すべてのおすすめ
それでも
優しい歌を
優しく、歌えるようになりたくて
手に取った十年前の手紙を
そっと引き出しに戻した


単純なことを
回りくどくする
それについては、僕らは天才で
ついにここま ....
上手く選べないことは分かっているので
国道へと続く道の折れ方を
君たちに任せることにする
右へ右へ、と街は緩やかなカーブで
今も回り続けているらしい

僕を追い越していく光線は
一日を開 ....
壁に残る跡。ひとつ、ふたつ手を叩いて。軽い縁取りで足跡を残しながら進める日は、きっと幸せなはずで。迷うように降り注ぐ朝に、世界はその日に向かって。


壁に残る跡、弾痕。触れたくなりそうな光を残 ....
昨夜の暗闇がまだ腕に残っていて
深く吸い込むと、まだ匂いがする
目の奥まで染み込んでくる、とうめいな朝は
ついに溶け残ったあなたと私が、水溜りする隣で
新しい一枚を捲ろうと、もがき続けている
 ....
時間は、斜めから溶け合う頃になって
辺りはいつの間にか曲がり角になって
それは
人生、
とは呼べないような私たちだったり
生きている道のことだったり


例えなければ綺麗だったのに
 ....
藍色を少し混ぜる
空の端の盛り上がった場所に置く
それだけで一日は暮れていけるし
僕らもゆっくりと、眠ることが出来る

あの日、あの壁の落書き
木に刻んだあなたの名前
遠くへ行けるようで ....
ラストオーダーは君に。
と言いながら僕らに。
手の届かないあれやこれや、
ただ内に抱えながら歩く姿は美しいのかどうか。
僕の中で耳鳴るしかない言葉が、君には大声で聞こえているらしい。
それが ....
白鷺の羽音の通り過ぎるその、揺らぎ
一面の青葉、その遠くで駆ける声、という声
ここにきて姉は心から、静かに千切れてしまった
さあ行こう、にも飛ぶための脚は足りず
退こうにも継ぎ足す、言葉も無く ....
遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくよ ....
その広い丘にはドアがあって
朽ちかけたドアだけが、ひとつ、あって
その横で佇んでいる、家族だった影が
心を裏返すほどにゆるしたかったものは
自分たちだけ
だった

 ドアを開けると道が広 ....
雨の、話など誰もしていないのに
空が溶けてきたねとあなたが言う
気が付けば隣で誰かが溶け始めていて
手紙に残された文字が一人、笑っている

手のひらは繋ぐためにあって
思えばそんな場所ばか ....
静かに窓を閉じる
終わってしまった映画の後で
部屋の明かりを静かに閉じると
空間が水の中に満ちたようになる

溺れてしまうと、答えは出るだろうか
息継ぎをすれば、漏れてしまうだろうか

 ....
ポイントは、スロウ

誰かが間違ったとか、テレビが吐き出しているけれど
それが本当かどうかなんて誰にも、分からなくて
無駄なものを省いてきた、そんなつもりの生き方だけれど
結局何も捨て切れて ....
それはもう私の中で始まっていますか
とか、君は問いかけて
僕は聞いてない振りをしながら
大きく頷いたりする

海へ突き出した街へ向かう電車は
青い車体に、菜の花が描かれていたりして
最近 ....
回らない風車を地図に向けてみても
夕凪にバスは来なかった
型通りの挨拶が一通り続いた後で
輪郭だけを残して帰っていく
人、たち
まだ捨てる場所があるということは
まだ軽くなれる僕らがいると ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります


  いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
 その内、に抱えた ....
春が過ぎた
それから
君たちの後ろには羽が生えて
彼女のいた屋根の
あの群生の上を越えていった

それから、と区切って
何を始められたか、と問われれば


並木の色合いは変わらない ....
まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも

 ....
ちり、ちりり、と
細く凍える氷の心音を
耳元に押し当てながら私は
グラス越しの揺れる景色を
手繰るように眺めていた春でした

くわん、と
頭の、奥の
くわんと鳴るところが私の
大きな ....
実感
いつまで経ってもこの指には絡まない
終わる素振りを見せない工事現場が
点滅する、光を放って街の一部になる
もう、戻れないところまで来ているらしい
この指には何も、絡まないけれど

