その日、奇跡的に彼女は24時半すぎに帰ってきた。運良く仕事が23時すぎに終わったということだ。チーズときゅうりを食べると彼女はソファーに倒れ込んで眠った。次の日彼女は15時すぎに目を覚まして、寝転んだ .... 光と水はあらゆるものによく溶け合います。
美しいものには特によく溶け合います。
よく溶け合って美しいものを半ばちょっと別の美しいものへと見事に変容させます。
たとえば夏のプールからあがって来たば ....
みんな飛んでいる。赤黄緑紫、原色の鳥たち。ペイントで塗りつぶしたような青空に羽ばたく。僕は隣で落ちる。空の青が僕を通過する。痛い。痛い。雲をつきぬけたい。白く濡れたい。星が僕を欲しがっている! 手をの .... 西日に煤けた金の部屋で
畳についた猫の爪痕から
陽笑がたちのぼっている


外は街の喧騒
背中に疲れを背負った人たちが
道を急ぐ
さらりと風がやんで
1人の男の人が
夏の日の汗を拭 ....
学校の帰りに、駅のホームで電車が来るのを待っていると、女子学生が二人、しゃべりながら階段を下りてきた。ぼくが腰かけてたベンチに、一つ空けて並んで坐った。「こんど、太宰治が立命に講演しに来るねんて」「そ .... 君が見下されたら
そこで既に君と奴に差がついている
勿論君が上だ

奴が下を見て
君の水面に反射した姿だとは
気付かずに
指差して笑っている

そんな奴に君は何も負けてはいない
この星の全域が、
スラムと
清潔な街とに
分断され、
難民と
エリートに別れても
まだ君は
未来を信じるのか

正義が強制され、
否定する者が眠らされても、
まだ君は
未来を信 ....
二年くらい前、ある詩人に、萩原朔太郎は好きですか、と尋ねられた。嫌な質問だった。というのも、この手の質問では、たいていの場合、好きか、嫌いか、といった二者択一的な返答が期待されており、それが、詩人の好 .... 小学校四年生のときに読んだ『フランダースの犬』が、すべてのはじまりだという。実際、彼の作品は、神を主題としたものが多い。二十代までの彼の見解は、サドが『閨房哲学』の中で語ったものと同じものであった。「 .... 私は迫害された民
「魔女だ」「魔女だ」と石を投げられ
孤独に彷徨う

誰もいない
誰もいやしない
私を助けるものなど
手を差しのべるものなど
だれもいやしない

この絶望を何と呼べ ....
車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心 ....
句読点のように
あなたは
暮らしの中に
花を飾る

音符のように
あなたは
暮らしの中に
言葉を並べる

本の頁を捲るように
あなたは
暮らしの中に
楽しみを見つける

 ....
南の祖母は
星の名を教えてくれた
できの悪い生徒である私は
星の名をときどきまちがえた
そのたびに
牛乳をいれたコップが割れたり
黒猫が尿路結石になったり
母の眼鏡が折れたり
祖母は言 ....
ひさしぶりにかえってきた娘が
玄関を開けて
いえのにおいがする、といった
ずっとこの家にいるわたしには
そのにおいがわからない
いいにおいかどうか
よくないにおいかどうかも
わたしが息を ....
{引用= 夕暮れに、きょうもひとは、 めいめい帰ってゆきます

 その中のだれも きのうのゆめの つづきを読んでいる調子です

 まっさらな気持ちで空を飛ぶ はじまりのページにまき戻る

 ....
近くの公園で
詩集を読んでいると
小さい虫がページのうえに

無造作に手ではらったら
簡単につぶれて
ページにしみがついてしまって

すぐに部屋に戻って
消しゴ ....
あさ、仕事に行くために駅に向かう途中、
目の隅で、何か動くものがあった。
歩く速さを落として目をやると、
結ばれていたはずの結び目が、
廃棄された専用ゴミ袋の結び目が
ほどけていくところ ....
ああ、神様、
私は煮詰まっています。
午後の週末です。
それは非常に活発な議論です。
あなたのひげに会えて良かったわ。
長い間、会議に来なかったわね。
主人は自分の携帯電話で滑って眠りに落 ....
夜がガラスのように
砕けた朝に
散らばる夢の欠片
止まらない時計の針は
呪われたように
勢いよく回り出す
乗らない気分が
脈を締めつける
手足に冷たい鉄の鎖
苦しさのため息
無理や ....
32歳になるまで、
ひとを愛するということが
どういうことなのか、解らなかった。

