ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命

かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない

 ....
向こうからすげえでかいものが歩いて来やがった

そのすげえでかいものが
どう見たって
図書館だ

ツタの生えた陰気くさい外壁
入り口はまあまあきれいだ
ずらっと並んだ棚には本がぎっしり ....
先生、誰も来ない放課後です

理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度

埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生

魚になるにはどうしたらいいですか

答えの出ない ....
傷負いの翼が空を掴む
歪な円を描きながら
しがみつくように飛んでいる

鳥が自分の真上を通る
降ってきた水滴
鳥の血、静かなぬくもりを持って

空には鳥がいた
これから死ぬであろうに ....
さくさくと歌を産み出す蚕のごといつもと同じ歌草しるす

ビールが苦いジングルベルのなる店に聖書研究余念なし

冷たいビールが温かい気持ちにさせてくれるやるせない朝

午後四時の蜜を入れし珈 ....
階段を駆け上り見送る電車
吐く息白く間が悪いのだ


中央線を止めたポインセチアの鉢植え
プレゼントはとどかないまま


路線図を燃やすあなたの頬にたれた髪
雨ばかりふる雑踏 ....
わたしは詩のなかで
一本の木になることができる
地に根を張り
そこにい続けることができる
少女が来て
本を読んで
少女は帰ってゆく

わたしは詩のなかで
そらをとぶことができる
高 ....
セブンスター


今夜はもう
誰の書いた詩も読みたくはないんだ


ピース


おれ自身が書いた詩さえも
読む気がしない
これって
どうかしてるかもしれないな


セブ ....
女の身体でいいと思うところは
俺の墓標を立ててくれそうなところだ

胸があるとかないとか
やわらかいとかかたいとか
匂いがいいとか悪いとか
産めるとか産めないとか
俺にとっては関係ない
 ....
夜になりきれない
うすむらさきの空

段々模様の
やさしい音色

坂道を
駆け足でころがる夕日

向かいには海
やがて落ちると
明日のために蒸発していく

町外れの工場から沸 ....
手拍子で迎えましょうぞ散りいくさ恋にやぶれて淵になりたい


死にたいの死にたくないけど死にたいの死んだふりして腹式呼吸


あなたはねリネンにただよう海月なのわたしの四肢をあ ....
白藤の棚にそよぐ 薄紫の風に
邸(やしき)じゅう、色めきたつ菫(すみれ)たち

草葉の緑に、ふるえる白いドレスの君。
房を垂らした大きな帽子から、ほんの少し
零れる笑みと恥じらいを覗かせて
 ....
目覚めて一杯の水を飲むあいだ
私の胸の潰れる音が
乾いたシンクに響く
これはひどい朝


今頃、かの人の布団は
きっともぬけのから
私の朝は遅かった


そのシーツの ....
あたりは
もうすっかり 日が暮れて
さっきよりも一層
夜の黒さが炙り出されてきた

カウンターに置いてある
さっきまで温かかったウインナーコーヒーは
白のホイップだけを僕に食べられ
 ....
窓の向こうは朝もやけ


カップに落とした角砂糖は
角をやさしい珈琲に触れられて
いつしか 離れられない関係になった


冷えたガラスに頬を寄せて
耳をそっと澄ましたのなら
カップ ....
俺は今も砂丘みたいなところを
眠りながら歩きながら墓標を背負って歩いている
どこまでも続くようだ
本当は終わらせたくない
墓標を立てたら
歩くのも眠るのも背負うのも終わる

つまらないな ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
彼は眠りこけているが彼女は目覚めている。

息で曇る車窓の向こうは夜更けた雪国、
どうせなら洒落たペンションにでも泊まりたかった、
と彼女は思うけれど、
財布の中身を考えれば車中泊もしかたな ....
しあわせに触れたら次はふしあわせお手玉の唄うなじ香らせ




