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哀しくも
ぼくは詩人ではなかった
虚実を織り交ぜ
誰よりも大切な人を深く傷つけた
詩人ならば歓びを与えられたはずなのに
青々鮮やか
色付くアジサイ
見入る 、
見入られ見入り
弾け飛ぶ 対
自ら進んで
商品消費物へと
技を磨く人、只それだけ?
漆黒に塗り潰された聖書の現
人 ....
悲しいですね
人は誰でも独りで生まれ
独り死んでゆく
後ろ姿を追いかけても届かず
想い人が亡くなっても日々は変わらない
☆
楽しいですね
....
願わくば
五月の空に浮かぶ
羊雲になりたい
ぽかり ふわり
風に吹かれて
☆
強がりな若葉に誘われて
渓谷の流れに身をまかせ
透明な水に ....
雨降りの日に
部屋に篭もり
ひとり積み木を
積んでいく子に
涼やかな風、
すーっと一筋
網戸から
まばたき
二度、三度
見開かれた眼、
積まれゆく積み木
色とりど ....
風のささやきに誘われて
釣り人は初夏の{ルビ渓=たに}に分け入った
モスグリーンのいで立ちの彼は五月の若葉に溶けて
神経質な魚たちの警戒心を得ることはなかった
川面に近づくには音を立ててはいけ ....
意識の
幾次元もの
潜り抜け
やっと正気保ち
正気保ち意識の幾次元へと
「さよなら」の無い次元に逝く前に
「こんにちは」の言い方を
覚えなければならない
....
漂泊の時の彼方
伏せられた栞
緑の草原に風が吹いている
樹木にもたれて読書している
きみは近づいて訊く
「なにを読んでいるの」
雨粒は草地に落ちて雲間には嵐の予感がす ....
初夏の風は柔らかく囁いた
緑の渓谷が呼んでいると
五月の魚たちは強がりだから
下手な仕掛けでは釣れない
明日は三時に起きて行こう
浸っている
ひたひたと浸っている
あなたのなかにわたしひたり
わたしのなかにあなたひたり
あなたのなかにわたしひたり
繰り返し繰り返し
浸っている ひたひた浸っている
....
ぼくは森の中に生まれたような気がする
幼い頃から樹が好きで
朝は何時もの森を彷徨い樹を抱いた
今は木目を見ただけで何の樹だか分かるようになって
お気に入りの厚板を何枚も持ってい ....
初夏の風が渓谷の香りを運んできた
釣を止めて十七年が過ぎていた
改めて道具を確かめたら
釣り具には問題なかった
真夜中に車を走らせ
モスグリーンで統一した身支度をして
さぁ釣るぞ! と ....
青い夏の夕暮れ時、
斜光に降り注ぐ雨
銀の色に細やかに
絶えることなく
青の光の銀の絶えることなき呼応を
届いていない荷物にふと気付き
あれっ?!と想った瞬間、
呼び鈴の鳴る
....
むかし戦争があったなんて
――きっと嘘だ、
円柱型のチョコレートを
小さな花紋のある包み紙を破って、
贈り物だと信じて食べた
チョコを食べると、熱くなって
自分が強くなるのを感じた
....
感情というもの、
その深奥パトス
打ち叩かれる瞬間、
響き光放ち
ヒビキヒカリ
奥まる純白の回廊に移送され
粉砕される感傷私性一切、
捏ねられ抉り唸る力動の
ヒビ ....
人は時が薬になると言うけれど
ぼくには効かない
様々な記憶はあまりに生々しく
傷からは鮮血が滴り落ち
包帯を巻いても血が滲む
二回続きのトラブルで
虹色魚は姿を見せず
仕掛けを作る夕方に
二コリと頬笑む
捕らぬ狸の皮算用
獲得された均衡の内に
今を落ち着き払い 、
波しずか
深まる青み
降る空に
遠き声の響
いつしか木霊し
到来し続けるもの
この世界という魂の相貌
明るさ無限に増す意識の視界に ....
人間
石
空気
水
原子
あらゆる物質は素粒子から出来ている
素粒子は刹那に生生流転を繰り返し
留まることを知らない
星々の寿命は100億年と言われ
人は100年程度
どうせ生きる ....
虹色の魚を追い求め
大雨が止んだ渓谷の本流に出かけた
午前五時半
何時ものポイントを狙い
腰まで浸かる流れに
そっと歩みを踏み出し
突然足元の石が転がった
私は透明な水流に潜り
もがき ....
絶望の頂きに立つ
この人間社会の空に
白雲棚引く朧月夜
光りやはらに届き来て
絶望もなく希望もなく
活き活きこの時生きるのみと
絶えず冷たい雨に打たれ
ふるふると無力に震えながら
ふとひろがりゆく青空に
ひっそりお辞儀してみても
なにひとつヒント与えられず
冷たく叩き付け雨は降り続き
ふるふる震え叱咤し自ら ....
核ミサイルに眼差され
凍り付いた蒼い空の下
、
巨大な内なる何か抱え
眠れる意志叩き起こし
、
空無の向こうを眼差す
今朝四時に家を出て奥多摩に車を走らせた
途中コンビニで珈琲とツナマヨ玉子サンドと
コロッケパンを買い
緑に染まる渓谷を目指した
駐車場で支度をして万全の用意をした
アスファルトの坂道を下ると ....
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
貴女 と 私
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて
(生きる姿勢を変えたのはいつからのこと?)
洋上で過ごす如く
....
1
(朝は、パン♪パン、パ♪パン♪)(昼も、パン♪パン、パ、パン♪)(夜は、うどん♪うどん♪うどん!♪)巨大な一斤の食パンの被り物を頭に被った白いコックコートを着た小太りの男が、「やきたて ....
ゆっくり
渦巻きながら
在るという謎に
誘うヒビキヒカリ
人、知っているのだと
唯、覆われ忘れられて
ヒビキヒカリ言の葉舞う
想起の方途のレッドゾーン
飛び跳ね躍るヒビキヒ ....
プラットフォーム天井から
姿見えずゆっくり繰り返し響く
低くくぐもったイキモノの鳴き声
ふと偶然に聴いた朝、
「ハトってこんな鳴き声だっけ?!」
想わず驚き私は隣に立つ友人に ....
新緑の渓に分け入ると
この姿は透明になってしまい
緑色に染まっていった
宝石の魚はピシャリと跳ねて
日々の雑踏が彼方に消える
ヒリヒリとした感覚に指が震えた
キーボードを彷徨いながら
ポチリと確定キーを押してしまう
もう後戻りはできない
今夜は狙っていた美品の渓流竿を三点落札した
しめて約七万円が飛んでいったけ ....
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