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桜葉のような少女の手を
抱いて
うら若きわたしが泣きます
波濤の白にいくつもの
瞳は
飲み込まれて
月がいつまでも
母恋しと
ひかります ....
あなたの
佇む公園で私が踏みにじったのは
黄色い無垢の花
音をたてて
壊れてしまう夕日に
眩むよう
なにもなかったみたく笑って
もたれかかる
....
刺さった葉をやわらかく落下させて
空気を入れ換える季節よ
あれは子供たちが最初に見つけた
地球の旋律なのだ
よーいどん
で駈けだした足が ....
どんな人間でも、
最後に行き着く場所は海なのだ
先生はそう仰った
私は 先生の指の先の
青だけ、見て
海を滲ませた
....
光る校舎で
囁いたわたしたちは
数年経てば紺色だった影の記憶すら
なくなってしまうのを知っているから
こんなにも微笑んでしまう ....