続けている


今宵

僕らそれぞれに瞬く星が

いい星でありますように
 ....
日の透くる椿の花の別れかな いわゆる
ぜんじどうせんたくき

洗濯物が洗えます



たまんねーな
ぜんじどうせんたくき

自らの全てが動きます
どこいっちゃったんだろう
洗濯物がどうなった ....
 世界中では雨が降っている
 誰も天気予報を必要としない
 毎日人々は傘を持って外出している
 飛行機なんてない世界だから誰も雲の上に出たことがない
 雲の上には神様の国が存在していると信じら ....
その時
あなたと私をつないでいた糸は
切れてしまいましたか
あなたは見失ってしまいましたか
もしかしたら
まぼろしだったのでしょうか
あなたと私をつなぐ糸は
そんなにも細かったのでしょう ....
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