すべてのおすすめ
地上で使った資料の多くを海の藻屑にする
書斎は浅い海の底
侵食された岩の本棚に
小さな貝が貼りつく
整理された書斎には
イソギンチャクや
蛸や珊瑚が棲みつく
海面 ....
夢に過ぎない明日の中へ
ひかりの者として、入りなさい
世の道に、躓く石のある時は
低い目線で地にしゃがみ
丸い掌でなでなさい
やがて吹く不思議な風は
人々の暗い心を吹き ....
赤いメトロノームが死んで
青い空に溶けた
灯がともり
薄明かりの朝は目覚めた
地中深くからの冷えた手
固い岩盤の協奏曲
大地は緑に染まり
花は変わらずにまた咲いた
寒さに凍 ....
きのう、電話で、
彼女とけんかした
ぼくがなににいらついているのか
彼女にはまったくわからなかった
クリスマスに
彼女がなにもいらないと言うから
買ってあげた長靴のなかの
ビスケ ....
蛇水愛
それは
愛の けはいに 水をさすこと
プリーズ
という声が聞えた気がして
ヘルプ
だったかもしれない
ありがとうを
ありがとうの意味のままに ありが ....
半身麻痺のお婆さんの
両手を引いて後ろ向きで歩く
介護青年だった、10年前の僕
いつも面会中にさりげなくにこやかに
見守っていた初老の娘さんと
古都鎌倉の喫茶「扉」で
偶然顔 ....
うたは
くちびるからうまれる
のではなく
こぼれるだけ
うたは
じぶんが
出でるべきくちびるを
じぶんでえらんでいる
うたをうたっていると
思い込んでいるひとの
なんと ....
ことばなんて
ちっぽけだ
かさねても
いいわけにしか
ならない
いまならいえる
ことばがないから
だきしめたい
からだがないから
こんなニュースがあるよ
小さい銀河を食べる銀河
http://dailynews.yahoo.co.jp/m/science/astronomy/?1329135697
人間だっ ....
真夜中
あなたは赤い花弁に
最後の口づけを済ませ
ぼくの背中に取り付けられた
古い扉を抜けてゆく
そこから先が
本物の冬
煙草を吸 ....
子供の頃
ぼくは信じていた
何処か遠いところに
黒い湖があって
そこには首長竜が棲んでいる
(お父さん
黒い湖はどこにあるの?)
ぼくが尋ねても
お父さんは何も答えずに
....
新しいマンションに引っ越すため、
なにしろ、
家具はぜんぶ揃えなければならないのだから、
ひとつひとつ、
嫁と探しに行くのだけれど、
ぼくは内心では、
夢もあるのだ。
ひとつの部屋は書斎 ....
不幸の似合う女優さんって
近頃みかけないよね
それだけおんなが幸せになった訳ではなさそうだけど
ひたすら運命と向き合う生き方って
求められていないのかな
※
冬の日差し ....
本当のことを言えば
怠け者のくせして
食事のためには命をかけるが
やらなければならないことを何一つしない。
昼食がすわ一大事と
ランチタイムの作戦を
日がな一日考えて
値段と量と ....
何も知らなかった
(そう叫ぶべきだった)
冷えた夜の欠片をかじりながら
一度切り裂いた真昼の夢を拾い集める
オブジェにならない粘土
翼の破れた折り鶴
なにもかもが中途半端
....
今夜こうして詩を書くけれど
世界中にある様々な不条理や
悲しみや痛みを知らない訳ではない
この国を覆う様々な矛盾も
今こうしている時にどれだけ多くの人が
不安に慄いているかも
ただ今夜 ....
月はなに想う?
丸くなったりとがったり
それでも君を嫌う人はない
星はなに想う?
気まぐれに雲に隠れて
それでも願いをたくされる
空はなに想う?
いつもみつめられて重かろう
....
長い時間働けば働くほど
お金が入ってくるような時代は
日本ではもうあらかた終わってしまったのだ
さて
これからはなにに長い時間をかけるとしようか
旅客機のひかりが遠く ....
休んでる間に担当を変えられた
と嘆く彼女
突然だね というと
前から決まっていたらしい 一言もなく
休んでいるうちに外されたんだと激昂
おもしろくない と朝から大荒れ
だよね 嫌だねと ....
雪として残されるのは
なぜなんでしょう
花のように咲いて
ひとひらの暖かさだけにも
こぼれるしめりは
かすれていくだけなのに
白く つぶら なる
雪の香り
暗いそらのした
森の樹皮質のぬくもりが、
重さをました広大な冬の夜をささえている
不思議な安寧をやくそくされ
みちびかれるように 生きる
神々しく 雪をいただいた山のうちふところで
....
不埒な恋もそのままに
激しく呼吸を乱してる
私の左のくすり指には
約束が強く巻き付いて
それがきつく縛り付け
指先から腐り初めてる
純粋を誓ったのも今昔
最終章が扉を開くので
....
虎穴に入らずんば虎児を得ず
君子危うきに近寄らず
どちらが本当なのかが問題なのではない
君子は虎穴には入らないのだ
虎児を得ようとはしないのだ
これは君子の消極性によるも ....
あなたの選ぶ人がなぜ私じゃないんだろう。
あなたに出逢うと分かっていれば
私誰も愛したりしない。
誰とも抱き合ったりなんてしない。
息をする事さえ忘れてしまいそう。
私が選ばれな ....
車庫へ還らぬバスは
停留所にも停まらない
ただ辻々で
わずかな客を乗せて行く
代金は要らない
誰もが代償を払っているから
今日は五人だけ乗っている
眼鏡を失くした男と
手紙を置いて ....
どこか静かなところへ行きたくて
あなたは本を開く
ぼくはすでに
本当に苦しい時にしか飲んではいけない薬を使い果たしていた
時は残酷ではなく むしろ紳士的な優しさで
少しずつあなたを 分解 ....
美しい模様が核を遠ざけて貪る無駄、憐憫を描く隙間に安らかな寝息が空を裂く、不明確な時間間隔の夢が笑うビルの中で、手のひらがあった、温かい
1000人が死んでもニュースにならない国があって、あなたはそ ....
月曜日
私は歩けるようになった
姿勢が良いかどうかは
分からない
火曜日
私は走れるようになった
速いかどうかは
分からない
水曜日
私はジャンプできるよ ....
自らの意思に反して
もう一人の私が
何処か遠くへ歩いてゆき
おーい、と呼んでも聞こえない
永遠に列車の来ない
線路の上を歩いていたら
地に伸びる私の影が、口を開き
耳傾 ....
蜘蛛の糸で宙吊りにされた意識が
朦朧として微風に揺れる
埃だらけの部屋の片隅に
宙吊りにされた自意識
窓枠は皹割れ
硝子に結露は無いが曇つてゐる
窓から差し込む悲劇は
眼球からの映像とし ....
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