すべてのおすすめ
くちづけは乾いていて
忘れたころに香る
五月の庭は騒がしく潤み
ひらくたび
こまかく傷ついていく手のひらで
世界を泳いでいる
まだ知らない
なにも知らない
溺れるように街を掻き ....
24時間換気の音がうるさくて眠れなくてここに来てる
ひとことダイアリーを見返して思った、俺 ほくろ好きだなって
初恋の子も白い肌に小さな点があって
だから好きになったわけじゃないけど可愛く見えた ....
ある朝神様が訪れ
世界を金色に変えて
日射しは蜂蜜の味になり
風はいつかの花の香り
人々は優しくなって
眠りは深くなった
時々は雨が降り
寂しさが夜を押し潰す日もあったが
....
父母が買った墓を見に行く
高台にあるそこからは
海が見渡せ
なんのわずらいもない風が吹き渡り
小さな飛行機が雲間に光る
このお墓に入ったら
この景色を見て暮らす、という母に
いい ....
罪人を眺めている
誰かの腹の中のように風のない夜
迎え火が目蓋の此方
灰に包まれた心臓のよう
ゆっくりと消えて往く
ただ罪人を眺めている
正義については微塵も語らない
なにかを殺し続ける ....
継続こそ力なり
小学生2年生のあの日から
ご飯を抜いた日はあっても
オナニーを抜いた日は無い
ヌクのを決して抜かなかった
小中高の修学旅行のときも
部活の合宿のときも
高熱を出し ....
雨が近づくと
植物の匂いが強くなる
それはまるで
隠す気のない事後のようで
私は好きになれない
(きっと
罪悪感の裏返しね)
彼の車に乗って
高速を使い海へ向かう
やがて雨が降り ....
暖かな陽の光が差しこむ
昼下がりの各駅停車
疎らな乗客
緩やかな進行
部活を終えた女子高校生が
座席でふたり 眠っている
この状況は
とても身近なことの暗喩
ではないだ ....
地域の八つの水路清掃の
約一週間の日程についての
話し合いがあった
一通り話し合いがついたところで
知らないのは僕だけかも知れませんけどと
ことわっておいて質問した
天気が悪くて延期する場 ....
身の回りの、色を
表現したくなると
春が来る
過去の、自分の言葉で
火が灯る
ほうほうの体
で、海馬を片付ける
気障、な
気候が「せっかく」を多用する
か、ら
....
雨の色は何色だろう
悲しい雨も 嬉しい雨も
同じ色をしているのかな
雨の音はどんな歌だろう
苦しい歌も 楽しい歌も
同じ様に流れてるのかな
雨の体温はどれぐらいだろう
手放した日 ....
窓に映る 不気味な 地下鉄の
男たちの姿を 時々 窓に 見る
だが 立ち止まること無く 彼らも
時代も ここまで流れてきてしまったわけだが
そして 若い女は 素知らぬふりで
....
あなたはだあれ?
はなももです
しっかり咲いて
とてもきれい
あなたは?
すももです
すっかりと
花ひとつなくて
おばあさんみたい
ほほと笑いながら
たくさ ....
なんとも気分がすぐれない
することなすことすべてが中途半端で
誰かれ構わず八つ当たりをしたいくらいで
良いことなんてもう起きないのではないかと
そんな風にさえ思う
息をつく
肩の力 ....
縁日で掬った金魚をどこにやっただろうか
庭の片隅、物置の陰のあたりに
古い水槽が転がっていて
水と水草を適当に入れて
そこに放り込んでおいた気がする
誰も世話をしないまま
ただ、気まぐ ....
卒業生が二人しかいない小学校の卒業式で
いきなり携帯の着信音が鳴った
着信音はメロディーで「川の流れのように」だった
だれの?だれの?だれの?┅┅
後ろの保護者席でさざ波がたったが
当のおば ....
朝の鳥はうるさい
昨夜のことを話し合っている
方向性をきめている
どっちの空が安全なのか
そんなことではない
朝の鳥はいそがしい
こどもが親の後ろを泳ぐ
どこにえさがあるのか ....
意味はきらきらふる星だし
正しさはもえる草原で
寝息は世界のかぜ薬
あなたの頬がやわらかいうちに
知ってほしいことがたくさんあるけれども
なにひとつ教えられることがない
だからいつ ....
植物になりたい、と、思っていたのですけれど
植物も案外、グロテスクなことを知ってしまいまして
もはや、ぜつぼう、しか、ありませんの。
ぜつぼう、をぜつぼうって、たった4文字であらわし ....
今朝も
生きている
生きている
いろいろあっても
生きている
どうして
今日も生きているんだろう
なんのために
今日も生きているんだろう
よくわからないけど
生きている
生きてい ....
何も出来ない
あらゆる肢体のルーズコントロール
脳内のドーパミンやら、ホルモンやら、セロトニンやら
もう迷路で迷子なんですよ
と、言われたって困るよ先生
眠りさえ遠のいた ....
そらいろのくるま
にのって
あさがたの
やわらかな
ひのひかりのなか
ぼくたちはいこう
ぼんねっとにひかる
きのうのあめつぶが
さわやかな
くうきのなか
う ....
あなたが死んでほしいと思ってきたけど
あなたがなかなか死なないから
早く自分が死ねたらいいと思うようになりました
だから
きれい好きになったし
いろんなものも捨てたし
死ぬまでにするこ ....
花の盛りは
誰が決めるの
きれいだね
そう言われたのは
遠い午後のこと
あの日の花盛りが
今甦る
花の盛りは
あなたが決める
振り返り
花ほころぶ
バスに ....
誰も皆、黙っている
黙って、ニタついているか
黙って、怒っているかのどちらかだ
思考は停止
並ぶ、並べる、揃える、エンター、エンター
競争相手はAIだ、そら、仕事が奪われるぞ
ほら ....
細くて薄くてひょろくても
生きている音はさせられる
我々の名はカイワレですが
大根界では一目置かれてて
細くて薄くてひょろいのは
天まで伸びるためなのです
横ばかり気にしてしまうと ....
おじいちゃんが農協にトンカツソースを
買いに来ていた
「おねえちゃん、ウエスタンソースくれよ」
「おじいちゃん、ウエスタンは
西部劇だけど┅┅ウイスターじゃないの?」
「いや、ウエスタンと書 ....
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに
もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
シャンデリア
空のにおいが
なないろの真珠になって
くもの糸にきらめく朝、
なつかしい音楽を
聴いた。
それは
くさむらか ....
歩き煙草に咳き込んだ
不機嫌そうな顔こちらを見る
目を逸らした自分が間違っているのか
転んだ痛みに呟いた
それはただの独り言
差し伸べてくれる手を伸ばす
期待はいつも裏切られる
....
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