すべてのおすすめ
しなしなと
深夜のラジオが
ひなびて曲を鳴き奏でる
くるくる風括る
晩秋は
始めとも終わりともなく
じりじり
砂を噛む
ときの流れのとどこおり
いつともなく
生かされて ....
ちりちりと葉の群れはしる
葉先の鋭角
もろもろの枝らのふくらみ
遠く見ればほうほうと
チクタクと刻む
時は頭脳の産物
はらはらと落ちるもの
地へと消えゆく
目を洗うかのよう
....
九月に
花咲くものもあるのだ
愚直な風と雲と
肌さわる空気
苦しみのさなかにもある
はたとした気づきの殴打
群青の宙の下
張りつめる呼気
言ってしまうと
軽々しく浮いていく
....
ヒルはヒルで
冴えた空
さらの白い厚い雲
ヨルはヨルで
深き濃紺
これは今日だけまるく満月
くり返しくり返す
するとするどく
光っている、見えないものが
見得ないけれど
....
ぼくはただもう
汗をかいて生きよう
排ガスさえ流れてこないよ
よどんで静止する空気のなか
一瞬!の風を
ヨットの帆のよう
全しんをぱんと張って受けている
止まっては溶けつつ
ひたすら冷 ....
念のために確認しておく
モーソー
それはある
内容はない
カップラーメンのから
空っぽのビールの缶
それはある
それらに手はない
足もない
カッターナイフはある
ナイフで鉛筆を削る ....
鳴き声を発するものは
こちら側に
くるだろう
彼岸は此岸
此岸が彼岸に
いつもなり得る
凛凛と
ぼくらはいつでも
立っているだろう
餓つえて流す
汗も涙も滴るとして
平和より ....
曇天をかぶって
つらつら歩く
濡れたアスファルトの
匂いに包まれて
暗澹たる世界の
ぐらぐらたぎる地
触れたあしさきの
熱く勢いのある
汗ばむ肌に
風のかがやき
麦秋の黄金 ....
見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな
そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている
人 ....
遠く鳥の飛ぶ音
離さない
僕の耳は手のように
つかむ動きをやめないのだ
地球中の血を力にして
叫ぶ
喉からは出る手のように
何かを欲してやまないのだ
続く
つづらおりの道
....