あやとりの糸たぐるうちたどりつくふたつの胸のはざまのひかり




遠くをば見つめることすらでき ....
名を忘れ鴉にもらう夜明けかな



戸惑えど戸惑えどただつづく道



灰と種そのどちらにもなれぬ我



けだものに寄り添いて笑む夜風かな



終わりへ ....
かえりみち転んだら
夢が転げ落ちて、
下り坂を走り出す

過ぎ行く時に
流されないように
小さいころの夢、
つぶやきながら
闇の中 必死で
転がる夢を追いかける

夢、
追いか ....
今朝はとても寒かった
来週は立春だといふのに、何といふ寒さだらう
あまりに寒かったので、私の舌は凍りついてしまった
物言へぬ詩人に存在価値など無い

―――死んぢまへ!―――

実に冷た ....
雨の降る日は絵の具の匂い
絵描きも今日はお休みさ
いろんな絵の具で塗った世界も
雨がみんな落としてしまう

雨の降る日は絵の具の匂い
空も街も灰色さ
ちょっぴり悲しい色だけど
雨はみん ....
近くにあった声はない
やがて離れてゆくだろう
測られてしまった熱の
裏側で泣いている

あなたの深海は
絵で書くことしか許されていない
響けと声に出して
膜張る潮に浸されながら
船の ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる


遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
(行方不明になる少し前の光景)

そう、いつか南風に
わたしの髪がながされて
地平線の水色に
例えば(紅い花を)
あるいは羊雲の群れに
かすかな共和国のひびきを感じたとき
わたしの名前 ....
わたしは幼女になって
あなたに誘拐されたい
ひらひらと
垢ずんでいく赤いスカート


ひとこともはなさない
あなたは
それに気付くことも
ない


わたしたちは
いつか家 ....
ペッタンコしよう
欲しいものを手に入れるため
ペッタンコしよう しまくろう
毎日ひたすらペッタンコしていこう
事務系の仕事でよくやるあの果てしないペッタンコだ
ハンコに朱肉をしっかりと付けて ....
遠くに見えた星が余りにも美しいので
僕ははっと息が止まった
小さな光はいつの間にか大きく空を包み
遠い筈なのに余りに近くに見えた

僕は一人で立ち上がらなければいけない
僕は顔を上げて進ま ....
凍りかけてる湖水のほとりで
ゆらゆらゆれてるあれは何?

あれは仔牛の頭蓋骨
あれは仔牛の頭蓋骨

ポッカリ開いた眼窩から
無常があふれ出てゐます

冬冬冬冬(トウトウトウトウ)
 ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雪姫- 未有花自由詩14*07-2-1
- サナギ自由詩5*07-2-1
理科準備室で- 夕凪ここ ...自由詩16*07-1-31
真空- vallette自由詩607-1-31
冬来たりなば- 生田 稔短歌3*07-1-31
ユメノ短歌- しめじ短歌207-1-31
わたしは詩のなかで- 砦希(ユ ...自由詩907-1-31
☆☆☆☆☆☆☆- 大覚アキ ...自由詩1007-1-31
身体- サナギ自由詩3*07-1-30
飽和する夜- 夕凪ここ ...自由詩9*07-1-30
腹式呼吸- くあせ@ ...短歌5*07-1-30
春の陽射し- atsuchan69自由詩7*07-1-30
あまい水- くあせ@ ...自由詩207-1-30
冬の猫カフェ- Hantama/ibuk ...散文(批評 ...307-1-30
砂糖と私の相対性- Hantama/ibuk ...自由詩307-1-30
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ふたり- 水在らあ ...自由詩35*07-1-30
創書日和。雪_【軍靴の響き】- 佐々宝砂自由詩1107-1-30
冬戯- 木立 悟短歌1107-1-30
冬鴉- 木立 悟俳句907-1-30
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凍れる詩人_又は、冫(にすい)の詩- 三州生桑未詩・独白1*07-1-29
雨の降る日は絵の具の匂い- 未有花自由詩13+*07-1-29
涯て- 及川三貴自由詩7*07-1-28
砂のことば- 銀猫自由詩24*07-1-28
花梨石の標本箱- 青色銀河 ...未詩・独白907-1-28
春彼岸- フユナ自由詩18*07-1-28
ペッタンコ!- 新守山ダ ...自由詩507-1-28
溶け出した空に犬は笑えるのか- プル式自由詩3*07-1-28
湖水のほとり- 三州生桑未詩・独白5*07-1-28

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