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濡れた暗闇を放射する
硬くて厚い椿の葉群
静かな時間になって
森の奥へと僕を誘う

ポトリポトリ
夜の壁から剥がれる様に
甘い紅白の花が落ちる
落ち続けて
踏まれ続けた花は
乱れる ....
目は開くが光が差さない
肩は動くが負うべき荷がない
節くれ立つ指はしなるが絡めるべき手がない

そのように漠々と日々は吹き過ぎ
引きずった片足は轍を伸ばす
山頂を目指す人々は皆
片足 ....
見晴らしの良い青い野原に
中身をなくした弁当箱が転がり
子供たちは それぞれに
昆虫採集を続けている
カマキリが
キリギリスが
モンシロチョウが
それぞれのやり方で息をし ....
 虹の空を歩いて跳ねた
 
 遠くでは
 雨粒が水たまりに幾度となく指紋をつけている
 
 灰色の朝、続くまどろみ、
 曇天の間を隠れ現れ 隠れ現れして
 
 時は止ま ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに

夜が
 ....
(心配、しないで)


手を絡める
舌が這う
異質が触覚を支配する
追いかける
余韻
雨の匂いがするんだ
朝から
曇っていて
ずっと


帰りのバスの道途中に
空き地に放 ....
冬の肌は
こわれもの

夕餉の火を落とし
手にたっぷりと
クリームを塗る
ひび割れから
そっとしみこむように

日常というものは
重力がある限り
何処に行ったとしても
そう変わ ....
さびた車輪が 降り積もった時間を振り払い 
重くきしむ

巨大な動輪が レールの上をわずかに揺れて 
危険な過去の岩石たちを粉々に砕く

車軸に浴びせられる 熱いオイルの飛沫が 
すでに ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
           猫だけを置いて
           家人が出かけてしまうと
           猫は人になると飼い主は言う

電話が鳴る
猫は眠っている

電話が鳴っている
 ....
父は厳格な農夫だった。私は子供のころから農作業を手伝っていたが、効率の悪いやり方や、やる気のない態度、失敗に対して、父から厳しい叱責を受けた。収穫された桃を運搬する際にあやまって桃を落としてし .... 会社を辞めることとなりました
ご迷惑をおかけし申し訳ありません

うなだれる青年は小さい声ではっきり言った

心の病

自殺未遂

離婚

子供との別れ

この半年間どんなこ ....
何か自分に
とても
くだらなく、
そして
やさしいことを
してあげたくて
3歳児が寝静まってから
缶ビールとスナック菓子を用意した
酒は苦手で飲めない
けれど
時給ベースの仕事で
 ....
仕事場のドアを開けると
早く来て掃除をしている筈の君がいない
代わりに卵がひとつ床に転がっていた


とうとう君は卵になってしまったのか
私には何も言ってくれなかった
淡いピンク色を ....
ハッキリと分かれた
新緑の出来 不出来が
皮肉にも映えている

豊かだらけの様は
皆 退屈に見えて
つまらないと
頬杖つくけど

清らかも濁りも
この平面では普通で
なんのたわい ....
せんぷうきが ゆっくり 室内を見回し
ざわざわ うなじを撫でる。
そとはかんかん照りで
けさ干した毛布がベランダで揺れる。

さっきから
赤い目をしたコバエが、しつこく小指にとまるので
 ....
  きみは自分が誰かしっているのか
  湯で卵のはいったカレーパンを口にほおばり
  買ったばかりの黒い手帳に夢中になっているとき
  見境のない冬の風が 昨日のきみといまのきみを重ね合 ....
今日一日
一人 何をした
思いあぐねてばかり
外に出ないと
誰にも会わないから 手は
指としてだけ機能する
指先でスマホをいじり
文字の言葉を交わし
電車のシートで目を閉じた
残 ....
すみれの香りがするね

