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赤い少女よ
君はいまでも
雲ひとつない
空を見ているの
赤い少女よ
いつになったら
君はそこから
駈け出して行くの
君の赤い靴は
雨も知らずに
綺麗な ....
たいらかな午後に
芽吹くひとつの種
照りつける日差しの中
渇いた土から首をもたげる
開きたての二葉は
まだしっとりと濡れている
いつぞやの種が
気がつけばすくすくと育ち
次の種を生 ....
ホッと笑う 暇もなく
次の花がやってきて
ここはどうか? と問いかける
いいんじゃない? と応えながら
透明感を出すために花弁をすこし削りましょう
蛇口をひねると
シャワーから
大切な恋人が出てきた
大切だから
名前をつけた
お互いの名を呼びながら
シャンプーとリンスの前で
永遠の愛を誓った
そして二人で
排水溝に流 ....
青い目をしていた
背の低い女の子
水着は ビニールよりも薄かった
カニに 破られそうなほど
とても眠い
さっきの抱擁の続きを
潮の香りに 包まれながら
砂地に 埋もれ ....
「猫」
猫はきまぐれ
猫はきっと明日を知らない
猫はきっと自分を知らない
だからきっと
自分を知ってほしいと
そう思っている
猫 匂いもない
....
鏡
日替わりの絵画
ハガキ
ハガキなのだけれど
絵ハガキにはなれなかった
悲しい
ハガキなのだけれど
机の中でうずくまっている
寂しい
誰か ....
きらきらと光る波は
夜の一筋の影
風の音と共に
凍りつきました
子供たちがグラウンドで見つける
プラスチック瓶の破片でも
色つきガラスでもない
夜
サラ ....
かたく包まれたものを見ている
濡らすたびにかたくなり
ほぐしたくてもほぐせないほど
ぴたりとはりつき 包んでいる
水の音がする
さかさまの
水の音がする
もと ....
ア
ワ
ブ
ク
ぷわりぽわり
ワキンの溜め息
見た目はすくいたがりの彼氏
見た目はすくわれぶりっこの彼女
ついでにすくわれた私
本 ....
アメリカ大陸を横断したいと言っていた
いまは富士の湖畔で眠っている 。
北西沿岸に辿りついたのは夢のなか
小さなトーテムポールを捧げよう 。
ピカピカに磨いたローズウッドのハンドルを握 ....
一人でうつむくことはやめにした、
私は駅前で缶コーヒーを買った。
憂鬱は過ぎ去ったものだと信じている。
それは、遠い街角
一人で手に入れたもの、
知らない女の子の手の類、
知っている女 ....
そして僕らは花になる
かぜをこじらせた
こけそうな道
鼻緒もきれそうな
しゃっくりの道
そして僕らは花になる
ぐるぐると
小さな羽虫が
無意志に飛んで
清楚な花びらも地に落ち ....
映画館の暗闇で
泣いているふりをした
指の先の白さとはうらはらに
スプーンの
曲がり角へ45度
ひしゃげたことばよ、
....
祖先の祟りが身体の中で眠っている。彼らを眠らせるために薬を飲み、その副作用で唾液を口に溜め込みながら、草原のなかに立たされている。草原はホテルの隙間に現れる、古い虚構の中に置かれた、アメリカの地雷 ....
河原の
やさしい石
触ったら
さらさら
河原の
ちいさい石
拾ったら
すべすべ
河原の
しろい石
包んだら
すやすや
河原の
まんまるい石
ぶつけたら
からわ ....
16時から仕事のきみには
10時半は夜中の3時
まばらな髭と
からまるシーツ
ぜんぜん正しくない場所で
持たない同士で
持ち寄らず
なんにも奪わず
抱き合った
夜がくるの ....
今日が終わる前に
きっと逃がしてあげる
飼い殺した卵も
腐った根っこも
もう気にしなくていいんだよ
わたしが逃がしてあげるから
見えない遠くまで走って行ってね
いつも
....
へやのそうじをすると
どうしても過去と決別しなければ
綺麗にはならない
空白を求めて
すきまとすきまのすきまを
すいすいと箒をおどらせ
過去の塵をはいていく
ほこりはずばり過去そのもので ....
20離れていると
いろいろと
あれで
ヘイ、ポコチン
あんまり悪く考えないで
皮かむりなんてことは
気にしないでいいからさ
もっと良くなろうよ
彼女が君を受け入れてくれることを想像してごらん
ほら、どんどん良くなっていくだろう ....
空地で少年たちが野球をしていた
打球は大きな弧を描き
空のどこかへと消えて
二度と戻ってくることはなかった
家に帰るとリビングの隅に
ボールが転がっていた
返さなければ、と思い ....
110620
どんなに素晴らしい内容でも、端から理解できないことをしゃべり続けられては堪りません。また、時間がないときに丁寧に詳しく話されても困 ....
花束がゆっくりと腐っていく夜に
物事はギターの陰で息を潜めている
ささやかな草原を抜けて出会う泉に
少女は捨てることの悦びをしる
蝶々は旋回する
森は徐々に深くなり
積み上 ....
ことと
置いた所から
緑の深い村の
ひび割れた
土瀝青が広がる
夏のまひるは
黒く歪んで
両の手におさめ
土の道を
寂しくあるく
芒の夕闇
底溜まりに見て
目を細くした ....
人々が己を捨て去る夜に
僕は一人で酒を飲んでいる
誰もいない夜更けに
風が話しかけていった・・・
もう野良猫にも相手をされず
僕の孤独は極まってしまった
職場の皆からは嫌われて
....
差していたビニール傘には
雨が滴となって付いていて
細く包めるときに
水となって手に拡がり付いた。
とりあえずズボンの生地で拭ったら
沁み跡として残った。
湿気を帯びた空気の中
黒髪で太 ....
猫はまことに、遊び上手である。
部屋の隅に落ちていた、萎んだ風船さえも
小突いて、追って、じゃれている
僕も日常の些細なものを見つけて、遊びたい。
布団に入った妻が
すやすやと夢を見る頃
すでに世を去った
妻の母さんの面影は
安月給の{ルビ婿=むこ}を祝福しに
何処か遠い国からやって来る
机上の花瓶に咲く
あふ ....
右手の人差し指が
鍵になってしまった
どこの鍵だろう、と
合いそうな鍵穴を探すけれど
鍵の要らない穴しか見つからない
ふと鏡をみると
自分のおでこのあたりに
それらしき穴があ ....
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