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【おせっかい】
地球の要人達に出迎へられた宇宙人が質問した。「人類のお手本となるやうな立派な人間は誰ですか?」アメリカ大統領が立ち上がった。「まあ私でせうな」二人が握手すると、宇宙人はポンッと大統領 ....
満月や野分のあとはちりほこり

脚二本欠けて眠れり秋の蜘蛛

物音や今年は柿のはづれ年

銀杏をつぶして行けり救急車

行秋や祭りのあとの歯の痛み

晩秋や恥を数へて夜もすがら
 ....
惜花

東風颯颯歩黄塵
句句閑吟愁色新
花影連綿湖畔夕
詩人鬱勃故園春
芳枝百囀能迎客
悪酒千言不動人
酩酊弄花花不語
呑声空臥夢花頻


花を惜しむ

東風 颯颯 黄塵を ....
冬雨吟

誰知凍蝶愁
誰解盲猫夢
夜雨両心寒
酔吟同苦痛


冬の雨に吟ず

誰が知る凍蝶の愁ひ
誰が解く盲猫の夢
夜雨 両心寒からん
酔吟 苦痛を同じうす


冬の雨 ....
初空や猫の匂ひの懐かしき

お愛想もちう位なりねこが春


初夢はせつなきものぞ恋の病み
年立つもかはることなし恋あはれ


祖母恋しおせち料理の塩からさ


家のなき人もをる ....
初冬や子猫も蓑が欲しからう



子猫らを懐にして影寒し

ひざに乗る子猫二匹のくさめかな

子猫らの声はすれども枯むぐら


ひとり寝も夢はふたりぞ冬ぬくし


衰へや詩 ....
愁人

詩想十年方断腸
愁人独詠酔余狂
飛花何処秋山謐
落涙何心秋夜長
一夕一朝虫切切
千秋萬歳月蒼蒼
詩人一命虚空否
遮莫吟魂不可忘


愁人

詩想十年 方(まさ)に腸 ....
 大学からN駅まで歩いて行くことがあります、と話しのついでに言ふと、先生は興味を持たれた様子で、その日は一緒に歩いて帰ることになった。N駅と大学までの間には、地下鉄の駅が十ばかりある。距離はどれほどか .... めくら猫のまなこに残る暑さかな
病み猫やうつらうつらと露の夢

月あらば三人なるべし手酌酒

空に書く恋文かなし秋ごころ

秋風や祖母の時計はまだ動く
長夜

颯然叢竹作哀音
長夜月明山色深
望望秋星何処落
詩人涙眼遠人心


長夜

颯然(さつぜん) 叢竹 哀音を作(な)す
長夜 月明らかにして山色深し
望み望む 秋星 何処 ....
左目の水晶体に封じ込められた
淡い翡翠色の少年人魚は
ぴくりぴくりと蠢動しつつ
お前を挑発しつづけるだらう

覚えておいで
人魚は七回脱皮することを
そのたびに
空は蒼く痙攣するだらう ....
舌先の恋の匂ひや夏の夢

病み猫の腫れたる乳の暑さかな

天翔ける十九の夢やみなみかぜ

紅薔薇は何億年の恨みかな



なつの恋はかなしき純白

夕立や街は恋なき人ばかり
 ....
しめやかに夏に入るなり大往生

涼しさやまぶたを閉ぢる指の先


 通夜に
棺の前のビール二本の宴かな


母の日や悲しき花にうづもれて

なき人をひき立てて咲け初夏の花

 ....
かげろふやガソリン一滴惜しむ日々

花散るや小猫は野辺に腐りつつ

病む祖母のひとみ濁れり藤の花

わが胸は花花花とうづきけり

秘めごとは肉の匂ひや落椿

佳き人のお尻は白し夢の ....
春酔

酒仙酣臥夢還天
独酌沈吟不可眠
美酒美人春一夜
詩人血涙酔千年


春酔

酒仙は酣臥して天に還るを夢む
独酌 沈吟 眠るべからず
美酒 美人 春一夜
詩人の血涙 酔 ....
春霞たなびく青山(せいざん)の林の中で
猛然と一本の白樺を犯してをりますと
感極まった白樺は、小枝を私の左目に突き立てまして
・・・男冥利に尽きます

その時に孕ませた双子のうち
一人は聖 ....
うぐひすやゴミ捨てる人拾ふ人

やはらかき子猫の腹や春の風

菜の花やまにまに猫はキスをして



会ふたびに会ふたびに胸はあたたかし

片恋や今宵の花は一分咲き

春眠や夢も ....
「遠野物語」を立ち読みしてゐると、私の横にゐた若い女が「モーツァルトの手紙」を手に取ったのだった。
うららかな春の昼下がり、店内には他に客は見当たらない。暇さうな店員が、黙々とポップ広告を作ってゐる ....
野辺の日に子猫のあくびうつるなり
のどかやな運転しつつ一句二句
捕まってたまるものかは犬の春
雪どけや恋しげに飛ぶ尉びたき
爺婆が黙して歩む余寒かな


春の夜に思ふ人あり物の音
三月 ....
寄花貌

独吟坐覚雨声微
半睡詩魂散亦飛
夢裏相逢何鬱鬱
以詩顔色作薔薇


花貌に寄す

独吟 坐(そぞ)ろに雨声の微かなるを覚ゆ
半睡 詩魂 散りてはまた飛ぶ
夢裏 相逢へ ....
月を吐け
月を吐け

王水呑みすぎ二日酔ひ
糜爛しきったのどちんこ


月を吐け
月を吐け

色白娘のおしりのやうな
まるくて大ッきな月を吐け!



