イチリンソウが 咲いた
一輪で 咲いた
手折ればすぐしおれる
春の日の夢

一輪で咲くことを
神に 赦された
一輪で悲しむことを
神に 赦された

染まらない
その 白の痛みに
 ....
包まれてたキャラメルが
ほそりと ついた雨に溶け

羽をぬらさず 輪を作る
水溜りの 空しか知らない
日暮に

欠けていく暖かな日溜りでも
分け入る 胸に くきりとついたなら
 ....
あなたがもってくるそのにおいは

あたたかすぎてこころがいたい

もしできるのならばぼくのそばで

ゆるすとひとこといってください

そしたらぼくはありがとうといって

 ....
柔らかで重い
透明感の海の内臓にて
夏に恵まれたくらげが
水に還ってゆきます、あらゆるくらげが
水に還ってゆきます


(出会えた。だから、
(ええ、だから、お別れしなくて ....
君の人生があり

生活があり

夢があり。


花があり

食べ物があり

あったかい風や

冷たい風があり。


春があり

夏があり

秋があり  ....
窓を越えていくと
広い草原があった
今も昔も、通過できない人の声を
ざわめきながら残すために


忘れていった風の小言
誰のために、それすらもどこか忘れて
いつか、潮騒の混じった空に
 ....
石垣に肩を預けて戯れは
我が身を石に初夏の景色に


それは‥

季節で言えば
今頃の
濃さを増す
木々の緑も鮮やかに

天気で言えば
曇天とも
雨天とも
言えるような
 ....
深夜の地下道 
両脇に並ぶ店のシャッターは全て閉まっていた 

シャッターに描かれた
シルクハットの紳士は大きい瞳でおどけていた 

胸からはみ出しそうな秘密を隠して 
彼は独り歩いた
 ....
また腐りかけた吊り橋だ
いつもこうやって
たどり着く先で
誘う危険は
谷奥からのそよぎに共振する

   銀河を流す暗い川には
   大きな{ルビ鰐=わに}が寝そべり
   冷たい水に ....
かつて見送られるもののために
窓はあった
そしていま窓は
残されたもののためにある
窓を開け放ち
潮の匂いのする風を迎え入れる
誰かが忘れていった
化石の海が
ひとつ置かれている

 ....
風にゆらめく、
踊り子たちが
激しい春に
ときめいてゆく
日常。

(ゆうや、ゆうや
あなたがぼくを、呼ぶのは
小犬の甘噛みに似ている、の。
ゆうや、ゆうや)

 ....
私は無人の都市を歩いていた 
 
見上げた無数の窓の一つから 
青い小鳥が堕ちて来た 

{ルビ掌=てのひら}で受け止めた
{ルビ痙攣=けいれん}する小鳥の青い羽は 
灰色へと変色し 
 ....
階段は増え続けた
僕らの知っているところや
知らないところで
やがてこの街は
階段で埋め尽くされてしまう
のではないかと思う
そうしたら君と
階段の無い街に行って
日にあたりながら ....
フードに雨ふりくるしくなる息

手の鳴る方へゆけば故郷が遠ざかる

草の燭台と書けば美しき火災

帽子肩にかけ競技場に頭部もちよる

血の気引く手あまたといえようツンドラ地帯

夜 ....
透明金魚カランとなった。

指でつつくとカランとなった。

夏のおわりか、秋の始めか。

セミの抜け殻、稲穂のもみ殻。

透明金魚カランとなった。

また来年ねとカランと ....
よるのアコーディオンが
カーテンのようにとじられて
くすだまわれた
こどももわれた
ぐずぐずにくずれてみずにながれた
すいかのように
もろすぎた

ひみつたんていのおじさんは
コート ....
どうすれば
愛で空が
落ちるのか
お前の心も
落とせぬ俺に

微笑まぬ
お前の顔は
見たくない
力を込めろ
この指先に

取り戻す
愛を求めて
ただ一人
明日の見えない
 ....
夕暮れよ 夕暮れよ
成層を疾け肌をよろこび
倒れ込む木々の力で風を呼ぶ 果てしなく
どこまでも墜ちてゆく静けさよ
力と

それら水のよろこびにうつり翳りの海を
満ちたよろこび

夕 ....
ぼくは詩を書きたい

変化は気づくか
気づかないかであり
常に必ず何か変化している

今日もまた

朝の散歩をしていると
薄雲に出会いました

空の中を
ゆっくりと通り過ぎてい ....
とうとう動かなくなってしまった
トパーズ色した わたしの鍵
普段持ち歩いているバッグの中で
かさこそ這いまわりながら
わたしの吐き出す
あのひとへの恨みとか辛みとか
どうしようもない思いを ....
夏のよい さめぬうちから 下駄を引き
君を迎へに からりんころり

京くだり
丸竹夷に押し御池
こころもとなきは ただ君のため

数へゆく
姉さん六角蛸錦
絞りの帯は 花一文字

 ....
その中に夜が入りこんで 機械は夢見た
星空が広がって ひと粒食べるとお菓子の味がして
動物たちのまぼろしが 黒い草原を駆けていった

   るりいろ るりいろした オルゴォル
   鳴らして ....
     君君君     君君君
    君君君君君   君君君君君
   君君君君君君君 君君君君君君君
  君君君君君君君君君君君君君君君君君
  君君君君君君君君君君君君君君 ....
夏にまだ
無防備な肌を
焦がして太陽は
隆起する分厚い雲に
たちまち覆われた

焼けたアスファルトに
水玉の模様を描き始めた
大粒の雨
それもまた
激しさを持て余し
にわかの ....
わたしとおっぱいと
いったいどっちが大事なのよ

って
きみに問い詰められて
じっくり考えてみたんだよ

ぼくがきみと手を繋いでいられない時も
きっときみの傍らには
その手を繋いでく ....
もっと言葉に まみれよう
ぼくらは いのちが
水から うまれた道を
混沌と清純をつらぬいて
原初の呼吸まで さかのぼる魚です
あなたが好きよ
  あなたも好きよ
あなたは嫌い
  あなたも嫌い

バイバイみんな お別れよ
バイバイみんな 手をふるよ


ほこりまみれ 隅っこの教室
拍手を浴びて泣いたっけ
 ....
 あなたの瞳に映っている森が

 あまりにも美しく澄んでいたから

 僕はあなたの瞳を押し開いて

 中へ入っていった

 あなたは目の前にいた僕を見失って

 慌てふためいている ....
ほどけない
どうしても
ほどくことが できない
ひとつの むすびめを
ちからのかぎり
ほどこうとして
それでも
どうしても ほどけなくて
もう ただ ながめながら
すわりこんでいる
 ....
しろいはな
ちいさなはな
おもいでのはな
きおくのはな
だれかとのやくそくのはな
おちてはくだけちるはなのざんぞう
ないてるきおくしかおもいだせない
ねぇあのころなんであんなかなしかった ....
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