すべてのおすすめ
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか

台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音

骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
たとえばこのストロベリーキャンディーが
私の心臓だと言ったら
あなたは口に含んで舐めて溶かして
身体の一部にしてくれるだろうか
それとも捨ててしまうだろうか

甘く感じてくれて
最後は噛 ....
忘れられないのです
満月の夜に
海面が砂金のようでした
星々は だまって それを見守ってました

海蛍です

しずかに群れはじめ
そっと
この足首を
群れの真ん中に沈め
かるく  ....
ふくらんだ水を光の茎が
幾つも幾つもすぎてゆく
未明を見る弧
水を穿つ小さな火


誰かが径に刻んだものを
何かが触れてはすぎてゆく
粗れた光が歩みやがて馳せ
立ちど ....
蝉は喚いているのだろうか
虫に生まれたわが身を嘆き

いや むしろ
祈り続けているのだろうか
来世の至福を待ち望み
朝、昼、夜と、勤行を欠かさず
一心不乱に経文を唱えた
信心深い祖母の ....
表通りの公道を
なにかに反対しているらしい
葬列のような賑わいの
長いデモ隊の列が通り過ぎたあと

裏通りの廃屋の
無人のビルディングの暗がりで
なにも反対していない少年と少女の
秘密 ....
坑道は閉じられた

この町の盛衰などは
年表に改めて書きくだすまでもない

わたしたちは身を染めるように
幾百の眼で見てきたではないか

鉱石と蔓草と共同墓地
その合間のくらしの ....
花火のおとだけ聞いている

火災ビルからひとが落ちてくるような

ドスンとも

ガタンとも

なんとも言いようのない破裂音がする

夏の湿気とうごかない風

花火大会

浴 ....
まばたきは
シャッターだから
夜になると
わたしのなかは写真だらけになる

そうやって
撮り続けた
日常のいくつもの場面を
夜の川に流していく
笹舟のゆくえを追えないように
それら ....
義姉の手を握った
痛くない程度に強く
妻以外の女性の手を握ったのはいつ以来か
兄と義姉が結婚したとき
わたしは高校生だった
男二人兄弟だったから
「{ルビ義姉=ねえ}さん」と呼ぶのも恥ずか ....
うまれるもの。
うすかわをむいて
むききったさきに
にじみでるしるは
なつかしいうみの
あじがする。



うまれかわるもの。
せつなにきりかわる
でいた ....
たいていは
朝靄の中
大きな
丸い眼を潤ませ
こちらを見て
もぐもぐと
やっている
口元を
見ているうち
どろっと
草地の上に
灰の色をした
肉塊がひとつ
なんとも
温 ....
長雨が続いたあと、街は三日ほど好天に恵まれた。一昔前のように、誰かの車のエンジンが雨にやられたという話もないものだから、修理屋の親父は手持ちのポンコツのラジオをつけては、そのヘタレたスピーカーの音 ....     コンパス

―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール

 さあ、早速コンパスを使ってみよう!
 こうして物差しで半径の長さを測ったら
 紙に針を刺 ....
まるで息の音が止まったみたいに
音楽が終わった
僕はCDを取り出して
適当に歌ってケースに戻して
他の何かを聴きたがる
音楽に身を浸して
全て忘れてしまおうか
微かな浮遊感と共に ....
ピーマンだった朝
ごぼうと言われた昨日の昼
もやしっ子と中学時代揶揄され
これまで
土の匂いが抜けたことは一度もない
ハウスに移り住んだのは妹と義理の弟
僕は小さな畑の端っこで
売り ....
雨降りから
こっそり逃れるために
少しずつ歩く
小さな黒猫には
首輪もないので
名前もないだろう

彩りある
小さな傘がたくさん
水たまりの
近くにあって
バス停で
トロリーバ ....
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた

誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している

抗えないものをか ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ

わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
 ....
イカは弱い
病み上がりだ
足が細く
くにゃくにゃしている
しかしイカには
美学がある
イカは
タフな生き方にこだわる
エビ・カニ類や小魚といった
獲物にまとわりついて
じわりじわり ....
  桜の葉を胸に抱いて
  墨色の風は流れていく
  女に似た雨の匂いが 岩間にひそむ苔を洗う
  うつむくひとの唇から 知らぬ間にすべり落ちた
  わたしの名をだれが忘れずにいられる ....
少女よ 走れ
お前は草原の風
決して立ち止まらない
少女よ 走れ
お前は海原より来しツバメ
決して迷う事はない

少女よ 走れ
その柔らかな肌が草に破れても
風に ....
病棟の面談室で
並んで座った僕と君は
三五年前と同じで
とりとめもないことを話す

天井は低く殺風景な面談室
飾るものは作者不詳の風景画
部屋の隅のテーブルでは
患者を囲んだ四人がひそ ....
降りしだく夜など
しのぐ傘はなく
暗闇にずぶ濡れて
たましいが真黒だ
蓋をされた井戸の底だ
崩落した坑道の中だ


古臭く言えば
丑三つ時というあたり ....
ぎっしりとデスクの並んだ職場で、社員たちは互いに協力しながらてんでに仕事をしていた。データを入力したり、書類を作成したり、文書を印刷したり、メールを確認したり、同僚と打ち合わせたり。私は職 .... 冬の午後を
公園に置き忘れたので
急いで取りに戻った
言葉を頬張りながら
塾へ急ぐ子どもたちと
光速ですれ違いながら

公園に着くと
理科準備室から
そっと盗んでおいた
雲母の標本 ....
人々が果実のように生っている
呼ぶ声が開く匂いの輝きに
寄り添うように開きだす応える声
こんなにも血が発酵した生き者同士
互いの表皮には場違いな分電盤が
静かに接続されている
 ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
我が家の桃畑の道路向かいに、周囲の田んぼに囲まれながら土が高く盛ってある場所がある。そこには一本の小ぶりな古い柿の木が中心を占め、右手に数本のアジサイが植わってあり、左手にドラム缶が置いて .... 日光がけたたましく叫んでいる
俺が異端だと激しくなじっている
俺は河川敷を散歩しながら
昨日の家族との団欒を思い返している
家族には異端の概念がない
俺は一人でありながら圧倒的多 ....
山人さんの自由詩おすすめリスト(5405)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
喋るテレビ- 為平 澪自由詩26*14-8-19
「ストロベリーキャンディーの心臓」- 桐ヶ谷忍自由詩18*14-8-12
透明な月がのぼる場所- るるりら自由詩2214-8-12
ひとつ_奏夜- 木立 悟自由詩4+14-8-8
夏の歌- Lucy自由詩17*14-8-7
秘密の恋- 浩一自由詩314-7-27
朽ちてもいいんだ、この町は- 遙洋自由詩6*14-7-27
花火のおと- 吉岡ペペ ...自由詩914-7-26
小鳥の歌_【詩人サークル群青・七月の課題『歌』へ提出作品】- そらの珊 ...自由詩27*14-7-23
義姉- ただのみ ...自由詩16*14-7-16
ぴいらあ- あおい満 ...自由詩914-7-16
- 天地無用自由詩4*14-7-8
梅雨晴間- 月形半分 ...自由詩514-7-4
コンパス- 夏美かを ...自由詩36*14-6-30
プレイヤー- 凍月自由詩6*14-6-28
野菜生活- 乱太郎自由詩23*14-6-25
雨降りと小さな黒猫- りゅうの ...自由詩5*14-6-13
蚊柱- そらの珊 ...自由詩18*14-6-10
はるかな個人- 乾 加津 ...自由詩23*14-6-9
イカに捧げる詩- カニさい ...自由詩914-6-5
うつろい- 草野春心自由詩614-6-1
少女- 月形半分 ...自由詩614-5-13
面談室- ……とあ ...自由詩20*14-5-12
冷たい血のささやき- ホロウ・ ...自由詩2*14-5-10
- 葉leaf自由詩614-5-4
陽射し- 自由詩21+14-4-11
分電盤- 葉leaf自由詩814-4-5
重力を連れて散歩に出る- 自由詩1614-4-1
装飾- 葉leaf自由詩714-3-16
詠唱- 葉leaf自由詩214-3-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181