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原野は朝露ぬれている
心もすっかりぬれている
さて旅の始まりだ
風が吹いたら始まりだ
トコトコトコ
歩けば荷物が揺れる
荷物なんてのは名ばかりだ
揺れる心が分かれ道
....
{引用=一名、『飛び出せ!自殺衝動。』}
教室ににわとりが入ってきたことがある。クラスのみんなはちょっとしたパニックになった。先生は「大丈夫だから、気にしないで」というような言葉をくり返して ....
女の
懐かしい油ののった肌
まあるく膨らんだ乳房
あなた、と呼ぶその声のエロチシズム
僕はまた、君に戻ってきたよ
ほうぼうへ旅したのだ
旅賃はなかったから点々と野宿で
そうしたらば、 ....
産んで下さい
増やして下さい
出生率は1%
私達は足りていません
後継ぎがいないと困ります
産めよ増やせよ
富国強兵
お国の為に尽くして下さい
....
もう共感しなくなった年月が
物干し台にほされてる
夜になれなかったやみが
陽だまりで喘いでる
でも生きる方法なんて
なくならないのだと
笑ってる
昔言ったことのある言 ....
大きなハサミで
ばっさりと切りたいいやなこと
多少の血は
涙より苦くはないよ
羽を継ぎ足して飛びたい
冬の凍った空を
あたたかい方へ
方へ
安心できる場所をさがしていたんだ、きっと
安心できる場所をさがしているんだ、きっと
それが戦場であろうと
それが景色であろうと
それが人間であろうと
安心できる場所をさが ....
掌に雨が降る
小さな水溜りができて
魚たちが泳ぎ始める
両方の手で精一杯の
くぼみをつくる
それでも水や魚は
溢れ出してしまう
途方に暮れているうちに
いつしか雨は ....
薄暗い蛍光灯の下
酌み交わされる連夜
求める度に沈んでいくアルミ缶の蓋の底は
小さな深い闇
時折、
淡い春風が吹いても
そこだけが時が止まっている
空の缶と空のグラス
窓越 ....
朝でも 昼でも 夜でもない
永遠に続く 冬の黄ばんだ夕暮れ
狂おしい町の風景
射光の跡を追う
強いコントラストに
明らかな形の針葉樹
見覚えのない風 ....
灰色の身篭った天空の核に
ぼんやりと繭を透かして
眠れる生命の淡い黄金が
そこだけ温度を伝えている
しかし雪は後から後から降っている
無心な子供のダンスのように
無数の白で地を照らしながら ....
黄昏の陽は降りそそぎ
無数の葉群が{ルビ煌々=きらきら}踊る
避暑地の村で
透きとほった風は吹き抜け
木々の囁く歌に囲まれ
立ち尽くす彼は
いつも、夢に視ていた
....
しっかりと背筋の伸びた
背中を想い出す
負けず嫌いで前のめりな
背中を想い出す
スーツの ジャンパーの
似合わないポロシャツの
背中を想い出す
ブレない 振り向かない
....
ゆうべはねむれないまま舟を漕いだ
ねむれないまま舟を操り蘆を払って湖沼をすすんだ
朦朧とねむれないままもとの舟着場にもどる
と、先がみえない霧のなかを漂流していたことがわ ....
おでんの中を艦船が航行する
デッキから若い水兵が
手を振ってくれる
大根とはんぺんが好き
牛スジは入れる習慣がない
ガンモは好んで食べないが
無ければ無いで淋しい
こ ....
せんにゅう そうさ かいし しね
女の子の地図
間延びする学校のチャイムとともに無愛想なその表情は変色し、細い腰はイスに自由落下、草臥れた制服のスカートが息 ....
だれかぼくに
長い手紙をくれまいか
すっぽり暗いすり鉢の空の底
吹雪のあけた だだっぴろい広場に
まんべんなく雪は敷き詰められて
だれかが夕暮れの紅いろうそくを吹き消す
すると
取り ....
両腕を失ってうしなうもの
ギターをかき鳴らすこと
新しい服にそでを通すこと
愛撫
両脚を失ってうしなうもの
休日の足の指の爪切り
じだんだを踏むこと
スキップ
手足を奪われ ....
あめはふる
行く手をさえぎる
空想とあらそい
足どりはおぼつかない
あめから目をそらす勇気はない
今はその一粒一粒を
しらみつぶしにはたくので精一杯だ
唇を重ねたように
息がつまりそうな真夜中
声を荒げて
逃げだしそうになる都会の真ん中で
小さな羽虫たちは
か細い灯りに寄り添い
汗臭い涎を垂れ流している
相槌のない会話が延々と続 ....
春、のたまう
我が名を呼べば
花は舞い
土影見れば
虫どもも起き
十の日も待ちゃ
かの子も通る
我は始まり
太古の光
その痩せた枝に忍び寄る風は音もなく
尖端に震えている明日 けれど確かな鼓動のように
その鼻筋に流れる涙はかなしみではなく
指をのばし拭い去ればただ あたたかな頬のぬくみ
僕は地に立って ....
夜の黒魔術にはまる
かなしい空気をすう
鉄のかたまりを噛んだときみたいに
心がきーんと冷えていく
これはきっとR&Bのせい
知ってる
これはきっと詩ではない
こうなるんだ
だか ....
月が満ちたらわたくしから
横たわったわたくしから
真綿のサナギをそっと剥いで
露わな背中を嘗めて頂戴
ほら、あの月が満ちたら
暗夜に独り、永年独り寝の
あの蒼ざめた女神の腹が膨らんだら
....
とある喫茶店の
赤煉瓦の壁に掛けられた
モジリアニの婦人画
暗がりの四角い部屋から
面長の顔を傾げて
時を越え
こちらを視つめる、青い瞳
(私は遥か昔から知っている ....
車に乗って
通勤をしていて
最近は下半身を
意識する事が
少なくなってきた
歩くとか走るとか
多く、なかったのに
下半身が家出しました
お風呂に入っていて
何かの昆虫のような足を ....
隣のおじさんが亡くなった。
野球でボールを膝で止めるのを
教えてくれた。
皆を可愛がってくれた。
私が調子悪い時も
いつも声をかけてくれた
庭掃除も一緒にした。
大切な人だった。
....
いいかげん汚くなったこの部屋に
掃除機をかけたら
大切なものがひとつひとつ
すいこまれていった気がした
僕はまちがっていたのだろうか
映画のシーンのようには
僕はできなかったよ ....
自分の為に
詩を書こう
可愛そうな
自分の為に
とか
思った事もあったけど
やっぱ俺
疲れてしまって
しんどそうな
そんな人達のことを
クスッと
小さく笑わせたい
それ ....
きな粉を
グランドの砂粒の中に
一粒落としたら
ありんこしか
気づかなかった
わたしは
わたしで生きてきて
せわしなく動く背景のことなど
ひとつも考えなかった
ありんこよ
....
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