これはあなたの息
匂う糊 舌で封した
透ける封筒に夕暮れ
誰もいない堤防沿いの


机の下で凍える紙
打ち捨てられた 仄暗い
空白が罫線を飲み込む
宙を踊る文字は


部屋 ....
土と肉の熱を計る
なかば眠りながら
蝉の幼虫がさくらを吸っている
土をほじくり返し
あやしたすずめをその手ずからうずめ
いらなくなった枝を突けば
まるでそこだけが日溜まりのようです
 ....
もしかしたら
体操着にむしり付いた草色の滲み
それが好きだったのかもしれませんね

ちかくにある明かりは 忘れがちですが いつもあぶないのです
ぐんぐん伸びた背たけ
そういえば電球 ....
「あの海は何色ですか」
 
 「鉛色」
   「かもめの羽のような色です」



「あの空は何色ですか」

 「真珠色」
   「冷たい霧を重ねた色です」
つきあって一周年の記念に
バラを一輪もらった

花が欲しくて欲しくて
あなたから贈られたくて
せがんで だだをこねて
やっと初めて貰った一輪

二周年には二輪ねって言われて
はしゃい ....
ピアノを弾いてよ
僕の 僕だけのために
君の細い指が白と黒の鍵盤を行き来する
その姿を眺めていたい

ピアノを弾いてよ
僕の 僕だけのために
君の細い指が紡ぐ
愛の賛歌を聴いていた ....
たいせつな人の変化は
すべての流れにかかわっていく
血と肉を分けあった間柄では なお

かつての激流に心臓がなる

渦に飲まれまいと足を踏んばり
固く固く握りしめて
開くことのなかった ....
光る波が
微細な振動を伝えて
共鳴する和音が
朦朧とした調和に導く
覚めてゆく鼓動
光る波が
見渡す限りの一面に反響して
どこか遠くで死んだ音が
今ここで終わり
どこか遠くで生まれた ....
毛糸の束が絨毯の上を転がり、橙色の線を引いた。
日当たりの良いマンションの一室で彼女は編み物を続けている。僕は息苦しさに耐えかねて仕事に出た。枯枝を通った光がコンクリートの上でやわらかく揺れていた。 ....
虹を見ていた
空に放物線を描く光の帯を
虹を見ていた
あの日君と眺めた七色の輝きを
虹を見ていた
ただ黙って見ていた
思い出は今も胸に消えない懐かしい橋をかける

あの日僕らは雨上がり ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
冬の白い陽射しに かすかに 力が込められた

木の葉を透かした光
春の芽吹きを予感させる 柔らかな緑が届く

晴れ渡った朝 昨夜までの厳しい氷風は 
少しだけいねむりをしている

人々 ....
白い大きなシャツを着た
無邪気な少女が
駅前のロータリーに
集う鳩の中心で
詩の朗読をはじめた

僕も鳩に交じって
道路にダンボールを敷いて
排気ガスを吸いながら
彼女の言葉を聞いた ....
クレーン車のフック空荷で巻き上げられ冬の日暮れの月に届きぬ {引用=


水底で送受信を繰り返すようなあなたのさびしさが好き



水道水注いだグラスを一度きり鳴らして僕らは夜へと、流れて



満月の灼熱のようなかなしみに入水してゆ ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
はじめて車に乗った日 
すでに僕は30を過ぎていた 

はじめて車に乗った日 
先月25になったばかりで 
自ら世を去った君のことが 
頭から離れなかった 

はじめて車に乗った日 
 ....
1.「ナオタへ」

{引用=すこやかなよるに
知らないこと を
ふたりで 机にならべた
フライ返しで
ナオタは
ひとつずつ
ひっくり返した
ナオタは
ゆびがやわらかくて ....
目の前に一杯のブラックコーヒー

この暗黒の世界には

いろんな形の銀河やら

ブラックホールやらがひしめいていて

地球みたいな星もあったりする

そこには恐竜とかにんげんみたい ....
「お前のココアで母さんが火傷したよ」
見知らぬ家人は、さう言ひ放った。
「昨晩、お前の飲み残したココアを片付けようとして、母さんは火傷したんだぞ。それで救急車を呼んだんだ」
「えっ? 一一九番し ....
言葉を探しながら
言葉を飾りながら
紡いでいくやりとりで
君を近くに思ったりしている

優しさはわかっていて
スキだという気持ちも
隠そうと思わないけれど
本当の君はどこ ....
夢のなかの
無口な祖父のように
窓が
そっと近づいてくることがある


いつも同じ景色ばかり見ている
だから
無表情のままで
風のような息をしている


私は窓を見る
いや  ....
遠くに見える船
その上の地平線
子どもたちは集めた貝をながめて

頬を強く打つ風は
決めたはずのことを
すべて流そうとする

だから必死でもがいてるうちに
意地と
涙と
共存でき ....
昼に見上げた薄い月の
その不確かな存在感とよく似た
獣が私に住んでいる

恐らくそれはずっと其処で
私に気付かれる事を
待っていたのだろう

それにしても沈黙は余りに長く
お互いの黒 ....
君が上を向いて
吐き出している煙

間違えて
同じ香りを身につけたみたい

喉にしみる
グレープフルーツの果汁

穴を開けてもいないのに
欲しくなる粒のピアス

 ....
白くまが
冬に飽きて夏を生きている
空へ掲げた太陽から
モーター音がする
眩しくてほんのり暖かい
故郷ではインテリアでしかない太陽だ

夏の代名詞は軋みながら首を振り
永久凍土に芽生え ....
今すぐ
私たちが震えていることに
気づきなさい





春、春、
夏夏夏、
瞬きの度に私たちは
その色を、その言葉を
飲み込み、黙り、街路樹に
その芯に、 ....
言いたかったんだけど
きっかけが見つからなくて
その日は言わずに残した
次なんて
無いかもしれないのに

眩しさで何も見えないから
何度か右眼をこすった
駆け足で橋を渡る ....
青葉は青くないじゃないかと
君は言う
緑色なんて昔はなかったのさ
信じないだろうけど
私はそう思う

海も山も川も空も
青かった
全部濃淡があって
響くような青のモノトーン
白い波 ....
誰か、などとごまかすのはよそう
あなたを、思うときの空だ
湿った雪雲が切れていく
灰色の向こうに広がる薄い青
きっと強く、遠くのあなたを想っている
灰色と青色が近いのは空のせいだ

   ....
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