汗をかかない速度であるいている
交通標識には
知らない地名が並ぶ
一方通行なのは車両だけだということだけ
当然知っているとばかりに

迷うためにあるいている
個人商店が
灯りを落としは ....
窓を
開け放して
眠った朝
窓辺に
水滴が残っていた

それは
音もなく
部屋に
忍び入ったのだろう

まるで
わたしのこころの
あのひとの面影のように
旅先で出逢ったひとと 
うまい酒を飲んだ日は 
深夜にひとり戻ったホテル部屋で 
まっ赤な顔のまま 
はだかになりたい 

ベッドの上で 
パンツいっちょう 
はだけた浴衣 
へべれ ....
近くにて花火の爆ぜる音のして
幼等の声 広がりてゆく

指染めて高菜をもめばよみがえる
故里の畠にゆるる菜の花

窓明けて寝ながらに見る夏の夜
高層ビルの窓に動く人影

夕立の前 ....
石瀬琳々、悠詩、L-Yurika☆の詩



夏へ
石瀬琳々

 感覚のすぐれた詩である。ともすれば平凡な言葉を上手に使いつつ、淡い印象の四つの連。それぞれの連のはじめの行が、連を改める ....
わたしたち
流れて
真夜中の水になる
あなたの喉をやさしく潤して
そっと
夢の中にしのび込む


水は落ちてゆく
あなたの肩から腕をなぞり
そして
温かな水の中へと
導かれて
 ....
平凡なお別れをした僕らは
やがていずれきっともうすぐ

偶然も必然も届かぬ場所で
二度とその声を聴くことも無くなるのだろう

覆い被さる波のような日々の中で
わずかにこの手に掬い上げられ ....
新雪を犯して歩む足跡が黒く
続きて物語めく

人走る足音ひびく小夜床に
大寒と言う静けさかとも

蓑虫が瓦に下り風花に
吹かるるが見ゆ窓に寄るとき

胸のすく音させて割る うす氷
 ....
黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ

大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら

夕闇の光で織る
繭玉を ....
  会えるかな
  会えないだろうな
   琥珀色のトンネルの向こう
   果物ナイフで切り裂いた光の
   向こうの・・・向こうの、そのまた向こう
   動かない青空の果てに
  ....
道端に乗り捨てられたセダンの
埃の積もったボンネットに
おまえを押し倒して
やりたい

ここで

すぐそばを特急列車が走っていく
サンダーバード
轟音を上げて
飛ぶように

い ....
梅雨が明けたそうで
なにより

街を歩く

至る所で
白い携帯電話を手にした人を見た

どれもこれも白一色で
夏空の雲みたいだ

白でなければ
つながらない話があるようで
 ....
寒風が追いやって
落下する陽は

屋上から見える
十字架の影に

もえている もえているのだ

あの方角に
確かにいた
小さくて熱っぽい
手が 

いま またしても

握 ....
白くしずかな八月の
午さがりのあかるい部屋である
私はただソファに横たわっている
そして部屋の中空を
一個の檸檬が歩きまわっている
まるで散歩でもしているようだ
いつのまに出現したものやら ....
不可思議と呼び捨てるにはまだ早い
猫の目うるる、美しいよる


いくすじも星をえがいてよるが降る
ふたつ並んで揺られあう尾に



滅びても興り続けた王国をたどり違える満月の ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう

光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
 ....
蝶のかたちの光の前に
家より大きな花があり
ひとりの影を映していた


小鳥は話しかけた
誰にも届かなかった
道につもりつづけた


同じ姿と響きを持ち
確かに共に居たも ....
/水膜現象

 ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
七月の海が三日月たべている
平和な孤独をつかんではなして


