机の人がいた
脚がついてた
幽体離脱の
練習の真っ最中だった
汗をかいて
それでも手を振ると
余っている方の
手を振ってくれた

(2006.6.19)
世界中の風を収集すると
古い書物から頁が捲られてゆく
幾つもの考えは
風の形になる

ベドウィンのテントに吹く風
サーミのテントに吹く風
敦煌の砂に吹く風

風を折るように
また祈 ....
あなたたちは
想いあっているのですね
すこしせつない日々を
もらいます

目立たない花なんて
なくて
ちいさな想い集めて

遠く海、高く空までも
受け入れるような


私 ....
子猫が死んでゐる

昼寝でもしてゐるかのやうに
アスファルトに横たはってゐる

傍らを通り過ぎる時に
私は、ごめんねとつぶやく

その小さな黒猫を殺したのは私のやうな気がして

h ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋

殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
ぼくは詩を書きたい

たとえ自分の夢が
今の立つ場所より遠くとも
必ず辿りつくと信じなければ
常に遠い存在である

今日もまた

朝の散歩をしていると
潤いと恵に出会いました

 ....
長らくの不明のはてにたどりついたは温室の街

むらむらと甘く大気は膨張し虹を誘って余りある

五彩を泳ぐ鳥の翼も露ばむ苦労

明日は好日、好爺の好言 信じて帳の幕をまつ
薄青色の透明な空に
白い大きな鯨の尻尾
鯨は自由で気まぐれだから
日が昇りきる頃にはもう
どこかの国に泳いで行くんだ
でも優しい鯨のことだから
また会いに来てくれるだろう
僕の吐いた煙を ....
そして僕らは花になる
かぜをこじらせた
こけそうな道
鼻緒もきれそうな
しゃっくりの道
そして僕らは花になる
ぐるぐると
小さな羽虫が
無意志に飛んで
清楚な花びらも地に落ちる
毒 ....
たとえ…
この地にいなくても
あなたの
その笑顔が
永遠にあることを願う

あの日あなたは
大きなカバンをもち
どこかへ行ってしまった
きっとすぐ帰ってくると
こころにいいきかせ
 ....
#31

 言葉は
 無力ではない

 あなたの
 言葉が
 無力なのだ



#32

 今日は
 どこにも行く気がしないし
 なんにもしたくないから
 携帯電話の電 ....
吐息を重ねて
さよならを唱える
ぼくはもう
きみを忘れる

繋がっていた手も
いつのまにか離れて
それでも
気づかないふりをして
子どもの頃のきみを
手放せなかった
変わる自分を ....
風呂に入るとなめくじがいた
たいていの人はここでキャーあるいはギャーとなって
塩か砂糖か胡椒か何かを持ってきて
ヤツを殺しにかかるのだろうが
俺は別段気にならないし
こんな生き物でも殺すのは ....
夏休みにしか帰らない
実家の銭湯には
青い富士山の変わりに
緑のペンキが色あせ
ボロボロに古びた
一匹の龍の壁画が
どん と
風呂場一面を支配している



田舎のせいか
夏場 ....
大きな布を広げたような
遠さのない空

ほどけた糸が絶え間なく
無言の街に降る

僕は何を創ろう
濡れたその糸で

痛みを忘れた
この指先で
地平線を隠してしまうときの
きみのつま先が好きだよ

肩甲骨を両手でまさぐりながら
そう 僕は小鳥も気がつかぬほどに
ちいさくつぶやいた

地平線が見えないなんて
くだらない永遠なんか ....
むき出しの腕を風が滑っていく感触は、 

洗いたてのシャツに袖を通した時によく似ている。

ペダルを踏み、耳の後ろで逆巻く風を感じながら、

夏がくるのだ、と君は思う。


街の影が ....
やさしい ということばを
ほんとうに つかえているひとは
どのくらいいるのだろう

ふるえてる かたを そっと
だきよせる ことの むずかしさ
かすかな おとを たてることさえ
こわれて ....
港の水に映るのは
それは月ではないのです
港の水に映るのは
それはおしりなのでして

