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この快晴烈風に
栗毛の駿馬の体が発している
いななきと情気した 赤い汗
馬が飼われている
隣の部屋では
いつも朝日が細く差し込んでいる
扉を開ければ
広い原野は俺のものだから ....
茫漠と空
暗闇 満ちて
ガラス片を散らした 星々
月明かり 銀の細い線
その腕を伸ばし
木々の枝
関節は節くれだち
月から伸びた銀線
冬枯れの枝に接点を求めて
その成長に揺れ ....
空は そっと倒れこみそうだ
深い雲がみえて
時は静かに止まってしまい
庭先に灰は降りて
やわらかな綿毛が吹き寄せて
湿った窪みに時を
ゆっくり積み重ねている
凍るように
音 ....
夜の始まりは
もうそこまで来ている
この夕刻の佇まいに
街よ 街よ
幾千人の人が
整備された
君の歩道を歩む時
街路の樹木も色づき
寂しげに 落ち葉も 舞う
この風に
....
液化燃料が
静かに燃えて
街に灰が積もり
鋼鉄の箱を疾走させ
アスファルトは
平行に立ち上がる 蛇
どこまでも続き
ゴムのわだちが軋む
騒音の車道を折れると
路地が佇み
生 ....
鮮やかに 雲が
青空から 吊り下げられて
細いナイロン糸が
結び目を のばして
雲は動く
己の腕の寂しさが続くかぎり
雲は行く
己の知らないくにざかい
雲の影が落ちる
....
明るみが つぶやく
影が出来ていて
潅木に 優しい陽光が
密かに 染み渡って
今日 静かな作業を編む
コスモスを風は包み
清涼な空気は
明るさを溶かし込む
ソーダ水の輝きで ....
大地と空が
触れ合い
お互いを確かめ合って
一つに溶けている
横たわる夜は
静かな寝息が
そっと 部屋から漏れていって
夜景の街を満たす
夢 追うように
ベランダから
夜を ....
靄が立ち込めて
息を止めるほど
鈍く 濁った 沼
曇りの空を
正確に映し出す
水の留まり
大地の無意識は 静止していた
息継ぎが罪悪のような 静寂に
時として 陽射しは落ちて ....
東に開かれた 窓があった
ソファーにもたれて
書物に目を落としていた
部屋を採光された 光が
うねり 本を照らす
読み継ぐ事に 少し疲れ
目を空へと あげる
陽光は石をも貫き ....
都市は
石と風のコントラスト
開けきった 窓から
円形の空のしりぞき
視線は永遠を求め
白い雲を追う
近くに目を落とせば
中層住宅・オフィスビル
ガラスが日に輝き
祝祭の ....
黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ
大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら
夕闇の光で織る
繭玉を ....
垂れ込めた 雨雲の下
その街は 午後を迎える
あの路地を
右へ折れると尻手黒川線
左側は商店街
猫の通う 細い道
衣料を商う 廉価店や
まだ 人のまばらな飲み屋街
気の早い ....
潮の闇
せまり来る
夜の底は
白く輝く
繭があるから
微笑みの絶えない
静かな 沈んだ 夜
離脱した 魂は
深海に 浮遊して
消えては 灯り
微笑みは 光
沈 ....
深々と 寄せてくる
夜の 間に
下弦の月が 静かだから
開かれた 秘密の扉
漏れくる 天界の光
倦む事を知らない 瞑想だから
月の鍵穴を そっと 覗く
幽かな 天空の序曲に 耳を ....
下弦の月
空に星
静かに見上げる
この窓の憂鬱に
暗闇は満ちる潮
夕焼けは あの約束
長い沈黙
昼から 読み続けた 本
見上げれば 夕闇 押し寄せ
スタンドに灯
....
芳醇な 夕を思い出して 読書の
コーヒーを 心に注いで
鎮まれる 湖面
曳航の 午後
短い昼と 長く伸びた 人影と
あなたを 待つために
コーヒーは冷めず
光の真紅は 留まり 維 ....
青く煙る 夕暮れ
窓から 黄昏の気息 忍び寄り
一人 聖書よむ 我
ロザリオ握り締め ラテンの呪文など唱え
夕焼けの紅 粗末な卓にかかり 青く遠く 紅 近く
偉大な日没を見入る もう夕べの祈 ....
この 青い空 白い雲 高層の建物は
冷たいロジックを回線に乗せて静かに堆積する
光が都市の騒音のように
うねり 広がる ポテンシャルの場
ここ 帝都の初冬に南中の林立する 陽射し
影 ....
耳もとで小鳥さえずる曇天の
空きよめたし唱題ととも
躓きの石をけるよう子供たち
放課の午後に帰路は遠きか
日輪 ....
新しき季節の感覚詠むべきか
春に入道秋は霞むぞ
月光が南の空を埋めつくし
仄かに白い闇はてし無く
深き夜冷気のような月光は
....
善悪の徴(しるし)を見たし満月の
澄清(ちょうせい)のそら雲ひとつなく
端々へ光が渡る天空に
在って在るべき雲流れ行く
夕焼けがビル ....
ガンジスの巨大な銀河の流れの清めの沐浴
ヨルダン川のせせらぎ清めのバブテスマ
水が洗い流し
古代の美しき伝統 禊 祓い
聖霊が静かに降臨する
風 うねり 波 満ちる
輝ける 鎮 ....