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うつらうつらする
この午後に
鳥は囀ずり
地は照り映え
私の憂鬱と倦怠は
一吹き風に溶けていく
)なんて優しい午後だろう
)遊ぶ子供の声が窓辺から
)うっとりゆっくり流れ込む
) ....
「水の気持ち」
とてもよわい
なんにもできない
雨にザーザーふられ
なんども
なんども
うなだれるしかない
雨があがったら
ころころと珠のような
らくるい
土は
ほほえみ ....
レベル5
滞在時間は30分以内
館内閲覧は禁止
貸出のみ可
図書館員をつかまえ
いつも知識をひけらかす
白髪の男の姿もない
紙の城はいつになく平和というわけだ
薄暗い森のよ ....
硬い言葉より柔らかい言葉を掘りたい
怖い言葉より優しい言葉と握手したい
たった今昨日を片付けてきたところだ
荘厳に鳴り響く十二の鐘が埋葬する
そして何気なく今日となった明日に袖を通す
....
五本の石柱がたっていた
ねっとりとしたモスグリーンの水に浸され
洪水の街を泳ぐ人達
徘徊していた裸の老女は何処へ行ったのだろう?
目覚めて闇が迫って来る
自分という感覚が死んでいく
....
坂道に
水の流れ
大量に
夜の透明
車は行き交い
飛び込んでいく
人、人、人
君はスマホの
中に居て
綺麗な声で
歌っている
聴いたことのない
異国の歌を
夢見心地で
....
張り詰めた糸が
プチんと切れるみたいに
世界が落っこちた
落っこちた世界は
通りがかりの犬に食われてしまった
あぜん
ぼーぜん
ぼんやりしていると
小人がゾロゾロとやって来て
もう一 ....
Ⅰ
過去は戻らない
記憶を終の住まいとする
過去は消えない
静寂と闇に同化して忍び寄る
それはまるで不治の病であるかのように
後悔と苦痛を与え続けるためのかのように
Ⅱ
柳は優しい ....
たおやかな
緑の群れ
揺れて
踊る影は
光の万華鏡
私は静かに傾いて
遠くの森のザワメキを聴く
無音の夜
椅子を引くと
机の下から
白い骨壺の
カタカタと鳴る
「寂しいのか」と尋ねると
鳴る音、一際激しく
なり
無音の夜
ますます深く広がる
と、
足許でカタ ....
とある大型書店にふらっと立ち寄ると
中古レコードのセールが行われていた
…ArethaFranklin…
…ChakaKhan CurtisMayfield…
…Dia ....
こんな寒い夜だから
いつまでもここにいよう
(非常の際は、ここを破って
隣戸へ避難してください)
自分の不本意を私にぶつけて
ここに閉じ込めた母
あの時見た一等星は
今日も ....
肩の力を抜いて
今宵こそ
詩を書くも読むも
よしましょう
本を読むも開くも
よしましょう
ただ
だらりと横になり
体位は側臥位
真っ暗な
スマホの画面をジーっと見つめ
浮かんでは ....
にくたらしい、
そんな奴のことはわすれて
今夜はスキヤキ、作ったるねん
でも、ちょこっと懐がさびしいから
肉なしでスキヤキしたろ
葱は買わんでもよろしいわ
ちょっとお隣さん、
スキヤ ....
市井の凡人でそれが理想です
理想の人生で
たまに挫けますが
時々休んではまた
歩いてみようと思うばかりで
宇多田ヒカルの
僕はくまが大好きで
この詩の結論を
煙草一本だけ吸 ....
このまま地球の温暖化が進む事はあっても
ふたたび氷河期が訪れる事なんてないんだろうか
自然は不可思議の世界
何が起こるか
想像つかない
今朝は憂鬱な雨
いっそ地球をおにぎりにして
....
夢の蝶、舞う
遠去かる
宇宙の縁に触れ 燃えあがり
忽然と消え また現れ
あらゆる現の美をよろめかせ
その軌跡のおぼろな輪郭を
響かせて 響かせて
追い求めた末に手に入れたのは
後悔だけで
似たような形状の夢たちは
いびつに微笑んでいる
見知らぬ道の桜吹雪
励ましのつもりでも
わたしには冷やかしである
咳払い一つで世界が ....
20数年も前になるだろうか。たまたま帰り道に寄った駅ビルの居酒屋で、長い木目調のカウンターに腰掛け、惣菜のつまみをちびちびと頬張りながら熱燗を吞んでいた初老の男性と話したことがある。最初は遠慮 ....
その日持たされた母親の骨壺が熱くてビックリした
斎場から葬儀屋のバスに乗って実家に向かう途中
最前列の席にすわりながらじっとその熱さを我慢しながら
骨壺を両手で持ちながら胸に抱えていた
五 ....
風のにおいがする、花の音がする。逃げてゆく春の背だ。
だれかをこころの底から愛したことがあったかどうか、ふと、八重桜のうすひとひらに触れそうにして胸苦しくなるんです。あなたもです、私もです、お互 ....
「にげる」
なにものからも逃げたものが
なに食わぬ顔でなにもしないでいる
すると
なにものをもにがしたものが現れて
なに食わぬ顔でいるものの所在を
不明瞭にしてしまう
なに食わぬ顔で ....
日がな一日
謎は謎として在り続け
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺動し
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感 ....
まるめろの樹皮は
水を考えている
夜にそれは泳ぎ疲れてしまうので
却って
月暈はあかるいのだ
蜘蛛が垂れてくる
そのとまる処にみずうみの{ルビ膚=はだえ}
甘露酌み交わすゴリラ
....
時間がやって来て通り過ぎていく
その絶え間ない繰り返し
川にたとえられる筈だな
その川の水面に筏浮かべて
放心してた
筏を組んだ木は
川原に打ち上げられて干からびてたもの
水を得 ....
遅れて歩いてくる足音につい気後れがして
わたしは膝をついたまま下向きに歩いて行く
自転には追いつけない針を進める (
) 氷の幕を滑り落ちる 人鳥
乾いた靴の底を ....
連綿と続く人生の
響きの中に目覚めていて
この生の端緒と終点が
螺旋を成し繋がっていくのを
底の底で見つめている
それは焼け野原に咲く真っ赤な薔薇
何処にも行けないと知っていて
静か ....
反転した
薄暗い影の
なかに
取り込まれて
居た
なんだったかな
何処だったかな
うちゅうの窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
受け留められて
ふわりと明るみ目覚めた
午 ....
とちゅう、
夢があった
道端には
夢が咲いていた
そのあまい匂いの中で
女や、
またべつの女と
いくども寄り道をした
険しい道もあった
転がったオートバイと
鮮血を敷いた少年の死体 ....
最近フェイスブックに登録して詩歌のグループに三つ参加した
そこに投稿すると反応がすこぶる良い
フォーラムでは到底味わえない感動がダイレクトに伝わってくる
だったらここへは来ないでって
言わ ....
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