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静謐の夜を穿つ
透明な明滅、
哀しみ苦の在る処を示し
沸き立ち 立ち消え 沸き立ち
無常の相、
冷える夜底をひっそり
移動していく影
根なし草 根付く
一握の目的落とし込み
....
無限の残響、無限のザワメキ、無限の打刻
うっすらおおいかがやきひろがり
どこまでも青く澄んだ大河の流れに
今、
巨大に押し出され氷河の雪崩れ落ちる
無機物群れ一気襲い来 ....
コン ト ロール ケーキ ケン スギル アイツは、ロッカー
夕べの森に雨が降る
時の分節を知らぬまま
ひたすらひたすら
雨が降る
濡れゆく樹木の
群れなすざわめき
震え沸き立ち
おどろ淋しく
おどろ哀しく
深い深い闇に抜け
いずれ夜 ....
どこからともなく
黒い帽子、
黒いコートの
陰謀論者がやってくる
はじめ電信柱の影にいたが
子供たちが騒ぐと、
わざとコートの前を開いて
●ン出しをして追いかけて来る
不気味な ....
寒さが冬のにおいを連れてやってきていた
葉はそれぞれに、その存在を主張することもなく
いたずらに冬待ちの時間を費やしていた
そしてそれら樹々や草、虫ですらも
冬が来るということを知っていた ....
まだ硬い、
橙色の果皮をつきやぶって、
少しぬめっている、
その冷ややかさ、
滲み出てくる、橙色の果汁、
ほんの少しだけ粘り気のある、
硬めの橙色の果肉、
に挿し込まれてゆく、しろい歯の ....
つまびらかなあざやかな
その声の残響の終い震え
君の眩い一瞬の微笑み、
なんて美しんだろ
永久なるヒビキ
あなたなぜ意味を求めるの?
僕の言うことに意味無いよ、
ただ喉頭のヒビキ ....
創り壊されゆく
光の断片を繋ぎ合わせ
響の原野に祈った
暗がりから白手が伸び
祈りのカタチすら崩していく
後腐れのないお別れ 転がる骸
何度も、何度でも繰り返し
哀しみ ....
部屋に椅子がある
隣に体育座りをした母がある
雲が青さを通り越して
手をとり椅子に導く、空は久しぶりね
玄関に並んだ靴
妻は夕食を作り、息子はトミカに夢中
1のつぎの靴 ....
あまりにも遅すぎた桜の並木道、
ひるがえる、むすうの落ち葉たち、
まるで、うろこが剥がれ落ちてゆくような、
つよい晩秋の風は、
アスファルトのひび割れた路面を、
女の本心のように露わにさせる ....
親ガチャか
前に国ガチャと
時ガチャに
感謝して
今を生きている
ひゅるるひゅるる
木枯らしひゅるる
ひかりぴかり
雲間に光り
層成すこの世界が
タナビク濃淡灰の色
うねり重なり鳴
とナリ、
いよいよ異様
その内面晒し
....
アスファルト濡れ
十一月の雨降り
行き交う人の
目の濁点、
時の残余は燃やし尽くされ
垂直に雪崩れ落ちる
かの様に一斉、
黄の群れ 落ち葉達
時の未知は燃え立 ....
溜め息の
ふぅとふぅ耐え
病の苦、
夜な夜な冷たし
近づく 冬のヒビキ
肉の魂の静観にて
営み一体化する
瞬間、無名の記述
確か内なる霊性に触れ
ああ と頷くオノレ在り
....
こまやかささやか
色付く雨に
オカサレテ、
すすむ すすむ
掻き分け私の意識の
懐かし精神の官能性
たゆたいふるえふる
揺れて色付く
雨に濡れオカサレ、
....
鮮やかな意識の朝に 秋アキ高々と 空一色に青 鳴り響き
雨を
置き忘れた
夕べ、
裏庭に回り
ぬらり
滑る
陽の光、
黄金に渦巻き
風が吹き、
私を笑う
時に
取り残された
夕べ、
刻み込まれる
宇宙の ....
玄関から
こうべをたれた季節がおじゃましますと
きづかぬうちに背戸から帰り
台所に置かれた熟れた柿をついばむ
鳥たちのカフェテリアが暮れ
初時雨にかじかむ指をとおし
その指で、かじかむ時雨 ....
明ける夜に
べろんと輝く太陽の
眼差しに溶け
死者降る死者降る
光の海に呑まれゆき
泳いで溺れて
すっぽんぽん
剥き身で
宇宙を渡っていく
果てにて言葉失い
失なわれた言葉
べろ ....
投函された手紙のような
つつましい
アメージンググレイスは
手紙それ自身が読まれるまで封をされ
言葉ありき、a、α
胎の中でなくしたまま産まれ
ここが家だと、わかる
教えてくれたもの、人 ....
なびき艶めき
照り輝く
黒髪、
街行く少女の
光溢れる朝、
わたしの意識 限りなく明るみ
少女に街に世界に開かれ浸透し
静かな至福に包み込まれる
この切り取られた宇宙の ....
2枚のスライドガラスに挟まれた薄っぺらな紙は
時間軸ごしにみてみると電話帳より厚いのだろう
あなたは未来のあるべき姿で
今はわからず
無為に動いているようだけど
どのパ ....
意識の無色透明に
打ち寄せる光の波
次々と次第に激し
残響の打ち重なり
立ち上がる無色透明、
しずかさに
うちひろがる
ひかりのざわめき
とおくちかくあわだち
色付きながら次 ....
船場汁っちゅうのは
塩鯖のアラを使い、
その塩気と、
だしだけで食べるもんや
汁の具は鰭と目玉、
鯖の骨やらのアラのほかに
大根の薄切りをつかう
そんだけでもう十分やろ
板張り ....
意味規定を逸脱し溢れ出る
この世界という
ノンセンス無限の深みひろがりリアル、
心の魂の自我の更なるフルサトへ
帰郷せよ と 只
碧天に月、
在ることの異様
認め識る意志
日の翳り
降る雨に
濡れて天を
仰ぐ時
煌々と月、
澄みわたる。
紅葉、
寒さとはうらはらに、
じんせいという、
かじつの暖色が熟成された、やまやまのジャム、
ジャンパーを羽おった、
老夫婦はなかむつまじく、
晩秋のソウゲンにつがう、
二羽のタンチョウ ....
ことばのおどりおよぎ
おくふかくからふとうきあがり
光景を綴るとき、
抽象の思考の肉体の感覚実感の向こう
見えないもの見えるもの同時に響いて居る。
死に人 手を振る
銀の響き蠢きのさなか
あなたは誰?と尋ねると
わたしは誰?と優しいうねり
死に人 光の界で泳いで
金の響きの揺動のさなか
・ーー
微睡みの覚醒を小舟 ....
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