すべてのおすすめ
炎は薪から放たれた
銀色の薪台と
明々したランタンと
椅子に寄る僕を
確かに捕らえたのだ
星明かりの下
ただただ
炎が爆ぜるのが
天頂に突き落とされる
太古の爆風に思えた
舞 ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
....
何かが破損している意思の
立て石を滑る力よ
牛の乳を絞る動きと同じに枝豆弾けて
膝は高らかに笑い
崩れ落ち
寂しさとも心細さとも違う
薄っぺらな心で
振り子の反動でしか動 ....
誰もいなくなったようなので
過去を忘れたようなので
身の丈を知ったようなので
少年は心が軽くなりました
少年の目は脆すぎる安心の中そっと開きます
当然にある日常、という名の奇跡
す ....
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ
土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ
森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
選ばれる事に挑戦するのは苦手
ずっと子供の頃から何にも選ばれなかったから
のど自慢にたとえるならいっつも鐘一つしか貰えない人
鐘一つと鐘二つの計り知れない差異の大きさを悩みになやんでいた青春 ....
頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる
言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
君と見ていた 色褪せた夕暮れの焦燥は
もう戻らないと深く 息を詰めて水に
潜るようだと理解して
それでも繰り返し 夢に見て
胸元に留まり続けた 想像の
背をずっと 撫で続けていた
例えば ....
世界が終わった後の様なゆうぐれに公園で散歩した。
父と母と三人で。
その時、僕には神様の声が聞こえていた。
父の隣で、母とは少し距離をとって歩いた。
本当に世界は終わったのだろ ....
私には色々な付属物が
付きすぎていて
もう自分のためだけに
生きるなんてことは出来ない
ただ、死んだ後に
付属物達が
私と共に
朽ち果てるのは
あまりに忍びないので
これからは
そ ....
人波に飲まれたら、人塵に流れ着く
首都東京
その四文字に魅入られて最寄りの駅からJR線の電車に乗った
地方に産まれて、地方に育ち、最終学歴は地方だった
卒業すると地元に居場所を失っ ....
秋の虫たち るうるう
無残に刈られた草むらの
最果てみたいな端っこで
透明になる身体
開いた扉の
まっくらやみの先を
眼をつむったわたしは見ている
....
窓を叩いていますのはだれでしょう
だれでもありません、星明かりです
星明かりではありません、月明かり
月明かりでもありません、家守です
家守の足跡追いかけてだれが歩いて
いくのでしょう、 ....
死にたいとか
もう投稿やめて完全に詩を捨てますとか
すべてはむなしいとか
疲れたとか
そんなことを白紙の紙に書いては消しまた書くそんな自分に嫌気がさして外に出てみた
そこには大きな月があ ....
西陽が優しく煌めいて
揺れる影は伸びたり縮んだり
光の庭では子供が跳び跳ね
何かに向かって手を伸ばす
初秋の高い青空に
思いっ切り手を伸ばす
西陽が優しく傾いて
揺れる影は一條の線
....
墓石のあわいを這いまわった風に
肉体という温度をおもいだす
血という言葉はなまじろい蛇のように
とぐろを巻いて しめつけようとしている
線香の煙を青空の雲とうかべれば
どこへと行く そこ ....
風渡るせせらぎ
岩の割れ目から這い出て
木陰を気ままに歩く
わたしは沢蟹
と
のびる手
捕えられ
器に入れられ
なかまとどこかへ連れられ
いつしか明るい照明の下
隠れることがで ....
ずっこけて、転がって、這いつくばっては
立ち上がり(瞳はぎらりと、ぎらつかせ)
またずっこけて、膝擦りむいて、血糊を
なめ、それでもまだ夢を見て、今宵の夢
を見たくて ―この世界に恋がしたくて ....
トイレに 貼られた関門海峡の写真
そのくせ 見る事のできない生まれ故郷
「もし そこにいるのなら返事して」母は言う
補聴器をしなければ何も きこえず
わずかに光だけを感知する あなたの ....
あー
ギター弾いて歌ってると
空っぽになるなあ
あたしの身体にサウンドホールが空くんです
寂しかったら
ここに飛び込んでおいでよ
鮮烈な響きに身を震わして
泣けばいいよ
君のこ ....
学生時代も社会人になっても
一貫して
私は権力と呼ばれるチカラを持った事が有りません
ずっと誰かの下になって
誰かの指示や命令に従ってきました
時には誰かの思惑に振り回されて
自分 ....
{引用=幼恋歌}
暑さ和らぐ夕暮れの
淡くたなびく雲の下
坂道下る二人連れ
手も繋がずに肩寄せて
見交わすこともあまりせず
なにを語るか楽しげに
時折ふっと俯いて
風に匂わす花首か
....
天使たちは陰口が大好き
馴れ合いだらけの花園で
互いに褒め合う仲良しごっこ
そして気が向けば誰かを貶める
あの人は私を傷つけたの
私は可哀想な被害者なの
だからみんなで取り囲み
羽根 ....
1.
ベランダのむこうに
海がひたひたと満ちてくる
だから駅前のコンビニも
24時間のスーパーも
どこも沈んでにじんでいる
空の冷蔵庫のなかで
たっぷりと寝た肉を吊り下げて
夜 ....
もうおわりだと口に出して何度それを言ってそのたびに母の心をキリキリさせたか知らない
不登校だったとき
高校を3日で退学したとき
大学でうつになり死にそうだったとき
引きこもっていたとき
働き ....
夜は思考が暴走する。
早く逃げるんだ!
羊の大群は羊飼いに任せて走れ!
早く!早く!追い付かれるぞ!
目を瞑って早く走れ!
早く!早く!早く!
目を開けるんじゃない!
走れ!走れ!走れ!
エアコンを休ませる必要があって
曇りの内に急ぎ窓を開けています
風は無いので
雨粒を受けているかのように木々は震え
小鳥の声も運ばれて来ません
海鳴りに似た電車の音が行っては引き返し
時を ....
美しい青と真っ白な雲を
もう幾度も受け流して夏が
終わろうとしている
なし崩しに雨が続いたり
雷に眠れなくなったり
虹や変わった雲より飛び抜けた何か期待して
がっかりして泣くんだ
翻弄さ ....
忘れたことの{ルビ仲=なか}に
あるんだよね
詩は
自動記述というのが流行ったのが百年前なら
意識が流行ったのはいつのことやら
なんなら
アウストラロピテクスの頭蓋骨を
電子レンジに ....
眉毛は太くて下がってて
一重瞼の団子鼻
唇厚くて しもぶくれ
良いトコ一つも無いけれど
語り口調は可笑しくて
さっぱり分からぬ話でも
話下手でも どもっても
心の綺麗な人だから ....
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