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あの日あなたは
この世からこぼれてしまって
涙が止まらないのはなぜだろう
瞳があって
涙腺があって
涙がこぼれて
そのことと悲しみにどんな関係があるんだろう
愛
あの夜
寒い ....
せせらぐ闇の絡まる音を 寝転びながら聴いていた
耳たぶを床にくっつけて
爪っ先で悪心を蹴っとばし
かかとで抑鬱を押しのけて
扉のすきまに吸い込まれてゆく
耳の中身が水深1000キロメ ....
ある朝、私(わたくし)は
暗く濡れたアスファルトの坂道を
一人ゆっくりとのぼっていました
両側にはブロック塀
その向こうには常盤木の枝密やかに揺れて
飛び立つ朝の姿が
澄 ....
紫陽花を食べながら
あなたを待つ午後
雨はまだあがらない
太陽はもう沈まない
(月曜日)
七つの海は健在だった 。
(火曜日)
なにもない
(水曜日)
ちょっとだけ考えてみる
(木曜日)
なにもない
(金曜日)
なにもない
(土曜日) ....
以前僕はキスゲであり、すすきであり、また、砂粒であり、星粒であった。故に孤独であり、暗闇からも愛された。
病魔に襲われてからというもの、僕はすっかりその全てではなくなった。
孤独でないがために ....
しかくがあります。
しかくのなかに、ちいさなまる。
まるのうごきは、ふきそくです。
しかくはちっとも、うごきません。
まるはしかくにぶつかりますが
ただ、はじかれてしまうだけ。
....
粘っこい足跡なんて
振り返りたくはないし
遠くへ行くつもりもないから
マイペースの匍匐前進
アンテナは柔らかいけれど
難しい言葉は受信できないし
とてつもなく臆病だから
ツノもヤ ....
あとかたもなく崩れゆく遠い果実を見つめている
Hのしろい指がりんごの皮をむく
どこまでも切れることなくつづく紅い航跡はこの星を
ひと回りしてわたしのからだのやわらかい節々にから
みつく
....
砕けたグラスの欠片で
その透明で鋭利な先端で
きみの白い薬指の内側に
すうっと線を引く
朱色の糸が一本
爪の先から降りてきて
僕はそれを
舌ですくってみる
Feよりも軽やか ....
食べ残したチーズのかけら
わかる?
そこには
失われたもののかたちが見える
(あなたがチーズというものをもともと知っていればの話だけど)
喪服の下の
白い脚は過去を歩き始めたところ
涼しい顔でさめざめ泣いていても
明日からその真中にあるのは地獄の口
図太く生き残っている女を罰する為
死んだ亭主が夜ごと徘徊する
そのたおやかな ....
プラネタリウムの一番後ろで
滅茶苦茶にキスをしたね
それはもう、呆然として
ふたりして、名前を忘れるくらい
きみはいつだって最強のラブリーで
ミニスカートの端っこか ....
赤ん坊のころは一日が途方もなく長かった
太陽の落ちるスピードは メリーゴーラウンドのようにゆったりとして
空の模様は 私が目で追いかけられるほどに やさしく変化した
今よりも朝ごはんは時間を ....
教室を対角線上に
真っ直ぐと すいっと
紙飛行機は飛んでいった。
この瞬間しか味わえない
手から描くベクトルの軌跡は
初めて感じる創造なんだと確信して。
折って合わせた角がズレてい ....
41歳になって、
生まれて初めて、彼女はできたけれど、
土曜日も、
上野の鈴本へ、寄席に連れてったけれど。
ポッキー右手でつまみながら、
左手で、彼女のふとももをつまんでたけれど。
お寿司 ....
閑散の通行人に
血染めのおっちゃんは
鮮血はラズベリージュースほどの
出来過ぎの綺麗と知らしめる白ジャージで
泥酔した禿げ頭の小さな切り創から
ぼたぼたとアスファルトに零れる
動脈血の量は ....
灰色に淀んできた、わたし、を確認して、少し距離をとってみます
見るもの、聞くもの、(殺)雑音であるなら
それは、そうなのです、それで、何です
人は嘘をつきますからね、そりゃあ、
口がありま ....
神社の鳥居をくぐる
それだけで空気が違った気がする
生まれる という言葉をひらめく
きつい上り坂に沿って
水が流れている
のぞきこめば 蟹がいた
命って言葉をひらめきながら
もう指をのば ....
ちびっ子がちびっ子だった頃
男の子は半パンにランニングシャツ
女の子はノースリのワンピとかで原っぱを駆け回っていた
いじめっ子、いたことはいたけど
みんな等しく貧しんだって思いでお ....
友人に家まで送り届けてもらった。車から降りると、
ヘッドライトが照らしていたのは
大きな一匹のカニで(近くに水場もないのに)
口から泡を吹いていた。ちょうど二時間前には
男も口から泡を吹くくら ....
俺は今日も理由も目的も展望も持たない野良犬だった
のようだったと書かないのは比喩でないからだ
一生懸命ローソンの駐車場で数十分かけて書いた詩は
肉球でたどたどしく ....
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光りのない浜辺を一人で歩いていた
打ち寄せる波は果てしなく
足下は脆くも流れて行く砂の水際だった
遠くの町の灯りが水面に
煌めきを残し ....
日曜日、
くさかんむりの広がる野原で
ピクニックをする
あなたは適当なところに
持ってきたもんがまえを敷いて
ここに座りましょうという
おべんとうよ、と
....
洗濯物を畳む
隣では母が洗濯機を畳んでいる
自分で洗濯物も畳めないほど
すっかり老いてしまった
母は工具等を手にしながら
ここはどうするの
と時々聞いてくる
面倒くさくて ....
女の子がさみしがるのは
しかたない
身体の真ん中に
おおきな空洞があるし
男の子が暴れん坊なのは
しかたない
身体の真ん中に
収まりきらない剣があるし
ふたりが組み合うのは ....
明け方の境界線の一歩向こう
刈られていく夜の茂みに紛れて
朝はすぐそこまで来ている
私は息を潜めて眠る狩人
獲物の吐息を敏感に察知して
眉間に弾を撃ち込むのだ
勝ち取った朝を祝い
歓喜の ....
ひとりエッチを
しすぎた部屋は
いつも栗の花の
匂いがするわ
部屋の掃除を
されるときに
使用済みティシュで
ばれてしまうから
終わった後は
残さないで
トイレに流すわ
アレがす ....
枯れたので、
私の臭いのダストボックスに捨てる。
ゆうぐれ、抱きしめられ
水槽のみなもとみなそこのはざま
男と女が居る。
慣れた時間に倦みはじめた
指で促していく。
(こえを、すこしだす ....
茂みの中にある
人が成らした道を行く。
石がゴロゴロ 足を触る中で
踏ん張っている土が
突風で飛んでいくとき
土だって限りがあるのか
そう思って
土がない世界が 寂しくて
でも
....
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