ルビー色のワインを飲みながら

つぶやいたあなたの唇が

柿渋のように舌にからみつく夜

新月が笑い

大潮が笑い

あなたの赤い月が、ひとり

イ ....
箸が並んでいます
きれいに連なって並んでいます
じいっと
待っているのです

箸が並んでいます
もう
ここには帰ってこないのです
おんなが笑っている
高笑いでもなく微笑みでもなく
氷雨に打たれ空を見上げ
おんなが笑っている

おんなの頬を伝うのは
雨粒だろうか涙だろうか
痩せたおんなだった
背の高いおんなだっ ....
定年退職したから 専門知識を生かせという
世界中の研究者たちと協力して
大所高所からものを言い
人類の平和と繁栄に尽くせという
わるい誘いではないけれど

しかしなあ どうして退職してから ....
陽のあたる書棚 憩う一羽の本

タランチュラのような手が二つ

美しい表紙を捕まえると

隙間なく閉じられた頁に太い指が滑り

弛緩した貝 白いはらわたよ

青く刺青された文字は星 ....
外光が入らないため暗く、吊るされたばかりの洗濯物の
せいで湿気った階段の、狭い踏面に落とした拳骨程のあ
んぱんを拾い上げて無理やり口に押し込む。一回も掃除
しない、薄く埃が積もる階段は不服そうに ....
暮れのこがねの海岸に
こがねに染まった猿がいて
石穴に石を通そうとしている


街中にはりめぐらされた
ロープウェイの鉄線を
無人のトロッコが走りつづける


 ....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
あそこの靴屋は
きれいなかたちのかなしみを売っている

こどもに蹴られて傷んでいた
ひろいあげて
ショーウィンドウにふたつ
つみかさねた
朱欒の実

黄昏どきは
半透明の落葉とおん ....
            131029



破綻を恐れず
どんどこ行こう
ぽかんと開いたクレーター
ビスケットのカケラ
利口なトマトに
間抜けな空が
冬が近いと
笑ってる
にこ ....
まだ 秋に吠えているの?
もう 母になるのだから 色白に染めた肌を粉雪の背景に凭れ

ゆっくり歩んで生きなさい

胸の張りが急速に母になってゆく まだサクランボ坊主なのに
体がのそのそしか ....
自分のことを


とことんまで嫌いになりましょうとおっしゃる



ナルシストの私にはむずかしい道だ




どこまでも 嫌いになれないのは この顔


味が ありす ....
山人さんの自由詩おすすめリスト(5271)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
散歩- 和田カマ ...自由詩7*14-2-3
同伴者- 由木名緒 ...自由詩11*14-2-1
小さな生き物- 自由詩3*14-1-30
指が動く- ヨルノテ ...自由詩4*14-1-22
夕闇- そらの珊 ...自由詩2514-1-16
雨糸- 凛々椿自由詩714-1-8
こわれもの- そらの珊 ...自由詩2213-12-24
錆びた車輪- いねむり ...自由詩513-12-23
散歩の途中で__take2- 空丸ゆら ...自由詩2013-12-23
猫と電話- イナエ自由詩20*13-12-21
老い- 葉leaf自由詩713-12-17
がんばれ- ichirou自由詩11*13-12-16
くだらなく、やさしいこと- うめバア自由詩2513-12-9
普通の空- 壮佑自由詩36*13-12-6
濃淡- subaru★自由詩8*13-12-2
桃。- 凍湖(と ...自由詩213-11-28
きみはしっているのか- 草野春心自由詩513-11-27
バンプオブチキンの街並み- 番田 自由詩213-11-23
Barolo- 草野大悟 ...自由詩2*13-11-22
- 乱太郎自由詩2213-11-18
おんなが笑っている- HAL自由詩7*13-11-13
世拗ね人- イナエ自由詩11*13-11-13
朝の読書- ただのみ ...自由詩21*13-11-12
「残考」- 宇野康平自由詩113-11-12
ノート(かたむき)- 木立 悟自由詩813-11-4
葡萄酒- そらの珊 ...自由詩20*13-11-1
累卵- 神山自由詩713-10-30
どんどこ- あおば自由詩16*13-10-29
急速に母になってゆく- 朝焼彩茜 ...自由詩18*13-10-28
ナルシスト- 八男(は ...自由詩513-10-28

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