猫だけに見える景色があるという
二足歩行の失敗例です


席を立とうとしてつま先を踏んづける
また僕 また僕 また僕なん ....
夢で逢いたいと願った/だけだった

薄暗い小路に狼はいない
木漏れ日の森に
明日は雷が降るから
煙草に灯を点けて歩いた

擦れ違う蝶の
乱れた花びらを焦がして
二度と繋がらない電 ....
弟が、
はじめて天体望遠鏡を買った夜のことは、
今も忘れない。
失われた母星を見ようと、
みんなでベランダに集まって、
家族で覗き合った。
結局、
あたし ....
そこは陥没した土地の底だった
ふしぎにあおぞらに囲まれ
馴れ馴れとSiraketa鳥のとぶ低地
新しいだけがとりえのその土地に
湧き出る雲は白くて尽きないのでおそろしい
すうすうすうすうゆく ....
猛禽がゆく
絞めつけるように羽ばたいて
海を捨て
空を切り分けた
陸に住めなかった
みずからのつばさこそが病

うしなった爪で
満ちるうつろを掴み
嗚、と
ひとこえを残して
猛禽 ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
以前にも書いた通り、自分はこの現代詩フォーラムの投稿から
詩歴が始まる。
今まで詩を書いてこなかった自分にとって、どうやったら
詩をうまく書けるのだろう、そう思いながらあれこれと
考えていくう ....
夜を覚めて雨音に肌の潤えり
冬の旱に満ちて心良し

霜などは年中知らぬと紀州路は
オランダ豌豆 冬花盛り

サルビヤの花立ち枯れて残る紅
紀州路を行く旅の実感

それぞれに旗を揚 ....
耳を
すます

もうすぐ
聞こえてくる

夜へといざなう
音のない音楽
夕焼けに向かう
流れ星のように

私の知らない
遠くの空
ずっと向こうの
そのまた ずっと向こうの
背中の海で
泳ぐひとがいる


しずかな潮がつぶやいている


わたしたち
泡ぶくだったのね
小さな水とたわむれて
いつか
生まれた ....
ブルドーザー河川工事に爪上げて
アワダチ草を踏みしだきゆく

谷わたる霧のさざ波見て過ぐる
炎ゆるが程の紅葉なかりし

皮はがれ磨がかれし肌のつややかさ
杉の匂いの立ちこむる里

杉 ....
石瀬琳々さんのおすすめリスト(4553)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
神隠し- 月見里司自由詩307-8-4
夜雨- 風音携帯写真+ ...4*07-8-4
はだかになりたい_- 服部 剛自由詩807-8-4
52P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-8-3
今週の好ましかった三つの詩- 生田 稔散文(批評 ...4*07-8-3
流れる- yo-yo自由詩8*07-8-3
平凡なお別れ- 松本 涼自由詩707-8-2
51P_「短歌2」より〜_昭和五十年- むさこ短歌7*07-8-2
繭の部屋- アハウ自由詩8+07-8-2
幻灯機(あえるかな)- 草野春心自由詩307-8-2
サンダーバード- 大覚アキ ...自由詩207-8-2
白い電話- 黒田康之自由詩807-8-1
友人現象- naho自由詩607-8-1
檸檬の歩行- 塔野夏子自由詩10+*07-8-1
◆美しいよる- 千波 一 ...短歌17*07-8-1
夏の瞳- 未有花自由詩12*07-8-1
ひとつ_夜に- 木立 悟自由詩407-7-31
あるいは、あめからの呼びごえ- 月見里司自由詩507-7-30
七月の海- しろいろ短歌8*07-7-30
眩暈- 士狼(銀)携帯写真+ ...7*07-7-30
「_チ玉人にはわからない。_」- PULL.自由詩9*07-7-29
- 「ま」の ...自由詩3*07-7-29
自戒の鳥- 月見里司自由詩707-7-28
忘れる- 葉leaf自由詩1707-7-28
「とりあえず1000投稿」を終えて- ぽえむ君未詩・独白21+*07-7-28
46P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-7-27
音楽- weed & s ...携帯写真+ ...2*07-7-27
飛行機雲- weed & s ...携帯写真+ ...4*07-7-27
背中の海- yo-yo自由詩9*07-7-27
44P_「短歌2」より_〜北山杉_etc- むさこ短歌6*07-7-26

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