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北東の風が、強い。
雲は千切れ、崩れていく。
思ったより遠く、ずっと遠くまで、
走っていた。

(誰もいないグラウンドに立ち、空の箱を投げる。誰もいない。投げられた衝撃で箱が開
き、そこか ....
あさがきつづけている
まどのうちがわにひびきだす
こなたかなたのかげほうし

まったきへいげんに
たつものなどない
よこたわるかぞえうたのこえは
おびえるでもわらうでもなく

ゆうぎ ....
目は絶え間なく
開いているように見えた
拡がっていく穴に
ほどこす手をもたない
皆が
からすだ

羽がわずかに散る
つぎつぎと首を伸ばし
祈るようにくちばしを
鳴らした
雨の音だ ....
 縦に長い大部屋の中
に、並べられた寝台、
おおぜいの男と女が寝
ている、昏々とねむり
に落ちている、灯って
いる照明はひとつもな
く、奥まで見渡せない、
暗闇よりあかるく、薄
闇より ....
汗をかかない速度であるいている
交通標識には
知らない地名が並ぶ
一方通行なのは車両だけだということだけ
当然知っているとばかりに

迷うためにあるいている
個人商店が
灯りを落としは ....
/水膜現象

 ざざあ、と音を立てて降る雨の中を走っていた。暗い。フロントガラスにぶつかり続ける雨は視界を著しく遮り、ライトの届くその先を見通すことはできない。ワイパーがぞんざいに動き、僅かな間だ ....
猛禽がゆく
絞めつけるように羽ばたいて
海を捨て
空を切り分けた
陸に住めなかった
みずからのつばさこそが病

うしなった爪で
満ちるうつろを掴み
嗚、と
ひとこえを残して
猛禽 ....
でんしゃだった
ぼう、ぼう、と
隊列つくって
歩く目があわれと
気づいてしまった、
僕は

時よ止まれ、と
つぶやいて映すガラスのうすぐらい
鏡像が
伸ばした手/

 /こちら ....
石瀬琳々さんの月見里司さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
中空- 月見里司自由詩307-10-12
音叉- 月見里司自由詩507-9-22
からす- 月見里司自由詩2*07-8-22
合わせ鏡- 月見里司自由詩207-8-11
神隠し- 月見里司自由詩307-8-4
あるいは、あめからの呼びごえ- 月見里司自由詩507-7-30
自戒の鳥- 月見里司自由詩707-7-28
みんなを呼ぶ雨雲のこえ- 月見里司自由詩407-7-26

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