さくら さくら
あの人を返しておくれ
さくら さくら
私の元に戻しておくれ

さくら さくら
女の業が咲き乱れ
さくら さくら
今宵私は鬼になる


満開の桜の花の下
額に蝋燭 ....
午前十時


午前十時過ぎの
屋上でひとり 夢を見てる
螺旋階段を
上るきみ
をそっ と見つめていた

代わるがわる色を映す
水 たまりの空みたいに
流れているようで
留まって ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
グレープフルーツ、を{ルビ啜=すす}ると
ゆびさきやら舌先やら
なぜだかきみを、
おもいだして

グレープフルーツ、か
それとも、ぼく、か
においのあふれる
部屋になる

 ....
この冬は冴えし日向に馴染みけり風のある日の昼は殊更 あの日はきっと春だったと思う
部屋に置かれた
アジアンタムの葉がそよいでいた
近くのスピーカーからは
小鳥のさえずる声をバックにした
ピアノ協奏曲が流れていた
窓から差し込む光が
やさし ....
小鳥はもう飛ばないんだ もう死んでしまったんだ
生き返らせてときみが泣くから
小鳥の背をナイフでなぞった
流れる赤い血を見てふたりはせつなくなれたから
青空の下 海へ向かってる

肺が放出 ....
かつてここには。
かわなめしがすんでいたという。
やぼようのときだけあしばやに。
よそものたちがとおりすがり。

うすぎたないしゅうきょうとほこりにまみれたまち。
ごうごうとうなりをたて。 ....
ぬるい香り
何かを思い出しそうで
その曖昧さに脳が少し離れそうになる

裸足にそっと伝うのは
こっそり夜中に会いに来た
春の温度

脳の裏側をゴシゴシしたら
すーっと剥 ....
残された心は
たとえば
音楽の中に
ただよっている

たとえば
風景のように
遠く 
かすんでいる

たとえば
言葉の行く先を
ぼんやりと
指し示している

残された心は ....
       
      と君は
     言いかけて
    黙ってしまった
   桜の花びらが散って
  一枚が肩に落ちたんだね
  手に取って真近に見たら
  とても薄くて白くて ....
ここさ、庭広いでしょ。
全部芝生だしさ、小川まであるしね。
水が綺麗かどうか知らないけどね。
夏はお前、入るんだろうね。

目の前の大学にはもっと広い芝生の庭があるよ。
お前、 ....
おかあさんの肖像画は
ひきだしの中の一番濃いえんぴつで
曲線をつかって描くの

まぁるくまぁるい
頬や、腹や、てのひらを、
言葉や、仕草や、表情を、
やわらかい筆先でよびおこす


 ....
僕が生まれたのは
十月十四日
それまでに
バクテリアだったり
魚だったり
鳥だったり
いろいろ
やってみたけど
どうやら
人間が一番似合っていたみたいだ

僕が生まれたのは
十 ....
桜狩せむとて山路歩みゆき花と思へば若葉の山よ山の若葉よ

社には仏ゐますと聞きたれどただ漂へる香りは花よ花の香りよ

里離る山の井の辺に桜花たれ知らずとも見給ふ仏ほとけ御覧ず
その人の瞳の内に 
永久の春が在り
遥かな昔から
桜の木が立っている 

冬の冷気を越え 
降りそそぐ春の日射し 
今にも開こうとする無数の蕾に 
こころは{ルビ軋=きし}む 

 ....
こわがらなくってもいいんだよ
花は君を食べやしないよ
ただやさしい香りを放つだけ
春はこんなにもあったかいから
生まれたばかりの君にもわかるはず
だって春は君の母さんのぬくもり
ほら大地に ....
舌の味がしました
血が発する鉄の匂いを感じながら
けれどまたその味を嗜みたいと思いました
何度もしたいと思いました

その夜は眠れませんでした
胸の高鳴りがいつまでも止まず
 ....
ゆっくりと雪は溶けていくのだから
膝を抱えて待っていればいいんだよ
君のこぼした涙は墨の味がしたんだ
あの黒い雨のような黒い枝のような
君は何か悲しかったんだろうか心が
だから涙を沢山沢山こ ....
濡れた逢瀬の
赤い林檎を拾った

