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忘却された物にこそ
花の咲き誇り在り

 見えないもの 、

見えるものを
覆い包み込む。
夕暮れ時に心のやわらぎ
広大な大地ぽつんと独り
取り残され失うもの
もはや何ひとつ無く

 ひたすら自由に 、

美と叡智と力を
思惟と感情と意志を
霊性渦巻く生活へ生かし
太古の ....
雪解け水の
光る


私を流れていく
しっ黒の
空に
遠雷
いのちの
ふるえ
昔言えなかったことが
今は言えるよ

あの頃のぼくは
たくさん求め過ぎて
きみの優しさがわからなかった

世間の噂では
きみは独りで鍵盤を弾いているらしい

あの日は雷雨が激しくて ....
狂った時計を森の奥深く
猫の眼時計店に持って行った
ギィーと扉を開けた

こんにちは… 時計を直して欲しいのですが

店主は黙って文字盤を確かめた

これは狂ってはいないよ
ほら 見 ....
使われないアパートの1階には四畳半を占める仏壇と、
、後は母屋から引っ越してきた古い荷物が置いてある部屋が二つ
普段やり過ごしているベランダのある畳の部屋、
、久しぶりに掃除しようと窓を開け ....
子供たち、走り出て来る
無数無数、黄色い帽子揺れ
アスファルトで駆けっこだ
次から次にわくわくと
 ダンダンダンダン
今に皆太陽へと昇るんだね

ああ命のときめき時の煌めき
巨きな花も ....
血液型のようなイニシャル
同じ時間を笑ったしあわせ

同じ夕日を 眺めた焼却炉の傍で
一番星を ヴィナスを指さして
雨の廊下を渡る時
図書室の扉を開く時
好きな娘に見られながら
私が部 ....
手のひらに載せたガラス瓶の中は不可思議な水で満たされていて
米粒ほどの数匹のさかなが泳ぐ
ここで生まれてここで死んでいく
生殖も食事も排泄も
すべてのことがその水を介して完璧にめぐっていくのだ ....
だめな時もある
こんな日もあるさ
それでも私は
生きていくのだ
この愛と共に
照り返しの熾烈な光線に
プリズムを当てて

と喜ぶ声を捕まえようと
駆け出すが
蜃気楼に溶ける
その先に本当は水溜りがあるのだろうが
鼓膜は破れている

湿度の高い畳の上で唱える
 ....
暗い朝に
経を読み
香を焚き
粥を啜り
写経する

日々の修行を守り
仏に祈る姿が美しい

自ら幽閉した世界が心地よかった

ある日の雑踏に赴き
托鉢に出かけた昼下がり
涼し ....
花よ咲け

満月の夜に

いさぎよく

花びらを降らせよ

旅ゆく人の{ルビ褥=しとね}になれ




                 初出 日本WEB詩人会 2024/0 ....
またお前が溌剌として空間を行き来する季節が来るよ
まだ蜜はまばゆい重みを湛えるまで熟してはいないが
やがてあらゆる明雪を終わらせる風の便りに指を開き
柔らかな触角で時が経てる悦びを弛まなく識るだ ....
無言でいられた
幼児の愉しみを
疑いなく無言でいられた間隔を
春が来るまでに思い出せたとしたら
花だけが立てる声
道ばたに膝をかかえ
前ぶれもなくはじまるあの声を
今も待っていられるのだ ....
此の空漠の地に
影像だけ現れては壊死し続ける、

  絶えず垂直に降り注ぐ霊雨
       、 
人の魂に永劫の眼を刻み込みながら 
濡れ見開かれる時節を待ち続けながら


 ぽっ ....
冴えわたる月の光をうけて
抱かれた夜の夢をさぐる

朝日に照らされたベッドに
あなたの影はすでになく
夢はいにしえの物語となってしまった

あなたはまた何時か来ると信じても
私の胸は不 ....
会話はさ
次第に競技賭博の様相を呈してて
短く
鋭く
チップはみるみる減らされた

BGMの限界は知らない
誘われるがまま去った
色どりの硝子片の街へ告げる
ころりと丸い宵の滴を置き ....
背後から誰かが俺の名前を呼んだ
駅構内の雑踏

立ち止まり
振り返ると

知らない誰かが
知らない誰かと
偶然再会した様子だった

雑踏は人の河

流れを堰き止めた

知ら ....
宙の青さを
みつめていると
静かさが
しみてくる
重いいのちを



お空
ありがと
なんでも聞いてくれて
こころがすっとする
今日も生きているよ



目をつむり ....
詩は一粒の米にもならない

なのにどうして
詩の水田に稲を植えるのか

詩人という
農夫は
農婦は

言葉の水田は

個に閉じ籠もる
彼らに

収穫は与えない

詩は一 ....
南天に座したる青き狼の星よ
我に力を与え給へ

高鳴る心と引き換えに

天を動かす力を
海を裂く力を
大地を砕く力を

愛するものを守らんとする
命の鼓動と引き換えに
我に力を与 ....
紅に染まりゆく君の頬、
暗く黒ずみゆく君の顔、

ああ成長し開花し死滅する

   狭間に走る閃光、

捉え認め識る力動
  
 この女神ノ男根の唸りを!

〉何が私に思惟を与え ....
君がいないと、
もがくような夢ばかり見て
毎夜、悶々としている

きっと 繋がっている

ずっと、そう信じてきた

いつかボクは声になりたい
君の隣で、囁く声に

 永い時が流れ ....
「自分の熱情を貫徹することと、幸せのどちらが大事かな」
と問うて
「幸せ」と即答する君







寂しい を知った私。
恋は太く短く
愛は細く長い

恋は甘酸っぱいかい
愛は重く苦いかい
それを知りたくて
ぼくたちは生きてきた

わかりたくて
わからなくて
ふたり暮らしたね

何時の日かぼくが息 ....
あめんぼ、
みずたまりから、
いなくなってしまった、
ごくありふれていた、
虫、
ごくありふれていた、
あなたの、
「いってらっしゃい」や、
「おかえり」、
という声も、
けっして ....
生の源に
死ノ横たわり
死の源に
生ノ横たわり

 それら貫き蠢く力動ノ在り






南側から
暖ったかい陽射し
北側から
吹きつける冷たい風

 それら均衡の内 ....
                                                │
: 【
                                   │       ....
田中宏輔さんの自由詩おすすめリスト(4810)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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