おしりは逃げ出したのでして
僕はそれを追ったのでして
漁船に忍び込んだのでして
追い詰められたおし ....
刻むたびに届けられる

琥珀色の手紙

大理石の文字盤に蔦の模様

年老いた配達人の腰は曲がっている(鳥に似ている)

かの人の面影を受け取る
暗い森の奥深く

僕らは咲きほこる冷たい水を飲んだ

誓いの口づけを交わさずとも

木苺が赤い宝石のように実る秘密の場所へ

お互いをさらっていくことは
街と
街の
間には
ホタルブクロの
小道があった
不安をかき消すように
折り取って
右手にいっぱいの
ホタルブクロの花束
とても白い花
空は青く
休耕田の中の
緑の小道
カマ ....
ぼくは詩を書きたい

生きているからこそ
美を感じ
詩が生まれるのである

今日もまた

朝の散歩をしていると
霊媒師に出会いました

嘘なのだろうと思いつつも
誰かを呼び寄せ ....
おさなき日
ことばを
覚えたぼくらは
迷宮の中へ
と投げこまれた

生きていることがつらい
というきみに
ぼくもそうだよ
とかえすことばは
むなしくひびくだけ

ことばなんか
 ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる


哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。

始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
二人でいるときは
想像
エデンの園
そして
失楽園落下恋

堕ちてゆく感覚に
流星を
一瞬の輝き

せめて二人でいるときは
排泄ではなく
闘争ではなく
見栄ではなく

 ....
眠りの国の君は
きっととても美しいのでしょう
けれど
其れが見れなくて
私はとても哀しいのです



君の伏せられた瞼の裏
封じられた瞳の色は
平生の黒ではなくて
もっと
緑と ....
しらばっくれるなよ
大型水槽のガラスにも
人息れで滲んだ世界が
ぼんやりと時を刻む
エアコンに負けて
透明になった世界には
勝つか負けるかの打算が
手段を選ばぬ精神が
ワールドサッカー ....
カステラの
下のほうについてる紙を

取るの忘れて、そのまま食いちぎって

それでも
牛乳と一緒に
流し込んでしまえば

おなじこと。


あの子だけを愛するつもりが
ほかの ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
練習- たもつ未詩・独白8*06-6-20
風の形- tonpekep自由詩11*06-6-20
- 自由詩3*06-6-20
子猫が死んでゐる- 三州生桑自由詩206-6-20
たなか屋の角- 佐野権太自由詩54*06-6-20
ぽえむ君−恵潤−- ぽえむ君自由詩4*06-6-20
温室の街- daisaku自由詩106-6-20
空には大きな鯨が泳ぐ- プル式未詩・独白6*06-6-20
僕らは花になる- シホ自由詩206-6-20
笑顔- 黒花自由詩3*06-6-20
フラグメンツ(リプライズ)_#31〜40- 大覚アキ ...自由詩1006-6-19
さよなら、- 蓮見自由詩306-6-19
梅雨時- 新守山ダ ...自由詩606-6-19
湯殿の龍- 蒸発王自由詩8*06-6-19
- 松本 涼自由詩706-6-19
地平線- ユメアト自由詩606-6-19
ヌード- 八布自由詩706-6-19
泣きそうと思うとすでに溢れてる_夕立のヒト_愛するヒト- mina未詩・独白706-6-19
夏の夜尻- 水在らあ ...自由詩14*06-6-19
時計- 曠野未詩・独白106-6-19
- 曠野未詩・独白306-6-19
ホタルブクロの小道- チアーヌ自由詩306-6-19
ぽえむ君−昇天−- ぽえむ君自由詩2*06-6-19
ことばなんか_捨ててしまえ!- 七尾きよ ...自由詩3*06-6-19
夢紫陽花- 銀猫自由詩13*06-6-19
森の序章——デッサン- 前田ふむ ...自由詩16*06-6-19
アダム- アマル・ ...自由詩506-6-19
睡蓮の宇宙- 蒸発王自由詩5*06-6-19
シーラカンス- あおば未詩・独白6*06-6-18
無鉄砲印のカステラ- 仲本いす ...自由詩4*06-6-18

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152