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さよなら
でも
さようなら
でもいいが
それは
またね
をかくしているはずで
またね
は むぼうびなのに
わたしたちは
うたがうことをしない
まだ
ことばのないこ ....
「彼、自称詩人なんだって。」よみきかせの仕事をくれた女性にそう紹介され、挨拶をしたことが二度ある。心の中で“自称は余計だよ”とおもいながら。
世間で「詩人」と云う存在がどんな風に扱われているか ....
飛び上がった身体は
地面から順に世界を捨てていったのだ
アキレス腱からハムストロングにかけては
やはり加速が強いが尻では一端躊躇する
背中はすべてを覚悟していただろう
椎間板の辺りか胎盤のま ....
自宅出産だったので
離れの二階は落ち着きます
人工構造物にも 体温があるのですね
築三十五年の子宮は
隙間風やらひび割れやら歪みやらで
大地震でもあればひとたまりもないかも知れません
(わ ....
散乱していたの
物体ではなく あたし の
(思考と存在 に 対する雑感
思春期めいた思考は
フォルマリン漬けにしてしまえ!)
意味でない もの でもない
反芻 ....
心臓を 下さい
何処かに置き忘れたのです
シナプスを飛ばして 過去の駅
遺失物預かりの四角い顔は
どうして揺れることがないのでしょう
同情して下さい なんて
云えないのだけれど
....
故郷といる
私は故郷といるのだ
何処へも行かない故郷は
やはり田んぼの匂いがして
葬式と悪い噂話が好き
山は刻々と死に 生まれる
夕方には日暮が鳴いて
21時を過ぎたら車は一台も通らない ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです
地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....