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未明からカラス達が鳴き騒ぐ
燃えるごみの日
電力を享楽する都会 まして貪欲な鳥達に
夜盲は無縁なのだろう
ゥアー ゥアー
アー アー
グオッグオッ オッオッ
アガ アガ グァー
多彩な ....
峡谷を越えると
静かな瓦屋根の風景だった
懐かしい味噌汁の匂いがした
ああ、そうか
もう冬になるんだ
木が無口だ
迷路のような路地裏を抜けると
君の家がある
赤い屋根の洋館で
君はピ ....
彼と別れて
丁度10日がたった
やっぱり心は晴れなくて
何一つ変わらない毎日
わたしだけ
....
腹実る夕暮れと
秋に焼かれる日は
何枚かに下ろされる日です
それは何でもない日のことらしいです
南下してきた陳列を
剥ぎ取ってしまえば
口口に言う
あの子の脚は
絶妙なのだと
....
秋のイチョウ並木道
枯れ葉を踏む音が哀しい
でもこの音が好きだ
リズムが少しずつ元気をくれる
だから哀しさはあっても
寂しくはない
夏の命の抜け殻となってもなお
心に響く木々 ....
シャープペンシルの
芯が折れて
ツーと
黒い線を
引きながら
転がっていった
そこは
白い机の上で
その白さを保つために
消しゴムで消すのだが
黒鉛の名残が
更に
淡い線を引く ....
いつもの帰り道を
いつものように歩いていると
知らない道を歩いている
どこかから寝息が聞こえるので
誰かの夢の中だとわかる
寝息を頼りに知らない道を歩いていくと
知らない家にた ....
漁村の上空には
薄墨を流した
空が広がる
風つよく
斜めに傾く
松はつらく
ゆられている
歩調をゆるめ
この白灰色の村
確かにあるはずの
日常を
一歩ずつ
踏み潰してゆく
お ....
伯父は
酒に酔うといつも僕を責めたて
僕も内心で怒りながらそれらを無視し続けた
伯父は僕の生き方が気に食わなかったし
僕が内気で口数の少ないことが更に腹を立てた
あるとき伯父は
....
なにかがはじまるのだな この場所で
川の流れのように
地を這う蛇のように
ゆっくりとした確かなものが
季節のように訪れるのだな この場所で
変化に気づかない愚か者も
木々の彩りに目を奪 ....
シュワシュワと無音の時計の一秒一分一時間を
見ていた
見ていた
見ていた
奇声と罵声といくつかの睦言をすり抜けていく十字路で
見ていた
見ていた
見ていた
耳の奥に響く ....
雨雲の上には、大空があること
大気の外には、宇宙があること
太陽系の向こうには、銀河系があることを
いつどんな時でも忘れぬように
まぶたに落ちた雨粒ひとつも
そっと、 ....
千代田線で
背の低い女が
目の前に立ち
ぼくは痴漢と間違われないように
満員電車ではいつも
腕を組むか
両手でつり革をつかむか
本を読むことにしている
暑すぎる夏の朝だった ....
小綺麗に整頓された
博物館というのは
謎めいた怪しさがなくて
つまらない
里山のジオラマが
自然を嘘臭く見せる
小さい頃見た
博物館の陳列は
モノのそっけなさが
却って
世界を ....
風に揺れるカーテンに
包まれながら
あたしひとりだけ
まるで黒点のように
体温が低かった
ずっと遠くで
白い線に沿って走るあの人は
なにに急いでいるんだろう
....
目を閉じて
太陽が昇り
沈んでゆくように
視線を動かし
頭の裏側の出来事をみる
頂点はいつも気持ちがいい
沸点で水と水蒸気がとけあっているから
熱くまじりあっていて
苦しくてあぶな ....
近所の学校
小学校
高いところにいく
歩いていくしかない
水泳はできる
津波が来たらおしまい
辞書にも載っている
切ると助かる、喉とか
嫌いなものを食べていくうちに
....
‥などと言えば
マラドーナの疑惑のゴールだったり 至高の国宝工芸を造りだす人のことを指したりするわけだが
或る人によっては何やらよからぬ癖などを想像したりもして
ニヤリとするなんてこともある ....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる
岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
埃っぽいよね
埃っぽいよね
埃っぽいよね 埃っぽいよね
埃っぽいよね
....
野分も過ぎれば
盆水は枯れ
鬼灯なる火祭り朧
無月に揺れた
石蕗が送り火
窓/渋柿に染まり
偲ぶ風花
季節は移ろい
滞るままに
連おもう携帯の
いつか
あの山の ....
ブヨブヨな意気地を腐った体とギガだせー服で包み
指先大の仮想世界で王様やってるチンカス野郎と違って
原寸大の実社会で膂力を持て余す益荒男にとっちゃ
徴兵制もねえユルユルまんこみてーな日本は窮屈極 ....
星もなく
ふあんに耐えかね
肩にくいこむ夜をおろすと
知らない山のほうから遠吠えがきこえる
呼んでいる
/存在(たいしょう)ではない たしかに
よばれている
脳天から電光石火よびさまされ ....
俺は惚れた女の苗字も壊せない掛け値無しの屑だけど
デリカシーが無くて自分勝手で ....
ある日突然死
あなた黙るの
こんだけ食って飲んでいるから
きっとそんな時が来ると
私は確信しているけれど
保険金のこともあるし
知らん顔しているのよ
ある日じっと見られていたのよ
....
古い元美容室の
丸い鏡に
そとのビルが霞んでいる
部屋の角には
埃っぽい暗がり
苦いひとの記憶
「なるべく水分を沢山摂って下さい」
と書かれた貼り紙が
なぜか
人の声のような気配 ....
参列者たちの白菊が
たどたどしく棺のなかに置かれてゆく
係の女がさいご
華やかいろの献花で棺をあふれさせる
そしてそこにふたを載せた
いちばん気掛かりだったのは
....
地上に出た途端、甘い香りに頬を撫でられて泣きそうになった。
もう金木犀の季節も終わりだろうかと思っていたから、不意打ちで嬉しかった。
夏の、花火のような空気から、秋の涼しく透き通った風になるま ....
風のなかを
風になれない音がすぎる
到かない光が
夜を見ている
凍った川のむこう
動かない夜
音のいちばん熱いところ
炎の奥に鳴り響くもの
姿のうし ....
ずっと昔、夜、天から水が……
……記の底に溢れている 憶
地名を襲う大洪水
聖穢なく
隆起しながら鼻筋を形成していく
雨の島
渇きながら灼熱を求めていた
亜種、獣
めくら ....
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