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そっとくちづけるかのように
首筋に立てた牙が血液を辿ってゆく
やさしいじかん
一度だけ閉じられたガゼルの眼は
空を仰いでいたけれど
若草は映らなかったに違いない
荒野の果てにいる動物は
....
夢で逢いたいと願った/だけだった
薄暗い小路に狼はいない
木漏れ日の森に
明日は雷が降るから
煙草に灯を点けて歩いた
擦れ違う蝶の
乱れた花びらを焦がして
二度と繋がらない電 ....
沙漠から取り寄せた砂を
僕たちは浴槽に撒く
言葉に塗布された意味を
一つずつ丁寧に
酷くゆっくりと落としながら
シャボン玉を
空間を埋めるために飛ばす
乾いた砂に埋もれた言葉を
....
ミンククジラのパンプスの中で
小さな金魚が揺らめいている
落雷があった駅からは
洪水が始まっていて
横断歩道の境界は灰に変わる
賭けに出る前に
豪雨の隙間ですれ違った少年は
折れ ....
{引用=よだか、かあいそうよう
かわうそうよう}
四歳のわたしは協会で泣いた
よだかを想って泣いた
かあさまが牧師様に頂いた絵本を
わたしは涙でくしゃくしゃにしてしまった
十八歳は ....
{引用=僕がチャーくんに出会った頃は
魚が飛んでいました
鳥が泳いでいました
月が溺れていました
太陽は寝ていました
僕の世界は笑うことを知りました
}
初詣に行く前に
チャーくん ....
{ルビ御月様=おんつきさま}が
どれほど 偉大か、
気が付いたのは
絶望の重みに
耐えられなく
なった 夜道
十字路にある
自動販売機の
灯 だけが
ユメを見せてくれた
夜
そ ....
冷凍室に閉じ込めて
そっと 耳を寄せたりはしない
腹を裂き眼球を抉り
死なない形を創り上げて
寂しさを 裏側に貼り付ける
夜中の静けさが
硝子玉した眼に暗い光を燈すと
怯えた幼児 ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている
2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
梅雨入りの雨に打たれながら
掠れた音しか生まない喉で
ひとつ、
溜息を落としてみた
折畳み傘の骨が
海月みたく歪んで、溶けて
僅かばかりの猫背に
充分な質量を含んだまま
重く冷 ....
石瀬琳々さんの士狼(銀)さんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
チーター
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士狼(銀)
自由詩
4*
08-4-6
眩暈
-
士狼(銀)
携帯写真+ ...
7*
07-7-30
レプリカ
-
士狼(銀)
自由詩
19*
07-6-3
合図
-
士狼(銀)
未詩・独白
9*
07-5-31
夜鷹
-
士狼(銀)
自由詩
7*
07-1-13
永訣の朝に思いを馳せる
-
士狼(銀)
自由詩
12*
07-1-1
真夜中の光合成
-
士狼(銀)
自由詩
8*
06-8-11
剥製の眼
-
士狼(銀)
自由詩
11*
06-6-18
煉瓦を積んだのは朝日に知らせるためではなく
-
士狼(銀)
自由詩
8*
06-6-9
雨錆
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士狼(銀)
自由詩
9*
06-6-8
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