 空から子猫が降っ ....
「お前のココアで母さんが火傷したよ」
見知らぬ家人は、さう言ひ放った。
「昨晩、お前の飲み残したココアを片付けようとして、母さんは火傷したんだぞ。それで救急車を呼んだんだ」
「えっ? 一一九番し ....
マスマイ
マスマイ
ナリマスマイ
生キテユカネバナリマスマイ

ツラクテ
ツラクテ
悲シクテ

詩ヲ書キ
絵ヲ描キ
泣キナガラ

マスマイ
マスマイ
ナリマスマイ
生キ ....
『鼻を失敗したの』
『だから自殺するの』
吊り革を握る手に力が入る。私は、隣りに立つ女が手に持ってゐる、携帯電話の液晶画面を盗み見てゐた。
『目はうまくいったんだけど』
女の髪は長く、俯いてゐ ....
「今日のやうにじめじめしてゐますと出ますので」
晩秋のたそがれ刻、男は陰気に呟いた。
「この榎の根元によく出ますな」
出るかと聞くと、出ると言ふ。今まで何度も見たと言ふ。
「誰でも初めは茸と間 ....
空気が乾燥して


映画館までの道のりは、西部劇の決闘シーンやうに砂ぼこりが舞ってゐる
モギリは陰気な女だった
人差し指を立てて「大人一枚!」と言ふと「3800円」と応へた
「いや、特別席 ....
紅珊瑚のゆりかごの中で
柔らかな月が眠ってゐます
美しい薔薇が月にキスして・・・
(カステラの香り!)

薔薇に棘などありません
棘は一つ残らず
詩人の心臓が受け止めましたから

柔 ....
薔薇喰へば詩人

悔やみきれぬ漆黒の髪長し

萩散る恋散る

満腹猫の小憎らしさよ

雲間を逃げるホワイトジーンズ

欲しいものは淫らなギター

まばたきする度に薔薇

片 ....
公園で野良猫と遊んでゐたら、見知らぬ爺さんから声をかけられた「こんにちは!」
軽く会釈だけ返すと、満面の笑みを浮かべながら、また「こんにちは!」
孫と思しき青年が、私に何度も頭を下げてゐたが、爺さ ....
珈琲さへ飲まなければ失恋しなかった

珈琲さへ飲まなければ指は無くならなかった

珈琲さへ飲まなければ妻を刺さずにすんだ

珈琲さへ飲まなければ


珈琲さへ飲まなければぐっすりと眠 ....
石瀬琳々さんの三州生桑さんおすすめリスト(64)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【140字小説】サボテン他- 三州生桑散文(批評 ...109-12-17
晩秋- 三州生桑俳句1+*09-11-2
漢詩_惜花- 三州生桑伝統定型各 ...309-3-31
漢詩_冬雨吟- 三州生桑伝統定型各 ...509-1-29
ねこが春- 三州生桑俳句309-1-7
猫蓑- 三州生桑俳句108-11-26
漢詩_愁人- 三州生桑伝統定型各 ...408-10-16
秋ざれ- 三州生桑散文(批評 ...108-9-30
残暑五句- 三州生桑俳句1*08-9-5
漢詩_長夜- 三州生桑伝統定型各 ...208-8-21
左目のためのセレナーデ- 三州生桑自由詩608-7-29
夏の夢- 三州生桑俳句208-6-17
祖母逝けり- 三州生桑俳句4*08-5-13
行く春- 三州生桑俳句608-5-1
漢詩_春酔- 三州生桑伝統定型各 ...108-4-22
白樺陵辱- 三州生桑自由詩3*08-4-17
子猫の腹- 三州生桑俳句1+08-4-5
医学生- 三州生桑自由詩208-3-12
子猫のあくび- 三州生桑俳句208-3-7
漢詩_寄花貌- 三州生桑伝統定型各 ...3+08-3-4
月を吐け- 三州生桑自由詩4*08-2-26
ココア- 三州生桑自由詩208-2-15
マスマイ- 三州生桑自由詩208-1-31
整形手術- 三州生桑未詩・独白407-12-12
- 三州生桑未詩・独白407-11-5
ノスタルジア- 三州生桑自由詩207-10-25
Soft_Moon- 三州生桑自由詩3*07-10-20
萩散る恋散る- 三州生桑俳句407-10-12
おーい中村君- 三州生桑未詩・独白407-10-3
珈琲- 三州生桑自由詩5*07-9-15

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