 ....
陽射し
薄く引いたカーテンの隙間に漏らしてしまう
黄昏かけた感覚のようなもの
軽く息継ぎをするだけで
空に届きそうになってしまう

力の限り今日を生きると
力の限り力が抜けてしまう
日 ....
例えれば
忘れられるべくして、忘れられている
約束の前の一片、踏み止まるための一線
私から出るものもの、も
忘れられるようにして、忘れられてみたい
繋げるために伸ばす手に、繋がるものを予感し ....
どこへ行こうか、と呟くと
どちらにでも、と君が返す
どこへでも行けるのが僕らなんだと
もう一度その声を聞いてみたくなる

とても、とても高いところから
世界が降りてきている
一番最初に出 ....
指先で辿るだけのものにも
どこかに意味はあったのだ
そう気付かせてくれる君たちの声は
どこまでも、仄かに明るい
埃を被ったままの本の
隙間を捲る指の順番から
繋がっていくものがある
体温 ....
蓋の閉まった街の水嵩が誰にも知られずに増していく
なんという、静けさ
塞ぎ込む窓辺に君は寄り添って、透き通る視線で景色を
混ぜるように空を、抱えている

明るく、楽しく
昨日のことを語れる ....
静かな森に
命の眠っていく音が響いて
今日、一日の心音の数を
手のひら一杯に数えて
それを大きく
飲み込むように

明日へ繰り越すための挨拶をすると
その分だけ誰かが、ほどけていく
 ....
何を思い出せば
幸せになれるというのだろう


始まりは
遠い海の底の夢でした
船底を擦るようにして
人は、人は旅に出て行くので
いつか大きな音を立てて
傾いていく私たちのために
 ....
そのように、生きてみたいと願う
いつまでも二階より上の景色に臨めなくても
遠い車窓に同じ肩幅で揺れているだけだとしても


ノイズ混じりのカーラジオの表面に
透き通らない感情を混ぜている
 ....
足音が
大勢の中に還っていく時
遠くで自転車は雨音の中に忘れられている

少年が
少年のままで頭を下げながら生きていく
そんな時々、あれは私たちが作り上げた
屋根や壁や、縁の無い窓
遥 ....
滴が。
朝の、


窓枠を二つに分けるようにして落ちていく。
今も手を伸ばせば壊れてしまいそうな足跡。
遠くなっていく風景写真をいつも隣に置いている。
あの日、行方知れずの人が今も笑いか ....
千波 一也さんの霜天さんおすすめリスト(180)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
影法師- 霜天自由詩507-11-19
梯子- 霜天自由詩507-11-4
世界はその日に向かって- 霜天自由詩207-10-21
それと、いくつかの朝- 霜天自由詩207-9-25
トワイライト- 霜天自由詩607-8-27
ホーム- 霜天自由詩507-8-15
耳鳴る- 霜天自由詩407-8-2
今も遠くの風が吹いている- 霜天自由詩607-7-16
駆ける丘- 霜天自由詩807-6-29
停留所家族- 霜天自由詩707-6-24
親和する朝、の- 霜天自由詩907-6-4
フォルティッシモ- 霜天自由詩607-5-13
アンダンテ- 霜天自由詩1107-5-13
ピアニッシモ- 霜天自由詩607-5-13
旅人- 霜天自由詩207-5-9
散在する、朝- 霜天自由詩1007-4-30
葉桜の後に- 霜天自由詩807-4-24
飛行船四号- 霜天自由詩707-4-12
- 霜天自由詩807-4-8
郷愁- 霜天自由詩707-3-25
光線- 霜天自由詩907-3-13
片空- 霜天自由詩407-3-9
ショルダーバッグ- 霜天自由詩507-3-8
形状- 霜天自由詩607-2-26
雨から、街を- 霜天自由詩607-2-25
静かな森に- 霜天自由詩707-2-5
船底- 霜天自由詩1607-1-29
家族(時速50キロの)- 霜天自由詩807-1-25
時々- 霜天自由詩1207-1-15
あの日、行方知れずの- 霜天自由詩1207-1-14

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する