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わたしがまだ幸せの形をしていた頃、恋人と暮らしていた
春の夕暮れの匂いのする水槽の底で、わちゃわちゃと低砂をつつくコリドラスの口許にある二対のヒゲのように仲良く暮らしていた
彼は時おり水面から顔を ....
仮寓の蝸牛には
やり残したことがいっぱいあるのだが
奇遇という気球に乗って
無音の空の旅をしてみたかった
修羅場という修羅場がなくて
絵になる風景も知らずに
雑踏に紛れて遺伝子 ....
気怠い声を
突き刺さる声を
遥かな地平に放ち
失われた故郷からの応答を待つ
懐かしい高曇りの大気の匂いに誘われ
剥き出される異邦の孤独が
両手を広げ帰っていく場所
振り絞るように ....
光の午後は渦巻いて
わたしの心は虚脱して
青い青い大空を
のっそりのそり渡っていく
残りの時間の切迫に
わたしはやがて覚悟決め
断崖を滑落する自分を見る
(人生の椅子は失われ
....
猛烈な冬の寒波に見舞われた
はるか上空の雪雲のなかで
ひっそりと生まれたのは
ちいさなちいさな
六角柱の結晶たち
雪雲の中を風に吹かれて
上昇したり落下したりと
いろんな雪雲 ....
欲望が溢れ出る
果実を丸ごと搾るように
広がる原野、聳える岩峰
足元は見えない
失われた足跡
粉々に散らばる
声の断片
不機嫌な実存が夢見る夕べ
終わりから逆算される日々が
冷え ....
昨夜アフリカの夢をみた
大地に根付き踊る人々
わたしはひとりはじかれて
途方に暮れて大地をさ迷い
この曇天の裏光り
遠く太鼓の音響く
イートインの静寂に
駆け出す子供をぼうと見る
....
テレビはグルメ番組だらけ
それも
長寿番組が多いという
おまけつき
いったい
この現象は何なのか
いやなこと
つらいことだらけの
この世を忘れ
ただひたすらに
食べ ....
警報機が波打つように鳴り響き
降りしきる雨、立ち尽くす人
遠くを追いかけ少年が走っていく
雨に濡れて
焦ることは少しもない、
すべて終わっていくのだから
すべて始ま ....
光り溢れる
午後のうちに
うっとり横たわり
記憶に遊ぶ
(お母様と手を繋ぎ
畑の野菊を見つめていた
ただそれだけの光景が
震えるように懐かしく)
光り溢れる
午後のうちに
....
神様が
気層の底で笑っている
朝未だ早き夢の中
光すきとほる道筋に
遥かな希望が舞っていた
死の断崖が近付いている
残された時間が切迫する
信じることだけ許されて
生きている
....
異郷の地に立って
根こそぎにされ
もう何も残っていない
荒涼としたノスタルジア
魂の奥底から滲み出て
北の国より吹く風になびき
遥かコバルトの海底に沈む
日を追うごとに
紋様はこ ....
ひとの あかるい静寂に
三月の 翳りを払い
透き通る 母の微笑みと
掲げられた 父の腕と
誰一人 見知らなくとも
写し出すものを 瞳の中
いとおしいと
めぐるものたちの ....
こうべをあげて
青い空が広がって
静けさが辺りを包んでいく
昨夜の恐怖と奈落の底と
窮地を脱して迎えた朝に
廻る球体は光りを投げ掛け
今日の救いを差し伸べる
静けさが満ちるこの朝 ....
えー、んー、と、ごめん、誰だっけ?
誰でしょう?
田中?
そう、タナカです
うそ! ちょっと変わりすぎ、まじ、田中!?
ハッハ、マジタナカです。
おれは知らない同窓会に参加する
知らない ....
何回
風や雨に身も心も
晒され削られただろう
何回
壁や木に火花散らし
気絶し殴られただろう
何回
靴や石にギリギリ
踏み潰され続けただろう
無限ではない
数えられない ....
雨が降る
計り知れない空の高みから
ちいさな明かりがともる
いつもの夕べの向かいの家に
憂鬱な時、寄り添う不安
わたしの夜は一層深く
そして物語は続く
団欒の賑わ ....
ハロー、ハロー
青い旗が揺れている
燦々と降り注ぐ光のなか
どてら姿のおじいさんが過ぎ
わたしはイートインでコーヒーを啜る
長閑な午後の一時です
雪の吹雪く北の国
寒風吹き荒ぶ東の国 ....
抜けるような
美しさを保ったまま
時が経過する
微かに
彼女の息遣い
振る舞われる
原色の舞い
忘れさられて
過ぎ越して
上昇する
下降する
もう一つの世界
もう一つの夜
も ....
あおいうなばら
まぐろは、はしる
DHAに
浸したまなこで
世界をみながら
また白痴な顔を晒し
振り返る君の孤独はやるせない
冬の大空に羽ばたいて
青い大気を吸い込んで
静かに呼吸を繰り返す
君の無垢は無限の広がり
いつかの不在を先取りし
果てなくラアラア唄って ....
林檎が声を殺して
泣いている
想像ですが
ずっと信じていたことが
裏切られたのでしょう
聞き飽きた励ましの言葉では
林檎は泣き止みません
境界面に滲み出ている
涙みたいな光 ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った
私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
日々は坦々と過ぎてゆくようにみえても
沢山のトラップの集積なのかもしれない
科学は未だ心を捉えられないまま
運命の神にすべてをゆだねている
誰も閉塞してはいけないと思う
誰をも不幸に ....
葦の川手足のごとく痩せほそり
せせらぎはサラサラ鳴いて冬のなか
月満ちて波打ち際の鳥の痕
雨滴は絶えず穴穿ち
佇む神々の声は木霊して
わたしのひとりが
目覚めるとき
大地を覆う涙は枯れ
帰っていく
帰っていく
たましいのふるさとへ
ひとりにもどり
帰っていく
....
あおいそらの
動かず
足跡を辿る
神々の
こうべ上げ
何処までも続く青
不安を突き抜け、恐怖を突き抜け
見晴るかすかぎりの彼岸の野辺に
硬直した自我、遊ばせて
わたしの孤独は ....
大河ドラマもここ数年
マンネリ化していて
リアルタイムで
毎週みる気がしない
もうこれぞという
面白いものは
出尽くしていて
歳を取るに従い
記憶力の減退と
つきなみ ....
瞬く
無数の星が
渦を巻き降って来る
哀しみ剥き出され
眩む意識を抉られ
永遠の雨、永遠の流星群
たましいは冷え
にくみは凍え
いのちは震え
行き着くところまで
わだ ....
雪が舞っている
街の電飾に輝き
通りの向こうから駆けてくる
子供は身を躍らせ
向かいのコンビニで手を振る
老婆の萎びた顔が切なくて
手のひらに収めた雪を投げ入れる
白い空間 ....
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