すべてのおすすめ
降り積もる今日
雨だって重なるのです
水面に映す
顔は/私の
薄くなってゆく
だれかの想いを
雨は吸収しているから
伝えようとするのです
こんな私にも
とんとん窓を叩く
....
くらやみに ふ っと横切りマス
それはスルメを食べ過ぎて下痢をした
静かな週末の夜です
浮遊の ふ かと思いましたが
音符の賑やかな 譜 であるのかもし ....
ふゆの風の厳しいです
こどもの消える雪の綿迷路
海の生き物の死骸大きなが
砂に打ち上げられて
月の笛の音を一晩中 開いた口で
聞き惚 ....
るん
光が
さえずってる
北風に耐える
常緑樹の
尖った指先の上で
るん
光が
うわずってる
北風を壊す
自転車の
忙しないスポークの間で
るん
....
止んだといっても
山の上では吹雪が未練げにとぐろを巻いて
こちらを窺っている
お{ルビ日=ひい}はぼんやり鬱ぎ顔で
普段はけしておがませぬ白い体を曝したまんま
いいや
この地ではお ....
ここには海がないのです
人をあざける海鳥たちの鳴き声のかわりに
杉森をこごえさす雪の白さが
躊躇いもせずに町をみたしている
知らないもの同士が連れ添うような
紅茶のカップを二つ温めながら ....
電気をつけなくても明るい部屋に
慰められても暗い私がいる
朝の庭に
知らない鳥とカラスがいる
春の鳥じゃないカラスは
なじみのない春の鳥と
並ばず探し物をしている
こんにちは と ....
会社の昼休みに手短に食事を済ませ
近所のコンビニで立ち読みをする
フリータイムは必ず外に出る
バスに乗って少し離れた街に出かける
発達した交通機関と安全な空間
携帯をみたり窓の外に思いを ....
霧の音を
水の音が割り
沈む虹を追う
流れない冬ばかりを
追う
ゆうるりとうすいまばたきが
冬の窓をすぎてゆく
内と外は
眠りながら見つめあう
火 ....
出かけようとして出かけられなかった朝に
ひとりの女性の顛末を知る
喩えようのない過去の行状
足跡の是非はともかくとして
不治の病に長らく臥していたとのこと
病棟の小窓に映す時代の移ろ ....
たまにお父さんの悪口言うと
お父さんはいつも決まって冗談で
「生意気なこと言いやがって。お前は俺の精子だったんだぞ」
って言ってくる
それを言われると「オエ〜」ってなって何も言 ....
おかあさんはルンペン
おとうさんもルンペン
でもぼくら生きてるで
白いごはん食べてるで
なんとかお金稼いでるで
すごいやろ
日本やからやで
今日生きてるのが当たり前が当たり前 ....
テレビ放送を後にして
二階の部屋から そっと屋根に上がる
両手を組み合わせて
ベントラー ベントラー と祈る
星空の彼方から
ユーホーが くるはずだった
それは極秘情報であり きたとし ....
いつもそこにいる
あたしのこころとおんなじだ
あたしのこころはいつも
あたしのそばにいてくれている
東郷公園よこの坂道
そこをすっとくだってしまうのは
いつも惜 ....
道路を丸めて食べる
どうしたら草の音みたいに
生きることができるのだろう
曲った色鉛筆
間違えないように覚えた言葉
値札の無い指の軌跡
並べることばかり
いつの間にか上 ....
虐待は白血球のようにアザやかにみちていた
青白いわたしの細すぎる指にきろくする
愛とか欲とか血管とか
月をみつめすぎて焦げた両目のおくは、宇宙が夢中に現実をみている
――アザやかな、青 ....
農業をする蟻ハキリアリをみていた
福山雅治が
素っ頓狂な声をあげた
列をなして葉っぱを運んでいる
きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる
蟻の道が ....
北東の隅にある茶色いシミは
無鉄砲で幼いエネルギーが
やるせなくせり上げた僕の山脈
山肌に滲んだ汗と涙は
入り組んだ等高線に弄ばれながら
諦めに良く似た水色の帯となり
....
部屋ごねん
ごねん
まるごねんの日は金曜日
ろくねんめの朝
立春のつぎの日
ありがとう
窓辺のみどりたち
ふくらむ鳥たち
空と木々のあわい
月光や ....
飾り付けのない
これは俺自身の塊だ
俺が俺に偽っていないかぎり
骨の
喉に
落魄する
水滴の味を
舌は、しらない
喘いで、ひねり
捩れて は
求めて ....
(組み換え)端子を間違えると
メッセージが錯綜する
断線や失望がスパークして
耳や目をふさごうと跳びかかってくる
一文字で
天文理論を
一撃で
社交界の均衡を
一発で
....
川の水がなくなっていた
また上流のダムがせきとめられているのだろう
その上流には私のいた村がある
村人にはダムに注ぎ込まれる川の水が
どこでとめられていても関心はない
ダムの真下には友人 ....
日常の八割は魔に刺されて足掻いているから
誰に殺されても文句は言えない なんて
みな息をするのに必死ですが
ばたついた手足は誰を殴ったか
答えよ
リンゴが木から落ちるのを見て引力に気付い ....
私の胸に
一つの小さい門があり
見上げた天井を透きとほって
下りて来る階段とつながっている
何処からか
さりげないピアノの単音が響けば
昔の誰かの足音が
この胸の門に入 ....
退職した職員とこじれ
くたびれた顔をしていた呑気な社長が
一人残って書類の仕事をする僕のもとへ
ふらりと、やって来た
お客様の心無い罵声を浴びて
机に顔を伏せていたまじめな先輩 ....
女のからだはうつくしかった
うすあかりに溶けだしたのは?
クリムトよ、あれはいったい?
女はおとこにつらぬかれていた
あえかな声やうすく閉じため
くみ敷かれたまま俯瞰 ....
トイレから出ると
首の長い女性が
宙に浮かんでいた
待ちきれなくて
こうなったのか
トントンって
ノックしてくれたら
途中で出てあげたよ
可哀想に僕のせいだ
フローリングに
....
みんなの詩ポツリポツリと
読み始めたよ
詩って輝くものだと思った
みんなの詩を読むことが
もっと楽しくなるだろうなと思ったよ
これからも読ませてくださいね
でもね まだね
勇気が足り ....
雪が融けてあらわれた
白菜たちのポニーテール
やっぱり白いんだね
薄くなった景色の中に
にぎやかに並んでる
真ん中 大輪のように開いた
白菜/紐ほどけて
神々しいという言葉が似合 ....
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