こぼれた赤ワイン
仄かに染み色めく
背筋のほむらを冷やす
残照

去りた時計が奪う
くちづけ色は
おもいでがよく冷えた
葡萄酒の夕暮れ

 ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
オミドレイヒヤ 奈落の底の

聖母にまつわる 五月の記録

亀だの兎だの湖に集めて

鳥葬してまわる

オミドレイヒヤ 祈りの言葉

ハチがつぶやく 巣のひみつ

シダ植物の五 ....
蛍光灯の灯りが揺れる
人影の途絶えたプラットホーム
いくつも電車を見送って
途方に暮れる無人駅

蛾の浮かび上げる影を目で追い
懐かしき君のの面影を追い
幻は掌をすり抜けてゆ ....
光を削り描いた花が
手のひらにふたつ影を落とす
鳥の花 音の花
ついばみにくるくちびるの花


砂の花 砂の花
影を持ち去る波の花
手のひらを知らない
問いの残り香

 ....
苦しげな寝息鎮めるタンジェント同心円が深夜に浮かび

付添って車輪擦るリノリウム湿気が包む待合二人

軒下で雨垂れ滲み街灯の向こう岸から鼻歌静か
まず初めに、このサイトの管理人さん、いつも互いに励ましあって
詩作をしている方々に感謝いたします。

今日でこのサイトに登録してから1年になる。
365日前は詩というものは何一つとして書くこと ....
みちはわたしとともにゆく
みちはわたしをとおくへはこぶ
みち程のわたしをみちは背負いもしずかに
みちはわたしとともにゆく

みちはわたしとともに逝く
みちはわたしのうしろ辺に
果てしもな ....
麗らかな春の匂いはどこにある
梢の先の小さなつぼみ

清らかな春の光はどこにある
川に流れる小さな雫

ゆるやかな春の動きはどこにある
日なたで伸びる子猫のあくび

新しい春の心はど ....
真っ暗な 寒さの 
果てに
今 そっと 雫が 
流れる
まるで 今日の 
自分の 心の汗が
ほとばしる 感情を 
裏切るように
禊のように やがて 
大粒となり
傘も コートも 
 ....
いちばん古い棟へとつづく渡り廊下は
いつもひっそりとしている
ことに雨の日には
この渡り廊下だけが離れて
雨降る宙の中に 浮かんでいるような気になる
  《ここで語り合ったこと
  《ここ ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜鬼- 未有花自由詩12*07-3-28
午前十時- ソティロ自由詩10*07-3-28
三月の手紙__デッサン- 前田ふむ ...自由詩32*07-3-27
グレープフルーツ- 千波 一 ...自由詩17*07-3-27
風の日向- A-29短歌3*07-3-26
きっと春だった- ぽえむ君自由詩14*07-3-26
海を見る。- 新谷みふ ...自由詩11*07-3-26
なあ、おい!- 猫八百自由詩6*07-3-25
春の思い出- なかがわ ...自由詩3*07-3-25
残された- こむ自由詩3*07-3-25
沈黙- ふるる自由詩16*07-3-24
スミスという犬- tibet自由詩10*07-3-24
肖像画- 有希自由詩707-3-24
誕生日- 乱太郎未詩・独白8*07-3-23
仏足石歌習作_やまざくら- 佐々宝砂伝統定型各 ...5*07-3-23
「_桜_」_- 服部 剛自由詩16*07-3-23
春猫- 未有花自由詩14*07-3-23
はつ恋- なかがわ ...自由詩6*07-3-23
待っていた- ふるる自由詩17*07-3-22
ワインレッド- たね。自由詩8*07-3-22
蝶々結び- 千波 一 ...自由詩41+*07-3-22
奈落- ミゼット自由詩4*07-3-21
無人駅- 1486 106自由詩22*07-3-21
ひとつ_なびく- 木立 悟自由詩707-3-21
雨の情景- 及川三貴短歌4*07-3-20
現代詩フォーラム登録1年を振り返って- ぽえむ君未詩・独白30*07-3-20
美知- tonpekep自由詩11*07-3-20
初春の歌- ぽえむ君短歌16*07-3-20
冬の雨- 天野まさ ...自由詩607-3-19
雨の日の渡り廊下- 塔野夏子自由詩10*07-3-19

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