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卒寿となって 卒寿を越すと
どうして 翳が浮き揚がるのだろう
喋ることにも 聞き入ることにも
何もみるな 何も想うな
弱気の愚痴も 吐きだすな
強気の言い訳も すべきぢゃない
冷 ....
わがやのまよこの
原っぱには
(ときには鴉が来るけれど)
幼い子たちを待ちわびて
晴雨をいとわず座ってる
木製ベンチと滑り台
ジャングルジムや
....
少年の日・・・
あのころは
三寒四温の温情だったコスモス
壮年の日・・・
そのころは
狂乱の薄情となっていたコスモス
臨死の日・・・
そのときは
非情 ....
いまや フィルターは染みがつき
一滴一滴が
嫌だ 嫌だと呟いて
ドリッパーから墜ちてゆく
レギュラーコーヒーのしずく達
次第に近ずくカップの満杯
もう熱湯は入れられない
じっとみつめてい ....
始発駅では
カルマをコーティングした
「時」が持てた
鼻毛をのぞかせ不精ひげのままで
途中下車駅では
リグレットが闊歩した
「空」が見えた
....
雨が降るのでもない
風が吹くのでもない
雷が鳴るのでもない
ただ 黒い雲が垂れこめている
だけである
地軸が息を殺している
だけである
....
公園で草刈り機がうなっている
ひなびた街並みにただよう
ことし最終のくらしのにおいだ
草むらからかまきりも飛びだすだろう
病葉も枯れ葉もお供にされるだろう
地祇のたもとにいだかれもせずに ....
骨のしびれと肉の痛みに
霊魂が戸惑う堤防の草むらで
空き瓶と空き缶が寄り添い
密談をしている
亀裂の入ったトルソと
染みの入った掛け軸の ....
丘のひだに喰い込んだ
かぼそいアベニューをほどこうと
腰骨と膝小僧に云い含めたとき
野末はすでに 綻びていた
黒い「しみ」さえ見せて
そして
かたわらの雑木林では
薄気味悪く 土鳩が唸 ....