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通り過ぎる船を見ながら、僕は釣り糸を垂れていた。正確に言えば、投げていたのだが。音を立てて船が通る度に、水面には波が立った。そして人は、淡々と辺りをジョギングで走った。夏も過ぎて、走りやすいだろう。こ ....
冷たい風が吹く午後
サイゼリアに行こうか迷っていた
線路を越えて今日は行く
そう いつも思ってはいたけれど
今日はうどんを僕は煮込んだ
外は白い雪が見えた気がした
だけど明日はサイ ....
また海に来た僕は
見ていた 同じ水平線を
ラインのどこか半円形の
木と同じ 垣根の間を
レッドロブスターの黒い看板を通り過ぎて
バスで走った 道を
そして何かを探していた
コーネ ....
雨が音を立てているだけの外を、昨日必死で足を出して走っていた僕の姿を思い出す、誰も知らない夜の用水路の脇で息を切らせていた…。昔原美術館で見たことのある呼吸する男の映っていた映像作品を思い出す。無料で ....
生きていることだけが感覚を埋めていくような気がする音楽のように、今は聞こえていた。そして、電車の過ぎていく光景と、駐車場から姿を消した車の形態のそこに存在していたシルエットを目を凝らすことで、見て ....
僕は無を感じ取る
僕は窓の外を見て 立っていることで
僕は一本のタバコの煙を吐き出そうとしていることで
僕は冬の布団に潜り込むときに
僕は寂しげな音楽を思い浮かべている
僕は生きているのだという、実感もなく。公園の木が懐かしい。年賀状の入っていた子供の頃の家のポストが。僕は、ときどき部屋でCDをかけていたけれど、今年もぼんやりしているうちに終わってしまいそうだった。時 ....
昔僕は相模大野で暮らしていたのである。僕の住んでいた部屋の下には若い米兵が住んでいた。通りには、まだいくつかの夢が、買ったばかりの自転車で街を走ると、見えていた気がする。車に傷をつけただろうと、走 ....
昔 ベトナムを旅行した日に
戦争歴史博物館に僕は入った
様々な思いを感じさせられながら 展示された写真の数々と
そこで使われたのだと言われる兵器を僕は見ていた
僕はその事実を知ることで ....
僕は目を開くことなく
いつかの友達のことを思う
今 何をしているのかと
パソコンの画面の空へと
今日も帰るのだろう
駅から出て
僕はきらびやかな繁華街の
信号機を見つめる ....
この街で僕は生きているのだ。今日も寒いけれど。そして、テレビを、僕は、見ていた。僕は、そして、思い描いていた。遠くの街を。しばらくずっと、この街で、何もしていなかったのだということをお茶を飲みながら思 ....
昔 夜の渋谷で
自転車を 必死で走らせていた時に
誰もいない仕事場へと向かっていた時や
クラブにでかけた時のことを思い出す
暗い 人気のない道の
電灯から電灯へと
僕は見えないもの ....
今日という日に友達のことを
一人で思い出しているのはなぜだろう
長ネギの入った買い物袋を抱えて
また 部屋にまで帰ってきた日の 夕暮れ時に
カーテンを開けて 夜空を見ている
何もして ....
親と両国で会った
そして 帰る電車に乗った 地下鉄で
それは 自分にとって何だったのだろうと考えていた
話していたのは空の色についてだったのかもしれない
一日中 考えていた そんなこ ....
昨日はsと池袋で会った
特にそこで何も考えることもなく
ドン・キホーテの二階で 特に
何も 考えず 人波に飲まれながら
僕は目新しいものもないような気もしたが
この人の熱気に包ま ....
ゴールデンウィークに向かう列車の中
しかし 暗い顔をした人間は 列車の中では
私一人ぐらいだった 特に 予定はなかった 今では
それを考える事自体に私は疲れ果ててしまうほどに
自分に正 ....
窓に映る 不気味な 地下鉄の
男たちの姿を 時々 窓に 見る
だが 立ち止まること無く 彼らも
時代も ここまで流れてきてしまったわけだが
そして 若い女は 素知らぬふりで
....
渋谷での何度目かの面接
しかし 一日の中で
他にどんな変わったことがあったのだろう
気づいたら 思い出していた その 面接
私はこれからこの街でどう生きていくのだろう
しかし そ ....
誰もいなかった休日
陽の光さえ浴びることはなかった 私は
部屋にいた それは なぜだろう
たっぷりとある 時間だけが流れていた
外に干しておいたタオルは乾くこともなく
パセリに芽を出 ....
小さなスターバックスで
海辺のドアを開いてコーヒーを飲んでいると
二人の女性がやってきて
そこで恋愛話をしていた
天気の良い日だった
波を受けた 子どもたちは
天使のよう ....
休日に自転車で走り出す
どこに行くというわけでもなく だけど
景色の向こうへと私を連れていかせようとする
その意識だけが 私の体を走りださせていた
私は友人の結婚式を欠席するかも ....
私は目を閉じている
しかしなぜだろう 雲の下
誰もいない部屋の中で泣かされていた
それを かつて書いた 詩として書こうとして
街は曇りで いつも
外を出歩かなかった私は
足の調子が ....
夕暮れ時の街角で
厚く立ち込めた曇り空を見ていた時
立ち尽くしていた 理由など何も わからないまま
歩き出す 瞬間を思う 立ち尽くしていた私の姿
かつての友人はいつしか 私から去り ....
いつものように散歩道を歩いていた
散歩道の上を どこまでも 一人だったけれど
2つ目の駅を過ぎていく時に傾斜を少し越え
そして 角のコンビニの雑誌に触れ
また 私は行くのだろうと思う そ ....
地下鉄で知らない場所へ
私は向かう スイカを取り出し
今日も 電車に乗って 私は
何をするのか 今日は 覚えていない
この寒い日の道のりを越えて
友達は来るのだろうか 私の中で
そ ....
私は誰だろう
今日も暗い原宿の道を そして
どこかに向かって 歩いて やがて
たどりついた いつしか この部屋に
水曜日にゲスの極み乙女のライブを見た
私は客層の中で浮いていた
そ ....
食堂で
回鍋肉を食べた
冬の夕暮れ それから 自転車をこいで 私は
私の思うどこまで走ってきたのだろう
レンガの 友達のいない講堂の前
広場で 予備校時代の知り合いの横顔を見かけた ....
ぼんやりと公園を歩く
私は暑さの中で
木陰で涼んでいる人を見る
そんな私が今日もいた
今日は来なかった
友達は 疲れているらしかった
というよりも
もう ずいぶん会っていない
私は ....
私は今日川縁を走った
一時間も走ったのは学生の頃以来だったが
走っていると色々なランナーとすれ違う
その体に 色々な人生を抱え
私も走った
短い時間を縫って
対決を見守る少女たちや
....
私はこの長期連休のある日、渋谷で、友達とあるアイドルのライブを見るために待ち合わせた。私たちがそういったライブを見るのは初めてで、少しだけ緊張した。私たちにはあまり金は無く風俗に行くにしてもAKB ....
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