{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....
暗示は歩いてゆく
眠りをめぐる回廊を
重ねられた便箋のあいだを
どこかためらいがちな
静かな足どりで

誰ひとり知り合いのないような
それでいて誰もに挨拶をしているような身ぶりで
暗示 ....
彼方の灯火を目指して
星が時間を登っていく

宿題を忘れた子供のような顔で
君が僕から目を逸らす

様々な哀しみと喜びの選集を
投影しながら窓枠を
低速で横切る薄い雲

ガスレンジ ....
ばうばくとしたあさもやのなか
かいじゃうにただやうとしのかげは
こひわづらひのおおはまぐりのためいき
しんきろうのまちまちは
さまよえるあはうみのごとく
こつぜんとしてすがたをけし
とつじ ....
斜めから日脚が延び
私の膝下にかかる
この光が消してしまうの なんて
もし私が少女であるなら
このまま失っていくんだろうか
ペディキュアが溶けだして膝の赤みが溶けだして
この陽にむかっ ....
雪が降る
その国に
女が積もる

という字の形をして
組み合わさって
結晶を構築して
やがて
細い
細い
洞穴となる
思春期のこと
その奥の奥
たどり着いた先に
赤ん坊が ....
遠い昔だった様な気がしているし、たった今過ぎ去ってしまった過去でもある様に、静かに流れて、少しの間立ち尽くす。
冷たい陽光を睫毛が遮って、風景の彩度を狂わせた。聞いた事のある声はしない、足元から背後 ....
 
さよならと言い切ってからその後で未練がましく抱きたい夕べ
 
 
しみったれた笑顔ばかりでへらへらと浸かり込んでく夕焼け小焼け
 
 
魂のあふるる時に泣くんです 産まれた時もそうだ ....
 
 
あなたの
佇む公園で私が踏みにじったのは
黄色い無垢の花
 
音をたてて
壊れてしまう夕日に
眩むよう
 
 
 
 
なにもなかったみたく笑って
もたれかかる
 ....
線路を{ルビ跨=また}ぐ歩道橋を渡って
小さな小学校脇の道を歩く

冷たい風に{ルビ靡=なび}く木々の葉は
ほんの数日前とはまた更に
色も重さも変えたようだ

見上げれば焦げ茶色の葉の
 ....
ひとりしか居ない器を器ごとひとり呑み干す冷えた指もて




呑みつづけ呑みつづけても酔えぬのはただ両目から流れ出るため




道を燃し壁を燃す手を振りほどき歩む ....
 
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、


着席する、石は、
水、ではなか ....
曼珠沙華、燃えて燃えてなお夢の中

オホーツク海を目指した鰯かな

撫子の可憐を食む羽虫達よ

うろこ雲幼き日に見た水彩画

流れゆく、うろこ雲さえ息を止め

アロワナに憧れたんだ ....
深夜の路上に
空き缶がひとつ
ぽつりと立てて置いてあった
こおん
とけっとばしてみると
そこいらじゅうから
わああああ
と逃げてゆく子供らの声がして
にわかに恐ろしくなったものの
わ ....
ある夜だった
マリーゴールドが揺れている

電車の中で窓ガラスに映るライトが煌々と
収縮をはじめてしまっている
不気味なほどに煌々と
シガレットの香りといっしょに
紳士の姿は泣いている
 ....
 
 
 
刺さった葉をやわらかく落下させて
空気を入れ換える季節よ
 
あれは子供たちが最初に見つけた
 
地球の旋律なのだ
 
 
 
よーいどん
 
で駈けだした足が ....
寒風に手指をかばう
待つとも待たないともいえぬ朝まだき
冷え切った空気が
空高くから透明に降りて
ちいさな公園の
遊具に残る最後のぬくもりを絶やす
ほぅ、と湿った息を吐く

 ....
買った父が誇らしげに笑う。ぎゅっとつまった、初みかんの味。

暮れどきに見た木の、やわらかな色彩に、心からこの町をいとしいと思う。

天気予報見ずに失敗した、とふるえるあなたに、この赤いマフラ ....
三時過ぎに受付で待っている
あのソファーの柔らかさ
嫌になるぐらい沈ませる

甘い事象は溶けていく
日々は虚ろに
鳴っては止んでいく
表と裏の違いにさえ気付かずに
僕の踵 ....
 
