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父の会社に泥棒が入ったというので
夜中に起こされ父の背中におぶさった
東の空に紅くて大きな月が登っている
黒猫が急げ 急げ!とせかしていた
下り坂をどんどん歩いても月は紅いままだった
父の歩 ....
                             
                                    わたしが傷ついたのは斑にみる視線
                ....
冬眠から目覚めたクマが一番にやらなければならないのは歯磨きだ。それから税金を申告に行く。顔を洗い髪の毛に櫛をあて下着を履き替えるともうこんな時間だ。できるだけ先のピンと張った歯ブラシを見つけて蜂蜜 .... はる、
にちようびのそくどで走ってゆく、
ひとときの、
ゆるやかな午睡、
草木は徐々に生いしげってゆく、
山沿いの線路で集約される、
一両の田舎の電車、
ちいさな無人駅のような、
ささ ....
生まれ与えられ育てた愛娘は
意識の視界から消えてゆき

 雪降る三月初めの東京、

流氷の次々押し寄せる如く
時のうねり過ぎゆく速度の異様





細き橋の真っ直ぐ
伸びゆ ....
雪の
結晶が
ほほで
解けて
私は熱を知る
小鬼の
しろい肌に
ひろがる
さやかな
月影
 「あんた、Rさんと二人やったんかっ?さっきまで。」

 それは或る日の午後
 旧館寮母室から日誌を書き終えて
 廊下へ出て来た私の片腕を掴み、たずねる四十代の先輩
 「はい。そうですけど。 ....
黒猫がにやぁとぼくを誘うので
ついて行くと其処は巨大な化学プラントだった
あちこちに蒸気が噴出している
あと五分しか時間がない
ぼくはバルブを閉めにかかった
黄色いヘルメットの男がバルブを開 ....
 「Wさん、新しい靴良く似合いますね!良かったですね。」

 廊下の手摺りを伝い一日のほとんど徘徊なさっているWさん
 たいてい誰かの目に、その姿は見留められていた
 彼女に言葉はなくても
 ....
狂った磁石をバッグに詰めて
スニーカーの紐をキツく締めたなら
寂びれたこの街を出よう
何処に行くかは解らない
あの虹を求めて出かけよう
明日はきっと晴れるから
そこはぼくのParadise ....
耳をとざしたほうがいい
ことばを思わないでいいから
目もひらかず
ただ触れていたい
指で肩で舌で

そのからだの奥を覗きこむような
こまかな息づかい
一度は奪われた草木を甦らせ
半透 ....
この夕刻、

しずかにして斜光射し
木々の茜に染まり

ゆらゆらの揺れ

気の冷涼の蠢き精妙に
包み込まれる心の安らぎ

とおくとほく

すきとほる青の高み
広々響く中有の音 ....
シンプル
にする方が
難しい
けれど
たのしい五行歌




それぞれの
世界があるなあ
かけがえのない
その世界



進むために
立ち止まり
思う
あと ....
 「今朝の朝礼の申し送りで、Kさんがまた、夜中に
  Tさんのベット部屋から出てきたやろ。」
 「この間、Eさんとこ行ってたんと違うの?」
 「掛け持ちしてるんちゃうか?」
 「八十歳やで!… ....
 老人ホームの裏庭の金網フェンスに取り付けられた鉄の門
 その下の開口部をくぐり抜けて道へ出る三毛猫

 「おはよう。朝ご飯もらえたの?」
 「やあ、おはよう。うん、今朝も猫ミルクとキャットフ ....
風の吹く草原で空を飛ぶ練習をしていた
ホップ ステップ ジャンプ
何回も繰り返すと
徐々に身体が浮かんで
やがて風に乗って飛べるようになった
風は涼しく清らかで頬をなでていく
それを餃子屋 ....
はやらないことはやらない琴線の

ことはことばかわからない
じゅげむじゅげむ
なんとかなるさ

にんげんだもの
しらんけど

男雛女雛
ならびて透る緋毛氈
右近左近、たちばなさくら
今 ....
はらはらと降る雪は
積る処がなくて
群青の波に消えてゆく
紡いだ言葉は幾重にも
続いているのに
ヴェランダをはじめて見た時
その美しさが怖かった
風の流れがそこだけちがい
光あたりも微妙にちがう
犬がおなじ犬とは思えないくらく白い

