すべてのおすすめ
朝に堕ちれば山が在り
迎える刻にも海はある
いつまでも生い茂る森のなか
陽射しに誘われ花も咲く
ひとにはとおく
けものには為れず
流れる水を汲み上げる朝に
映る瞳の影はつ ....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ
つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ
のどぼとけがなって和尚さん ....
あの娘が出て行って一人取り残された僕
スポンジケーキの星が天井にぶらさがっている
悲しみのレールを音もなくビールの泡が走る
だからといって握り締めた携帯電話には雑草が生い茂るだけで何も歌わない
....
ばりばり書いたばりばり
「ざんねんながらその話
すでに書かれたものなのです」
ばりばり書いたばりばり
「失礼を承知で申します
あまり面白くありません……」
....
旅ってなんだろう
帰るところあっての旅なんだろうけど
住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく
そんな旅路もあるような気がする
※
....
ぼくはほら、
羽根がないから飛べなくて
年中 空を見上げてる
ぼくはほら、
口もないから呼べなくて
風が吹くのを聞いている
ぼくはほら、
....
十月の豊かな光が
いつもの駅前
喫煙所のボックス灰皿のあたりに
私が待たせている
ひとりの女の額のあたりに
しっとりと落ち、
浸食するように広がる
....
新しくポストを建てました
これで十二本目です
今のところはお手紙はいただいておりません
悲しくはないです
心配は
近所の子供が悪戯に石を詰め込むことです
さきほど七 ....
魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリ ....
あとなんど苦しんだら
(苦しんでいるうちに
(洞窟があらわれたら
この洞窟出られるのだ
さびしくて
かなしくて
くやしくて
あとなんど苦しんだら
....
じゃあほかに
なんて言えばよかったんだろう
帰るひとのいるあなたに
帰るひとのいるわたしに
はじまってさえいない二人に
終わりにするためには
なんて言えばよかったんだろう
....
サイダー、
君が
つぶやいたらこぼれた
向こうの街が
透けてみえそうな
蒼だ
ここは
いつまでも夏だ
サイダー、
河が
うねりな ....
起きてその瞬間から
死について考えている
生よりも少し多く
死について考えているのだ
計画せよ
計画は成功をもたらす
そんな言葉が浮かんだ
計画とは
成 ....
ひかりを浴びていた
海をみていた
ひかりの中で鏡はしろかった
鏡の中で海はしろかった
だれかをおきざりにして
おきざりにされたものがいる
通りすぎてゆく
陽射しが眩しかった ....
あ、あ、あああ。
あ。
あ。
あ
あ
あ
ああ
ああ。
あ、あ、ああ。
あ、あ。
あ!あ?ああ、あ。
あーあーあーあ、あ。
「お父さん、納豆って、どんな花が咲くの?」
「納豆は腐っているから、花は咲かないよ」
「えっ、腐ってないよ、だっておいしいもん」
「そうだね、調べておくよ」
すし詰めの通勤電車の中で
納 ....
遠くで黒い煙突が三本ぼくらを眺めている
カラスが夜を迎えにいく少し前に
船の汽笛が鼻をかむ
ポロー ポロー ポロー
遠吠えしている喪服の野獣は
煌めく闇を愛すと叫び
....
時の中で 眠った
多くのものを 私は 見つめた気がしていた
今日もわからない だけど
理解させられた事実
ああ それは一体何なのか
時だけは流れていく
多くの 見るべき形が
私の 見 ....
穏やかな秋の一日
その暮れ方 テレビ越しに眼を凝らして
日の丸に敬礼
しようとしたときに 虫が
灰色の繊毛の生えた虫が 少女のお下げの髪に虫が
這っている こんなこともあるものか
それを払 ....
窓に眠る
結晶、
その韻律
雪は記憶
線のない記憶
傷ついた草花は
物陰で葉を休め
官吏は雲に刻む
自らの
不完全な名を
雨の日
少し肌寒い
MP3プレイヤーを聴きながら
古いレコードショップで
一枚CDを買う
ありがとう
と袋を受け取り店を出て
なぜ買ったのかを考える
音楽はすべてパソコンに入れ ....
呼吸することは繊細な作業だ
ばらばらに生きてきた生を時間のはざ間で束ねた
思いは複雑なのだが
軽くなって心が少しだけ浮いた
小刻みに変化するものを五感で捉え
臓器の境界 ....
蔦に食い尽くされてしまった
君の形をした穴が空いたままになっている
無人島に
たったひとつだけ持って行くもの
迷わず携帯電話を選んだ
無人島は完全に電波の圏外だった
ぼくはそんなことはかまわなかった
都会にいても
ぼくの携帯電話が鳴る夜なんてなかった
....
猫がミルクを飲んでいる。
また貰ってきた花を食べる。
わかっているねトイレに行ってよ
のどを鳴らしひざに来る
今日は日曜日
何にもすることがない。
窓を開けて富士山を見る。
雪化粧と ....
鰊が僕の腹を噛む
広い緑一色の海はその砂浜を濡らして星が流れ出す
灯台の岬に押し寄せるアザラシの群れ
低くうなりながら矢が飛んできて壁に付き立つ
それを放ったのは上空に浮かぶ龍だ
雲を呼び雨 ....
お元気ですか
秋の風がさみしい
と云っています
神様が意地悪で
才能をくれません
窓を通してそっと
幸せそうな家族を
見ています
スマートでないのにスマートフォンを持たされた
たいしてあいしてないのに結婚した
子供三人どうしよう
これが国家と言うより
人類あるいは生物学
もっと敷衍すると
鉱石 ....
悲しい歌が町をゆく
悲しい歌は夕暮れに
ふらふら迷子のようにゆく
ぼくはおうちで外にいる
悲しい歌に耳すます
ぼくはいつでもおうちの子
世界一のスナッチャーは
二三〇kgのバーベルを挙げた
もう眼球は飛び出す寸前で
ようやく視神経の束に支えられている感じ
体じゅうの筋肉は石より硬直して
針でも刺せば破裂しそうな感じ
ベルト ....
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