ほう  ほう
風が鳴いてる
シグナルはしずかに震え
ぽつり ぽつり
話す声がとぎれ
遠い踏み切りから
鐘の音が  ただよい
届かずに消えゆく

銀の車両は
鐘の音のな ....
君がはや泣こうとしている

握りつぶされる二つ割りのバレンシアオレンジ
日本列島を雲の太股が締め上げじわりと性器が湿る

僕も泣きたいけど泣けない

フィクションの積み木がカタカタと音を ....
君があの子の話をする度に
僕の胸の奥底に一輪
黄色い薔薇が咲く

全て君に
摘み取って欲しいと
思うけれど
云える筈もない
咲き乱れる
薔薇の香りで
噎せ返りそうだ

今宵も
 ....
ねえ、ブランシュ、
あのとき
あなたが越えようとしていたものがなんだったか
今のわたしにはもう
それを知る手だてもないけれど
あなたはいつも わたしの
理解の範疇をこえて
日常のただしさ ....
午後の日差しに翻る白いスカート 
柔らかな髪

思えばあれは初戀だった
名前も知らぬ年上の彼女
消え入りそうな細い躯を
ただ目で追っていた

古い映画を観て、ふと思い出す
もう顔すら ....
夕暮れに
繋ぎし指は頼りなく
僕らこれから
何処へ行かうか
若葉に抱かれ
ひっそりと眠る
ぐみの実

指で触れる
ざらりとした果実は
甘くて苦い くちづけ

次の春には芽吹けよ、と
その種子を天へ飛ばそ
油染みだらけの記憶のわら半紙提出期限をとうに過ぎ去り




透明なグラスの底を目にあててきみの星座を見る白昼夢




あの夏にきみが投じた問いかけのこたえをさがす 波のまにまに ....
春風よ
月の優しさを知る
アーモンドの
ほころんだ花びらを そっと波間にうかべ
遠い異国へ 運んでおくれ
涙色の伝説 
その震える肩を包んでおくれ



歌えよ 鳥よ
闇をつらぬ ....
桜は傷つくごとに優しく花を咲かせます

うとんじられては優しく咲き
さげすまれては優しく咲き

これ以上優しくなってどうするのかと
桜自身も思ってはゐますが

優しく咲き
優しく咲き ....
ゆったりと流れる川辺で
岸壁の色とりどりの地層を眺めながら
時折感慨深げにふむふむとうなづき
岸壁から剥き出た様々な石に
そっと耳をあててそれから
ぽくぽくとトンカチで叩いてみます
何 ....
うるうると  ながれては  こおりにかえり

うるうると  みたしてゆく

つちを  かぜを


たちのぼる霧は
こおりをむすび
春待つ木々を
冬に還す


光 ....
みつめている
うつくしい景色のむこうに
誰かへつづく ひとすじの想いがありますか
胸の中 熱をおびた
夏の風は ふいていますか

どこからか 
あなたへつづく 想いがあるように
わ ....
午後の陽射

見上げる、瞳


山吹色の世界で
あなたが 私に残した言葉は
今も 胸の中を響いています

遠く想う
あなたの生きる 街の風
あの日 藍色の翳りは
今も その胸の ....
街に灯のともる 夕暮れは
さびしくて
たえられないと だれかがいった

群青の空に
森の影が 長くのびて
かたかた風に つららが揺れる

でも
私はしらない
この夕 ....
どうして風はやむのだろう 静かに
(怒りに満ちた夜)
並木がささやく
──どうして風はやむのだろう

……あの星に
    あの昼に

落ちてゆく
人も車も
岩もビルも雲も
平衡 ....
ふと 家並みが途切れると
東の空に かの旅人が姿を現した
美しい金の灯りの燈る
いつも変わらぬ 微笑みをたたえて

毎晩毎晩 同じ時刻に
太陽の沈むのを待ってから 現れる
謙虚な旅人
 ....
あったかい
ふわふわ

どこからか やってきて
みんなの前で
楽しげに浮かんでた


とげが刺さった
けれど
ふわふわ

気にしない


雨が降って灰色
それでも
ふ ....
兎の心臓の動きをする
くびすじの隣で
粥が水を含みすぎることを
心配している
おんなは
せわしい寝息に
少し欲情して
見慣れた顔の
見慣れない瞼に
舌を滑らせてみる