あの、人工芝とはなんだろう
ガレージって一体なん ....
ここ数日で失った総熱量が
まもなくプランの上限に達するという通知は
私の視界のすみずみまで霞ませ
内蔵が熟れた
あけびの実のように黒ぐろと蔵種した

発熱で疼く思考の芯を
地下で砥がれた ....
 前略


昨日曇のち灰神楽
静かな凧あげ日和

腰のお加減如何

本日未明より流謫
星は晶となり積み

手元不如意につき頼む


 草々
 「はい、どうしたんですか?Iさん。」
 私を手招きするIさんの車椅子へ
 膝を折り目線を彼女より低くして寄り添う

 舌が上手く回らないIさんは
 口籠もりながら優しい目をして
 お風呂 ....
感覚残滓打ち捨て
永久なる霊性神性に
向かう更に高き魂の
担う思惟、水晶の如く
透明にして
生み出す熱き感情帯び

延々と艶々と
のびやか伸び広がる
透明な浜辺に
思惟の力動ひたひ ....
赤は皆にとって
ぼくの赤と同じ赤なんだろうか

白は皆にとって
ぼくの白と同じ白なんだろうか

青は皆にとって
ぼくの青と同じ青なんだろうか

黄は皆にとって
ぼくの黄と同じ黄なん ....
春の雪の
降ったそばから
解けてゆく
悲しみ
愛に変わる



にっこりする
魂という
命は
光る風に
戦ぐひとつの影


 ※ 戦ぐ=そよぐ




変わ ....
 冷たい風で日の差す路面のアスファルトに
 一台の車の走行音も乾いている

 道の向こう側に閉まっている施設の大きな鉄の門へ
 毛繕いしながらチラッと目をやる
 サバトラ猫の鈴ちゃん

 ....
 「新館の二階、また部屋替えあるみたいですね。」

 相部屋なので、入居者同士の相性の問題が生じてくる
 「もめてんのよぉ、永田町。」
 「また××さんと△△さんの派閥ですか?」

 旧館 ....
首無し
地蔵の
首無しの部分に
巻いてある
布の朱さ
うぉ~ん うぉ~ん と森が鳴る
樹齢300年のミズナラの大樹を倒すため
ぼくは特大のチェーンソーを抱え
森の奥を彷徨った

腹がへったので
紅鮭、イクラ、昆布のおにぎりと
ロースカツサン ....
田中宏輔さんの自由詩おすすめリスト(5860)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夢十夜_③- レタス自由詩4*24-3-11
水曜日には幕をあげる- アラガイ ...自由詩6*24-3-11
クマの申告- アラガイ ...自由詩5*24-3-11
はる- 本田憲嵩自由詩1024-3-10
五行歌、原野- ひだかた ...自由詩6*24-3-10
※五行歌「私は熱を知る」- こしごえ自由詩3*24-3-10
※五行歌「小鬼の_しろい肌に」- こしごえ自由詩2*24-3-10
鏡像(14)「疑惑」- リリー自由詩4*24-3-10
夢十夜_②- レタス自由詩5*24-3-10
鏡像(13)「脱走」- リリー自由詩5*24-3-9
彼方へ- レタス自由詩4*24-3-9
はるびと- soft_machine自由詩11*24-3-9
この夕刻- ひだかた ...自由詩424-3-9
※五行歌_六首「一輪咲いて実る」- こしごえ自由詩4*24-3-9
鏡像(12)「えええ……。」- リリー自由詩3*24-3-9
鏡像(11)「暗い部屋」- リリー自由詩3*24-3-9
夢十夜_①- レタス自由詩3*24-3-9
- wc自由詩8*24-3-8
五行歌__海に降る雪- レタス自由詩3*24-3-8
墜落- soft_machine自由詩4*24-3-8
解熱- soft_machine自由詩5*24-3-8
無信- soft_machine自由詩6*24-3-8
鏡像(10)「I_さんの記憶」- リリー自由詩4*24-3-8
詩想- ひだかた ...自由詩324-3-8
- レタス自由詩2*24-3-8
※五行歌_五首「始まる春」- こしごえ自由詩4*24-3-8
鏡像(9)「Oさんの記憶」- リリー自由詩5*24-3-8
鏡像(8)「コミュニティ」②- リリー自由詩4*24-3-8
※五行歌「首無し地蔵」- こしごえ自由詩3*24-3-8
森の夢- レタス自由詩5*24-3-7

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