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車を買うことになってディーラーに行った
担当者は車じゃなくて部屋の間取りを説明し始めた。
3LDKで賃料は15万
我が家は荷物が多いので3LDKでは狭いので
4LDKは無いかと聞いた
担当者 ....
いっぴきの草鞋虫を片ほうだけ履いて、
春が土足で入ってきた、
ながらく寒かった和室の畳の上にも、
いっぴきの草鞋虫が入ってきた、
ワラジムシ、
おまえは、とてもちいさなちいさな、
春の外履 ....
どんなに遠く離れていても
心かよわせた日々は忘れない
きみだけを見ているから
大きな虹が蒼穹を渡り
ぼくを呼んでいる
あの虹の向こうへ行けば
きっときみに逢えるから
ぼくは走る! ....
ピアノの鳴る室に
ふと情事の匂いを嗅いだ
犬や猫の恋ではない
汚れ切った人間の恋でもない
冷たい冬の北大路をよろめきながら
月の無い日をさまよって
この生命
唯美 ....
いろんな顔たち
現れ互いに語り合う
この夕べに
意識の内で
彼ら彼女ら余りに鮮やか
声の聴こえず
口の動き表情の変化
ああ余りに鮮やか浮き立ち
嬉しそうに哀しそうに穏やかに
しばし語 ....
鬼灯が
レースになって
実のぽちょん
熟した
魂
※ 鬼灯=ほおずき
・
真昼の
月の光は
青い宙に
解けている
しっとりと
それから
私の
ほほ笑みを
いのちに
くべている
俺の心象風景は
殺風景
砂漠の地下に
埋まる舟
落日を追いかける
お月様
洪水の空を飛ぶ
ドローン
俺の心象風景は
殺風景
風景は殺戮されてる
誰もいなくなった公園で
夕映えに照らされ
空に浮かぶ
白木蓮
小鳥のように歌っているよ
首の無い男が梨を皮ごと食べていた
「坊… 食べるか?」と袋を差し出した
ぼくは怖くなって逃げだした
八百屋の留吉さんは首を掲げる写真を人に見せる
どうやら首の無い男は留吉さんに用があるようだっ ....
,234、ねえ昔は一歩遅れて裏口からついて行くのが審美眼みたいに重宝されて、今では同時にスタートして、いいや、1、231、231、と先にフライングしても許される時代なんだから、置いていかれること ....
陽が昇り始めたら
おはよう。
月が頬笑んだら
おやすみ。
そんな言葉に優しく抱かれ
※
生きてこそ
苦しみはあり
歓びもある
....
おしまな!
(そうだね、お日様
(今日は良い天気だね
おじゃたまくし!
(ちいさな春の子
(おまえと同じ
(三月生まれかもしれないな
斜めに陽が差し込むと
ぼくたちも斜めになってたね
....
息するイメージの数々、
裸木の枝群れ陰影に消え
死の影の谷をいく光輪、
断崖絶壁の底迄眼前にし見据え
虚無の相貌に恐怖することなく
真夏乾いた庭に舞った狂女の如く、
自ら ....
傷ついた心は、高値の付く宝石
伝えるすべを持つ者たちが
言葉や音、像に添えて
ショーウィンドーに飾る
傷ついた心は、ため込まれた負債
精算できぬ者たちが
なけなしの硬貨と引き換えに
....
南国の島で肌を焼いていた
二十歳くらいの娘がやってきて
島の事を話した
娘はジュゴンが美味しいという
ぼくは気分が悪くなり
話しを止めて清水医院に行った
ジュゴンを食べるという話しを聞いて ....
17時
前後にタイムカードを打刻
仕事から解放される為に
それから
Kurumaで帰宅
定年後の再就職先に8年つとめた
自宅は一戸建て
持ち家
地獄のローン生活 ....
命が染める
花冠の真紅
燃え立つ
森の深みへ
誘う命の灯り
満々と水、
疾駆する車の到着する
真面目くさった顔に
紅潮した君は美しい
快活な笑い ....
無縁塚の苔は
そのままにしておいた
今年も
無縁塚のある林の中で
無縁塚の周りの
草刈りと掃除をした
8月の上旬のことだった
人との縁
物事との縁
氷菓子をすっと頂く
夕方前に ....
ぼくは赤ん坊だった
祖母が洗面器に湯を入れて
石鹸で泡をたてて剃刀で毛を剃られた
母と姉は心配そうに眺めていた
時計の針は午前10時だった
お肉屋さんで祖母と買い物に行った
おじさんは ....
ゴルゴダの丘に晒された御子は
悲母の腕に抱かれ
復活などは無いと知りながら
静かに我が子を抱き締め
ピエタは今も紅い涙を流す
初出 日本WEB詩人会 2024/03 ....
さみしいから
生きてるんじゃなくて
生きてるから
さみしいんだ
笑わないから
無口なんじゃなくて
無口だから
笑えないんだ
死にたくねえから
生きてるんじゃなくて
....
枯れ枝の
相貌
読み取れば
、
古月のゆっくり
凍り付き在り
乾いた夏が来たら
頭を突っ込む
、、、
無数の虫たち蠢きに
、、
頭突っ込む乾いた夏に
蟻塚から無数の蟻溢れ出す
生動し続ける思惟の海原
命にほふ春の目覚め、
乾いた夏に ....
心の
複雑な
私は
シンプルになりたい
水のように
・
五行歌は
かんたんで
むずかしいからこそ
気楽に私は
五行歌を楽しみたい
・
バカ者
イジイジ
クヨ ....
水と夜の境に小舟を浮かべ、
満天の煌めく星々を灯りに艪を漕ぐ
海の風が星からの歌声を運び、
甘く幽かなソプラノが船べりを撫でる
銀河のうねりが船を揺らした
艪の先の海を覗くと、
青く耀 ....
軍人が来るというので
家財を全部庭に出さなければならなかった
皆家の道路に立って両手を挙げて来るのを待った
軍人は書記官を連れて家財を確認し書記官が帳簿に記した
そして父の毛糸の帽子をめくり何 ....
たとえば
不幸のどん底に叩き落とされても
たとえば
幸福の絶頂に
押し上げられても
時間が川となって
躊躇なく押し流してしまうから
人して
生きる事に
意味を探し求める
事 ....
嵐のなか歩き進み
燃える陽の光浴びる
動きの最中に自ら在り、
初めて解ることばかり
運命に導かれ此処まで来た
私は今、運命を促し生きる
生動するイメージの海原に
思 ....
手を
あわせるのは
ここに
こころがあるからだ
これが存在だ
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