欲するのは ....
耳鳴り
それは耳鳴り

眠りの中から
実はもっと前から
絶えず 響き続けて


聞こえない
それは普段聞こえていない

突然に気付くのは
何が原因なのか
いつもわからないまま ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
窓ガラスの内側から
草原のような海を見渡す
波と風が
交互にやってきて
その青はどこまでも青かった


窓ガラスの内側から
光がこぼれ落ちる森の空気を吸う
鳥は人のために鳴かず
虫 ....
僕が転んだ
白い雲がながれていた
僕が転んだ
麦の穂を風が掃いた
僕が転んだ
膝に石を刺した
しんとした痛みを
ただこらえた

何も居ない 
笑いごえもない
ひざを押さえた道端で ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
 全ての星の配置を画用紙に写し取った
 夏の大三角と冬の大三角
 航跡で真っ白になった空を見て
 ほう、と溜め息がまぎれて宙に昇っていく
 新しい星の粒子は
 寒い夜にふと漏 ....
鈴が鳴るのです
わたしの胸の奥で
どうしようもなく 鈴が・・・
あまりにも澄んだ音で
子供の声ような音で

鈴が鳴るのです
寝ても覚めても何をしていてもずっと
どうしようもなく 鈴が・ ....
 あの丘へ行って
 パスケットにパンを詰めて
 赤と白が戦争をするのを
 二人で眺める

 虹色の鯨が
 フィールドを横断していく
 空気の海を優雅に泳いでいる
 僕達は顔を見 ....
独りには慣れぬとわかっていながらも
何度も 飛翔を こころみるあさ 



トビタチノ あさを むかえて 母となりたる
我が心 きみに げんきに お早うをいう



皆 ビョウシャ ....
独りで生きて行けないことがわかっても独りになろうとする。
二人で生きていけないことが分かってもふたりになろうとする。
 遠い かこが むねを よぎる 。                  
 
 ....
一、

せんせい、と
あたしの声が響くたび
澄んだ空気が
ゆらり
あでやかに揺れる
それに気付いて
目の奥のどうようを
れいせいな
おとなのまなざしで
隠すひと

その距離は ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
発車前- 紫翠自由詩5*06-3-15
君が泣こうとしている- 右肩良久自由詩206-3-12
黄色い薔薇- キリヱ自由詩10*06-3-11
ブランシュの丘- 望月 ゆ ...自由詩24*06-3-10
我がミランダ- キリヱ自由詩406-3-8
もう忘れてしまった手に寄せて- キリヱ短歌4*06-3-8
ぐみ- 紫翠自由詩3*06-3-7
教科書を、閉じる- 望月 ゆ ...短歌37*06-3-6
almond.- 紫翠自由詩4*06-3-5
■桜風(朗読あり)- 三州生桑自由詩406-2-28
川辺にて- shu自由詩306-2-28
うるうると- 紫翠自由詩9*06-2-28
こだま- 紫翠自由詩4*06-2-22
恋色模様- 紫翠自由詩8*06-2-22
ゆうぐれ- 紫翠自由詩8*06-2-21
枯葉- 浅見 豊自由詩5*06-2-15
金色の旅人- 秋月 笑自由詩206-2-12
ふわふわ- 未詩・独白3*06-1-26
風邪と日常- かや自由詩3+*06-1-20
ある夜、響く音- 自由詩5*06-1-7
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
広がらない空想- 自由詩6*05-12-29
_僕が転んだ- 「ま」の ...自由詩6*05-12-12
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10
夜海- 如仁自由詩205-12-3
鈴が鳴るのです- 秋月 笑自由詩105-11-28
エリーゼ時間- 如仁自由詩505-11-22
独りの_朝_できごと__。_- すぬかん ...短歌205-11-17
独りの_朝___- すぬかん ...未詩・独白4+05-11-17
少女舞台- かや自由詩13*05-11-14

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