すべてのおすすめ
たとえ詩が書けなくなっても
たしかに生きていくのには
困らない
だけど詩を書きたいと言う思いは
私の切なる欲求
時に心に石ころが詰まっても
叶えたい欲求
たとえば
公園の花 ....
そのふるえる糸にも
ひとつふたつの意味はあった
のかもしれない
時折の風雨に晒され
形を変えてしまった
その幟ももう
争うためのものではないし
御触れの見張りでもない
そよ ....
早く起きて会社へ行く
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
休みの日
早く起きてあの人と逢う
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
と、
思っていたけれど。
....
海の部品が落ちていた
大事な部品を落として
海は今頃
どこで凪いでいるのだろう
行方を捜すにしても
持っている地図は改訂前のものだし
海に関係する友達も
親戚ももういない
海を作っ ....
書けるから
空が青いなとも思うし
木々も育ったなと思う
つるっとした老婆が言っていた
書けなくなったら余生などないのだ
台風がすぎて鳥たちが
遅い食事にとりかか ....
晩ご飯を作って
待っていたのは、かしこい?
部屋の掃除して
待っていたのは、かしこい?
とても綺麗になったよ
鏡の中の私が笑って
いやだからあいつのこと
忘れたいって、かしこ ....
うずうずうず、のみこまれそうになる
うずうずうず、ぐるぐるまわる
ながされる、くるくるまわる、
どこにいく、わからないまま、わからないまま、
ながされる、くるくるまわる、
どこにいく、わ ....
夜に
仔猫が出没しなくなって
2週間?
虫の声が聴こえはじめて
1ヶ月?
新しい時代になって
6ヶ月?
私うまれて
何十年?
秋は、紅葉
秋は、満月
秋は、いろんな欲 ....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
緑陰を行くとき
ざわめきになぶられ
足音すら影に吸い込まれ
山野の骸になり
骨を雨風に晒して
いつのまにか
苔生していく
もう
誰にも
祈られない
石仏の膝もとで
やがて ....
ドライヤーを
胸に当てて溶かす
チョコレートは
ひとかけらの夢だ
木琴みたいに
外れてく板が
魂と逃げて
迷子になると
甘さを忘れて
痛みを知った
目覚めた時には
ど ....
人の息と
息の間で
僕は
息をした
僕の息と
人の息の間で
君は息をした
僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった
生きていれば良いこともあるさ ....
ストランドビーストはオランダの砂浜に居て
風を食べて生きる
自力で歩行する
尾もしなやかに動かす
風が強いと自ら危険を察知して
ハンマーで砂に体を固定するという能力まで持つ
人が乗 ....
夏の角が丸くなっていくのは夕刻です
角砂糖はアルコォルに融けながら
炎に包まれ送り火が星に燃え移ってゆくなかを茄子の牛がゆたりゆたり歩んでいきます
祖父だけは胡瓜の馬に乗り、秋や秋や、と ....
イオンタウンはいつでも涼しい
冷えた野菜の匂い
乾いた人混みの匂い
駐車場には警備員さんが
汗流し車両整理に精を出している
まるで神さまみたい
むかし、ふたりで
買い物してた ....
頭の中のくすり棚に
そなえておく言葉のかずは
足りないと思うくらいでちょうどいい
からっぽの引き出しを開け
ない言葉に黙するとき
僕はひっそりと真新しいひとつに返る
この夏に北アメリカから来たバックパッカーの女と友人が意気投合して数日を共に過ごした。
駅前の英会話教室に通う友人にとっては願ったりの相手だ。
三人でしこたま酒を呑み、そのまま友人宅で寝た日の朝 ....
知り合いに実に可哀想な男がいた。
俺と同様に洋食のコックだった。東京の下町のレストランで見習いから始めて、そこに十年近く働いた。
なんとか一人前の職人になった頃、父親に呼ばれ郷里の町で父親の資 ....
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた
りーん
ちりーん
光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ....
しじみに砂を吐かせた。
僕もそろそろ白状しないといけない。
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる
魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
小窓にも可愛いカーテンをつけよう。
いちいち、そういう事をしよう。
てんじょうから染め物を垂らし ろうそくと鏡が揺れる小屋の もうとっくに知っている怪談に 肩をよせて聞き入った作法が
いとおしい
夜店のカラーひよこに触れた鮮やかな記憶 金魚を入れた袋の向こ ....
願い事は誰にも言わない。
君にも、君の耳の産毛にも。
なつのいちばん平なところへ
わかい鳶がよりそって
切り裂くようにとびたったなら
さんざんひかりに照らされて
得体をなくしたさびしい熱が
誰か誰かと呼んでいる
正直なものが高くと ....
リズラで丸めた煙草の葉
風からさえぎるマッチの火
一口吸ったらため息フッ
背の低い塀で引っ掻いた頬
病院は鉄工所のそばにあるから、道は鉄さびの色に染まっている。あなたはいつも電柱や壁にぶつ ....
隠れ家のような住み処から生まれるものたちの
軽やかなでんぐりがえし
ひんやりとした土間をころがり 野原に消えていくものたち
わたしの貧しさが豊かさにてらされたものではなく 煤けた壁やゴザ ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう
たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
たなばたさまも終わってはやいっかげつ
あまのがわにであったわたしとあなたの
まぼろしのおうせも忘れられる季節です
ぎんがのいりぐちには夢と絶望があって
にかこくごを話せると喜んでくれたけど
....
月に光る草を見つけた
君の持ってきたビニールシートが
魔法のように浮き上がっていた
口では言わない言葉の
墓場のような気がしていた
お互い様かもしれないが ....
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