32歳のとき、
運命の出会いがあった。

出会ったひとは、とても哀しくとても孤独なひとだった。
当時 ....
Who’s in your heart now?
誕生日、おめでとう。ぼくはあなたに言った。
全身がおれのストレッチだ! ははははははは!
陽気な日だ、きのうみたいに、特に憂鬱なことはない。 ....
あの子が「たまごそぼろだ」と言ったから
あの角の家にはおいしそうなたまごそぼろが咲く

神様に祈ってみたり、嘘をついてみたり
大して変化のない生活を強い風が撫でていく

更地になった場所に ....
知らない国の見果てぬ路線図
ここで乗り換えると海へつながる
春を見たければ各駅停車で

こうしているうちにも
砂時計のすなはおちつづけ
耳をかたむけると
さらさらさらさら、とささやき
 ....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく

腹が減った

赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
去年の秋のことだ。
老婆がひとり、道の上を這っていた。
身体の具合が悪くて、倒れでもしたのかと思って
ぼくは、仕事帰りの疲れた足を急がせて駆け寄った。
老婆は、自分の家の前に散らばった落ち葉を ....
塀越しに高く高く
はなみずきが咲いた

芝生に植えられた一本の花水木
随分昔のことのような気がする

裏口から出られる婦人は
いつも和服をきちんと着て
わたしににっこり微笑んで
丁寧 ....
幻のような町にいた どこかで風景が流れる光景を眺めていた 音のない世界だった 時折誰かとすれ違った気がした なにも見ないようにしていた 鳴いている仔猫を見かけた気がする 歩道橋の階段を登り 車の流れる .... 帰り支度がすんだなら
明日にでも行くがいい
旅する天使はおしゃべりで
その上酒癖もわるいときてる
翼ある者は去るがいい
おまえたちの羽根のほとんどは空気
膨らんだ胸の中身さえ
絡みついた ....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
4月5日
入院。安静度3。誰とも話さなくて良い。
最高の条件で入院できた。
かりそめの自由に乾杯。

4月6日
思ったよりも疲れている。
眠くて堪らない。
時間が意味を為さない。実時間 ....
山人さんのおすすめリスト(5869)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ONE_SIDED_GIRLS- ダニケ散文(批評 ...525-6-1
水貌- 本田憲嵩自由詩1025-5-29
原子論- fujisaki自由詩325-5-29
(15才の詩)_風景画- リつ自由詩14+*25-5-28
LAUGHING_CHICKENS_IN_THE_TAXI_ ...- 田中宏輔自由詩16*25-5-26
例えば人によって態度を変える奴とかに- sonano自由詩13+*25-5-23
That's_smart_- atsuchan69自由詩15*25-5-22
MELBA_TOAST_&_TURTLE_SOUP。_カリカ ...- 田中宏輔自由詩16*25-5-19
百葉箱のなかの祈禱書。- 田中宏輔自由詩14*25-5-12
ツィゴイネルワイゼン- リつ自由詩5*25-5-11
信州へ- 花野誉自由詩14*25-5-11
あなた- 夏井椋也自由詩14*25-5-10
星の名- 尾内甲太 ...自由詩1725-5-10
いえのにおいがする- そらの珊 ...自由詩19*25-5-7
zero- ryinx自由詩13+*25-5-6
100人のダリが曲がっている。__- 田中宏輔自由詩14*25-5-5
THEN。__- 田中宏輔自由詩16*25-5-5
いま一度、いま千度、- 田中宏輔自由詩14*25-4-27
朝の抜け殻- 自由詩13*25-4-26
愛するということ- リつ散文(批評 ...6*25-4-24
ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。- 田中宏輔自由詩13*25-4-23
木香茨- 青の群れ自由詩1525-4-23
あなたがすこしさみしいときにも- そらの珊 ...自由詩15*25-4-22
ラーメン- レタス自由詩16*25-4-19
横木さんの本を読んで、やさしい気持ちになった。- 田中宏輔自由詩17*25-4-17
はなみずき- 笹峰霧子自由詩12*25-4-16
pale_a_ir- ryinx自由詩11*25-4-16
ツグミに想う- ただのみ ...自由詩8*25-4-12
懲らしめてやりなさい。- 田中宏輔自由詩18*25-4-10
日記- リつ散文(批評 ...4*25-4-7

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196