 
 
どんな人間でも、
最後に行き着く場所は海なのだ
 
 
先生はそう仰った
 
 
 
私は 先生の指の先の
 
 
青だけ、見て
 
 
海を滲ませた
 ....
海がそっとまぶたをとじる
青い響きの中
かもめは
追撃機のようにまっすぐ堕ちた

手のひらにすくう砂
ランプの芯のようにあたたかい
ぼくは見上げ
あたたかいのは君の手だと知る

浮 ....
暗闇に指と指を絡ませて
ほろ酔い肌のぬくもりに酔いしれる
熱いときめきが過ぎて行く
あなたは真夜中に背を向けて
私を抱いている時も夢の中でも
他の{ルビ女性=ひと}を抱いている

ひとた ....
はじまろうとする
あらゆる終りに贈る
季節たちの語りは終わった
わたしたちは手をはなし
時間のものがたりではなく
空間のものがたりをつくる
これからわたしはここ以外をめざし
ここ以外の土 ....
口数の少ないような枇杷の花

寒鯉や右も左もわからない

羽ばたいて夢探してる鷲一羽
 
 
 
光る校舎で
 
 
囁いたわたしたちは
 
 
数年経てば紺色だった影の記憶すら
 
 
なくなってしまうのを知っているから
 
 
こんなにも微笑んでしまう ....
季節だけにではなく別れを告げるということ
窓のない部屋では聞こえないということ

   言葉で削った窓のむこうは万華鏡じゃないということ
   中途半端な闇の中
   (匂いのしない風がテレ ....
君が爪弾いたギターから
粗野な音がばらまかれて
僕の部屋の天井に沁みを作る


それらは光をうけて
くすくすと輝きながら
一つずつゆっくりと
確かに覚醒してゆく


指先で繋げて ....
ばっさばっさ。


ひかりがまだとおい、
ななめまえの目標は まだななめまえのまま
光源らしからぬ ぼんやり加減で眼前、から はなれない


羽、では力がはいらない。
翼と言い切る強 ....
新しい朝




新しい風だ
朝、
部屋を出て
飛び込んでくる
空の青
凛としていて
高く、高く
季節は秋だ
靴を履いて
エレベータの前で
きみを待つ


きみを自 ....
飯田橋の歩道橋を歩いていた。
風が乾いている。透き通るように冷たかった。

車の音や、人の声が雑多な音となって歩道橋を揺らした。
青い空が遠くまで続いていた。

冬は晴れているのか、と思う ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薄明(嘘つき)- たりぽん ...自由詩1107-12-12
暗示は歩いてゆく- 塔野夏子自由詩11*07-12-11
巣箱- 松本 涼自由詩407-12-11
春(仮)- 沙虹自由詩2*07-12-11
わたしの少女- パンダコ ...自由詩307-12-11
スノードーム- 小川 葉自由詩207-12-11
冬の日_二- 龍二自由詩107-12-10
短歌- 黒子 恭短歌307-12-10
傾きを求めてごらんよ- 森さかな自由詩1*07-12-9
白い空- 松本 涼自由詩507-12-9
客人- 木立 悟短歌407-12-9
- 石畑由紀 ...自由詩13*07-12-9
'07秋・句集- しろう俳句4*07-12-9
かんけり- 吉田ぐん ...自由詩1407-12-8
マーリーゴールドの紳士- エチカ自由詩2*07-12-6
膝の細い鹿- 森さかな自由詩107-12-6
東京- 久遠薫子自由詩26*07-12-6
そっとやってきた- アキラ短歌4*07-12-6
「過ぎる」- 菊尾自由詩107-12-5
チョークの粉は消えない- 森さかな自由詩207-12-5
君を- ふるる自由詩12*07-12-4
片時雨- 未有花自由詩11*07-12-4
十二月- 音阿弥花 ...自由詩1*07-12-3
- 夏川ゆう俳句107-12-3
あかい頬- 森さかな自由詩307-12-2
僕に雨が降るということ- たりぽん ...自由詩16*07-12-2
プラネタリウム- 藤原有絵自由詩3*07-12-2
イカロス途前- (1+1 ...自由詩2*07-12-2
「新しい朝」- ソティロ自由詩5*07-12-2
西高東低の冬- ブライア ...自由詩4*07-12-1

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