雨が降り出した
街が洗われる
忘れた方がいいことが
無数にあった
手を挙げてタクシーを停める
肉球は見えないように
行先を訊かれて
nearと答える
「外国の人?」
車内では
天気 ....
世界が
果てしないほど分厚い 一冊の書物に感じ
決して読み尽くすことのできないと
絶望する 
重苦しさと 心地よさを 
同時に感じて

「美しいものが正義だ」と言って
読むべき箇所と  ....
一つの夜の中に生まれる物語を
取り留めもなく繋げて
理由を探して

残された光の残滓に縋りつく

寄りかかる椅子の心地よさ
ルーツを辿る 視線の先の
ガラスに埋もれた憧憬

「あの ....
手に望むものは
何もない

白と黒に塗り分けられた
高圧電線のバー

遥かに
僕は立ち

浮き沈みしながら
フィールドを
走り出した

空間がバーを軸にして
徐々に狭まり
 ....
挫いたかもしれない足を雪につけて
痛みをとりだそうとする
できるような気がする
染み出した汗が白い雪を痛みの色に染めて

  (それはきっと緑だ
   濃い緑
   深く昏い海の底
  ....
私が誰かなんて
問いたださないで欲しい

私は私
あなたはあなた
たくさんの未知数の中の一人

名前なんか
大して重要じゃないのよ

ミステリアスな方が
時には素敵に映るもんだわ ....
鳶色の花が部屋に
投げ込まれた朝

夜から立ちこめていた
幾層もの霧が晴れ

テーブルに置かれた
皿やコップの上に
日の光が溢れて流れた

音楽はコップに溢れる水の音か
それとも ....
ふるい駄菓子屋さんで買ってきた縄跳びは、のばした水飴みたいに、すぐにくずれていたからね、


私、縄が切れるのを待っていたんです


こつこつ続けるしかなかった、なんて、ずるいこと、いっぱ ....
 かれは


祝福とおめでとうの違いが三文字分でも分からなくて
葉の色が変わる季節
落ち葉を靴の下に踏む
森林のなかの一樹になりたかったですか?
山のなかに立っていたかったですか?
名 ....
淡い光の中のライト・ブルー
誰もいない湖はピーコック・ブルー
風にそよぐ花サルビア・ブルー
静かに揺れたミント・ブルー

あの広い空はスカイ・ブルー
雲の流れるままにセルリアン・ブルー
 ....
そこにある色に違いないものを
僕は 水の色を じっと見る そして
僕の自分の目に映した その色を
不可解な色ではないと知っている

魚釣りをしていた
僕は いつかの親子の堤防を思い出す
 ....
ヒグラシの遠い呼び声暮れて行くひとりぼっちの道は遠くて

夕暮れの窓辺に寄って本を読む涼やかな風秋の足音

金色の庭でみつけた木漏れ日のスポットライト妖精の輪だよ

ひとりきり置いてきぼり ....
 タクシーがなければ 馬に乗って帰るといい 真夜中のどこかに 青白い馬が潜んでいる 二人乗りだから 相棒を見つけて 飛び乗るんだよ 鬣をつかんで しっかりと 離さないで 
 高速道路など 使うまでも ....
遠鳴き








ヒーーイィヨーーォ








森で喉を見せている鹿

口笛は慎もう
喜びは透明のまま
                 
ぼくは大切に飼っていたのである
泥川からザリガニを取ってきて 喰わせた
嘴の一突きで赤い頭を割り ピーコは喰った

切り株のうえに 
おとうさんは羽を押 ....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
 ....
きれいなきれいなシャム猫と友達になりたかった
から、
毎日毎日探してた。晴れた日は陽光の跳ね返りの中まで目を凝らして、そして
雨の日は粒の隙間から覗き込んでた、時々片目をつむって。
うえの ....
しんしんと降り積む
それは胸に
その音は
震える左胸と呼応し合う
熱を飲み込む
それが胸の雪原を赤く染めても
なお
しんしんと降り積み
跡形なく覆ってゆく
冬の精霊
それはあなただ ....
たちのぼる
言葉と夜の境界へ
金魚がゆらり、にげてゆく

すべからく
広がりはじめる黒の祭に
あらがう手立ては
浅瀬にある

鮮やかで
にぎやかな
喪失のなかに
ある
 ....
いちばん高いまんなかのところで
ぼくたちは見ようとしていた
うすくあでやかな冬いろのいとが
ほろほろうねって逆さまに
暗号のようにふってゆくのを
ぼくはぼくたちはみたかった
みたがった
 ....
さよなら さよなら
季節は足早に過ぎ去って行く
あの頃の思い出も見上げた空の色も
今では遙か黄昏の彼方に

黄昏よ
いつの日もおまえはそばにいてくれたね
どんな時もその光に包まれれば
 ....
たそがれを
使って
フリスビーをしよう
向こう岸までとばせたら
わたしのかち
ってことにして

たそがれを
まるめて
叩いてのばして
ハサミを駆使して切ってたら
なんだか
さみ ....
本の中で、死んだ者はここに流されてくる
happy-endもbad-endも等しく

作業員達は
本棚の黴びた本を種火にして
廃材に火をつけていった

本が体を温める

文字を読める ....
君には誰かの面影がある
たとえば五月の風のような
たとえば素直な犬のような
ほとんどはじめて会ったのに
なつかしい気持ちがする
昔の画家の絵のような
どこかで聴いた歌のような
思い出そう ....
北のはてでは夏のさかりがみじかい
浜に咲きいそぐ大振りの花弁が悲しい
北のはてでは午後の日はながい
こどもたちは海から上がると
ひからびた流木を焚いて暖をとる

南のはての海に突きでた丘の ....
ころころと
笑いながら
転がって
水平線と遊んでいた太陽が
すとん、という音だけをのこして
消えたときから
五感をなくし
闇にのまれた

どこからか
歌が聞こえる

エーテルの ....
青空に洗濯物のはためいてハミングすればさわやかな風

さまざまに形を変えて雲は行く見ていて飽きない空の劇場

ヒグラシの遠い呼び声懐かしい記憶の森へ心は帰る

炎天下汗をぬぐえば向日葵も{ ....
風に運ばれて
なつかしい匂いが
辺りを
湿らせる


葉の裏
こもれび
ガラスの小瓶

窓枠
ベンチ
まっすぐな歩道



言いかけた、名前



少し ....
はるか
昔を向いているひとの
すべてが灯りと
なりますよう、
祈るわたしは
濁れるわたし
ひとごとみたいに
まったく淡い
時刻表

五本の指があるわりには
そこに受け取ら ....
 悲しみをとぼとぼ辿っていくと、駅のホームに辿り着いていた。なんだ、もう一度出発なんだ。そう気付いた時には、もう旅人の顔をしている。ホームには、自分以外の人影は見えない。柱に繋がれた雑種犬と、自愛に余 ....
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